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扁のもう一つの役割、指名手配の賞金首の告示
前述しましたが、扁には、重罪犯に対する指名手配の役割もあります。最初の胡虜もありますが、それ以外にも国家犯罪者、重犯罪者、などの、逃亡している人間を捕まえたり、斬首したり!居場所を知らせると、購(こう)という賞金が出たのです。
捕縛や通報は分かりますが、斬首まで許すとは、まさに賞金稼ぎが喜びそうな、デッド・オア・アライブな感じです
まるで、西部劇やワンピースに出てくる、ウォンテッド 賞金○○○$のようですね。もちろん、凶悪犯であれば、あるだけ購の金額は上がったので、それだけ、通報者の数が増えたであろう事は言うまでもありません。
扁には、もしかしたら、犯人を特定できやすくする為に、指名手配犯の人相や風体、そして、簡単な似顔絵なども添付されたかも知れませんね。
蒯徹が人相を変えて狂人のフリをしたのは扁を警戒したから?
実際、楚漢戦争の末、韓信(かんしん)に仕えて独立を勧め、その後、劉邦(りゅうほう)が天下を取ると逃亡していた蒯徹(かいつう)は、人相風体を変え、狂人のようなフリをして逃げ回っていましたから、この扁を意識していた事は、間違いないかと思います。
善行の奨励、川でおぼれた子供を救うと賞金が出る?
また、変わった購には、溺れている子供を助けたら、賞金、○○○銭というものまであったようです。今、考えると、それは善行の類で、それで、お金もらうと逆に嫌な感じがしますが、当時は川で溺れて死ぬ子供が多かったという事なのでしょうか?
それとも、世の中が荒んで、人助けをする人が極端に少ないのでこんな規定を造ったのか・・
三国志ライターkawausoの独り言
情報の乏しかった当時、扁から得られる情報は、庶民の関心を呼んだ事と思います。今でいえば、新聞や週刊誌を読む感覚で、扁に上げられる情報を楽しみにしていたのではないでしょうか?
本日も三国志の話題をご馳走様でした。
参考:中国古代の貨幣 お金をめぐる人々と暮らし/182p~183p/柿沼陽平/2015年4月20日第二版/歴史文化ライブラリー395/
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