キングダム
濡須口の戦い




はじめての三国志

menu

執筆者:黒田廉

張儀(ちょうぎ)とはどんな人?合従策に対抗した外交策を立て歴史に名を残した遊説家 Part.3【完】

この記事の所要時間: 412




photo credit: Red and blue via photopin (license)

photo credit: Red and blue via photopin (license)

 

理解者・恵王の死

張儀(ちょうぎ)は燕が秦と盟を結ぶことを恵王(けいおう)に報告する為、

秦へ向かいます。

彼は秦の首都である咸陽(かんよう)に到着する寸前に一人の使者が張儀の前に

現れ「恵王様が亡くなられ、太子が王の位を継ぐ事になった。」と伝えます。

張儀はこの話を聞き、前王である恵王の死を大いに嘆き、悲しみます。

 

前回記事:張儀(ちょうぎ)とはどんな人?合従策に対抗した外交策を立て歴史に名を残した遊説家 Part.2




王から臣下まで皆が嫌い

 

恵王の後を継いだ武王(ぶおう)は太子時代から張儀の事が大っ嫌いでした。

家臣達も張儀の事が嫌いで、彼がいない事を良い事に武王へ彼の悪口を

言いまくります。

秦が張儀を重用していないと知った各国は、秦との盟を破棄して、

六か国同盟を形成して行きます。




命の危機がせまる

photo credit: Tangible via photopin (license)

photo credit: Tangible via photopin (license)

 

張儀は秦へ帰国すると、燕と秦の盟を締結してきたと武王に報告します。

この報告をした時、王と群臣達の雰囲気がいつもと違う事に気付きます。

張儀の報告を聞いた武王はただ頷き、彼を下がらせます。

この報告をしてから数か月が経ったある日、

斉から使者が来ます。

この使者は「張儀の身柄を引き渡さなければ、各国と連合軍を形成して、

秦へ攻め込む。」と斉王の言葉を武王へ伝えます。

張儀はこの斉の使者の口上を聞いており、自らの命に危険が迫っている事を感じます。

 

秦の官職を捨て、魏へ逃亡する

 

張儀は斉からの圧迫と武王から嫌われている事を知り、

自らの命の危機が迫っている事に気付きます。

彼はこの現状を打破する為、武王に策を献じます。

張儀は「王よ。私は斉の国が秦へ攻め入らないようにするため、

国を去りたいと思います。

私は魏へ向かいますので、魏と斉が争っている隙に、

韓を攻撃して洛陽周辺の土地を奪い取るのがよろしゅうございます。」と

進言します。

武王は張儀の最後の進言を取り入れる事にします。

張儀は秦を去って、魏の国へ向かいます。

 

斉王へ使者を送る

 

張儀は魏の国へ到着すると、魏の哀王(あいおう)は彼を快く受け入れ、

宰相の位に就任させます。

斉王は張儀が魏に逃げ込んだと知ると、すぐに大軍をもって魏へ攻め込みます。

哀王は魏の国土が魏へ奪われている状況を心配して、張儀へ相談します。

相談を受けた張儀は「王よ。心配する事はございません。

私が必ず斉王の攻撃を止めて見せます」と言い、

部下を楚に向かわせた後、斉王の元へ向かわせます。

このようにすることで、魏からの使者だと思わせずに済むため、

このような手段を取ります。

 

斉王との会談

 

張儀の部下は斉へ入ると斉王に会見を申し入れます。

斉王はイライラしながらも張儀の部下を受け入れます。

張儀の部下は斉王と会見すると「王様はなぜ張儀を助ける行動を取るのですか」と

尋ねます。

斉王はこの言葉を聞いて激怒し「私が張儀を助けているだと、ふざけたことを申すな。

私は奴が憎くて、魏を攻めているのだ。どうして奴を助けるであろうか。」と

怒りをぶつけます。

張儀の部下は斉王の怒りに動じず「果たして王様が言ったのは本当でしょうか。

彼は秦を出てくるとき、武王にこのように申したそうです。

「私は魏へ向かいます。私が魏へ入れば、斉は必ず魏に攻め込みますので、

王はその隙をついて、韓を攻撃して領土を拡大するべきです」と。

さて現在王は、張儀を殺す為魏へ攻め込んでいますが、

この状況を一番喜んでいるのは標的にされている張儀なはずです。

なぜなら自分が献策した策の通りになっており、

武王から信頼を得る事が出来たからです。

もし王が本当に張儀を憎んでいるのでしたら、すぐに魏へ攻撃する事を止め、

武王と張儀の信頼関係を打ち砕くことに注力するべきだと思います。」と提案。

斉王はこの言葉を聞くと「あなたの言う通りだ。魏への攻撃を止めよう。」と

伝え、斉軍をすぐに引き上げさせます。

こうして張儀の策の通りに事は進み、魏の哀王は彼を厚遇します。

しかし張儀は魏の危機を救った翌年波乱に満ちた生涯を閉じる事になるのです。

 

三国志ライター黒田廉の独り言

黒田廉

 

張儀は蘇秦と並んで、弁舌の身で戦国七雄(秦・韓・魏・趙・燕・斉・楚)と

言われた国々を動かした外交家です。

蘇秦は秦を除いた六国を同盟させて秦に対抗する外交策を各国に提案。

張儀は蘇秦とは反対に六か国を秦と同盟させる外交策である連衡(れんこう)

と言われる外交策を提案していきます。

この二人は各々の外交策を成功させた事で、中国史に名を刻み、後世まで伝えられる

事になります。

しかし史記を書いた司馬遷は「彼らは弁舌で国を左から右に動かした者で、

非常に油断のならない人物である」と評価しております。

私は司馬遷の評価も一理あると思いますが、武力を用いず歴史に名を残した事は

評価に値する実績であると思います。

「今回の春秋戦国時代のお話はこれでおしまいにゃ。

次回もまた初めての三国志でお会いしましょう。

それじゃまたにゃ~。」

 

—熱き『キングダム』の原点がココに—

春秋戦国時代バナー



よく読まれている記事

キングダム 40巻

よく読まれている記事:【キングダム好き必見】漫画をより面白く読める!始皇帝と秦帝国の秘密をまとめてみました

兵馬俑 kawauso

 

よく読まれている記事:知らないと損する!始皇帝と大兵馬俑を100倍楽しむための外せないポイント

 

キングダム 政

 

よく読まれてる記事:【衝撃】秦の始皇帝陵は実は完成していなかった!壮大な地下宮殿と兵馬俑の謎

 

兵馬俑

 

よく読まれてる記事:戦術マニア必見!兵馬俑の戦車で2200年前の戦略がわかる!

 

始皇帝

 

よく読まれてる記事:中華統一後の始皇帝は大手企業の社長並みの仕事ぶりだった!?彼が行った統一事業を紹介

 

この記事を書いた人:黒田廉(くろだれん)

 

黒田廉

■自己紹介:

横山三国志を読んだことがきっかけで三国志が好きになりました。
その後の日本史・中国史を学びました。
またいろいろな歴史小説を読んでおります。現在はまっている歴史小説は宮城谷昌光氏の劉邦です。

■歴史人物:

張遼孟嘗君、張作霖など

■何か一言:

今年も頑張ってはじさん盛り上げていくにゃー!!

黒田廉(くろだれん)

黒田廉(くろだれん)

投稿者の記事一覧

横山三国志を読んだことがきっかけで三国志が好きになりました。
その後の日本史・中国史を学びました。
またいろいろな歴史小説を読んでおります。
現在はまっている歴史小説は宮城谷昌光氏の劉邦です。

歴史人物:

張遼、孟嘗君、張作霖など

何か一言:

今年も頑張ってはじさん盛り上げていくにゃー!!

関連記事

  1. 遼来来!よりも呉は彼を恐れていた?呉キラー曹休(そうきゅう)
  2. 戦国時代最大のミステリー・本能寺の変の謎に迫る!!
  3. 【司馬の八達】超厳しい父親に育てられた俊英・司馬朗の提案を聞かな…
  4. 【キングダム】かわいいと話題の楊端和(ようたんわ)の強さは異常!…
  5. 【おんな城主・井伊直虎を見逃した方へ】第19話 「罪と罰」の見ど…
  6. 馬鹿の語源はキングダムの趙高の実験から生まれた?
  7. 【夷陵の戦い】なぜ劉備は陸遜にフルボッコされたの?大敗北を考察
  8. 出雲の麒麟児・山中鹿之助の青年期に迫る

google検索フォーム

過去記事を検索できます

ピックアップ記事

おすすめ記事

  1. 【保存版】西遊記に登場する武器を一挙公開!!
  2. 夏侯覇は郭淮とチョー仲が悪かったから蜀へ逃げたってホント!?
  3. 今と変わらない?三国志の時代の勤務評価表を紹介
  4. 孫策と周瑜の怪しい関係は事実だったの?子不語にある逸話を紹介!
  5. 曹操の誕生日に孫権から贈られてきたとっても嬉しくない贈り物って何?
  6. 銃は中国で発明されたものだった?「アンゴルモア」にも登場した火薬兵器

三國志雑学

“はじめての三国志150万PV" はじめての三国志コミュニティ総合トピック
“広告募集"

はじめての三国志 書籍情報

朝まで三国志 三国志最強のワルは誰だ (桃園出版 三国舎)

著:kawauso 価格480円
※Kindle読み放題対応

ピックアップ記事

おすすめ記事

【故郷を愛した英雄】曹操は故郷が大好きで仕方がなかった 月刊はじめての三国志2018年2月号 (桃園出版 三国舎)を出版しました 【おんな城主・井伊直虎を見逃した方へ】第九話「桶狭間に死す」の見どころ紹介 【大三国志 攻略8】今回は激戦中のあの巨大同盟が登場!天下乱舞にも波乱の予感 潼関の戦いを勝利に導いた鍾繇その隠れた功績を紹介 ギャップに驚き!禰衡だけでは無かった!Mr.天然、曹植の裸踊り 李豊(りほう)とはどんな人?才能ある人物なのかそれともただのポンコツなのか 『軍勢RPG 蒼の三国志』が、サービス4周年を記念し「12大キャンペーン」を実施。「四周年記念武将」も登場

おすすめ記事

  1. 武田晴信の領地経営と甲州法度をざっくりと分かりやすく紹介!
  2. これはひどい・・関羽は深刻な方向音痴だった?迷走する関羽の千里行
  3. 【結構苦労が多いんです】三国志時代の転職事情が想像以上に複雑だった
  4. これは座右の銘にしたい!『論語』のおすすめの言葉10選
  5. 信ってどんな人?キングダムの主人公は史実が少ない謎多き人物
  6. キングダム最新ネタバレ予想575話「王賁が亜光軍を継ぐ!」解説
  7. 【魏の忠臣】王基が司馬家兄弟に噛み付いたのは魏の国家のためだった
  8. 孟獲(もうかく)はインテリ男子?南蛮征伐は孔明と孟獲のヤラセだった件

はじさん企画

袁術祭り
李傕祭り
帝政ローマ
広告募集
まだ漢王朝で消耗してるの?
HMR
ライフハック
君主論

ビジネス三国志
春秋戦国時代
日常生活
曹操vs信長
架空戦記
ライセンシー
北伐
呂布vs項羽
編集長日記
はじめての三国志TV
“曹操孟徳" “黄巾賊" “赤壁の戦い" “THE一騎打ち" “夷陵の戦い" “kawausoのぼやき記事" “よかミカンのブラック三国志"
“水滸伝"
PAGE TOP