キングダムの主人公 信は下僕という身分からスタートします。
それを見ても、ああ、秦の時代には身分制があったのだなと思いますが、
漫画においては、詳しい身分の上下は分らないままです。
では、秦の時代の身分制とは、どのようなものだったのでしょう。
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小国だった秦は各国を併合し身分制で区別をつけた
後には、春秋戦国時代を制覇する秦も建国当初は、
陝西省渭水流域、涇水以西の地など、僅かな領地しかもたない小国でした。
それが、徐々に強くなるに従い、周辺に勢力を伸ばしていきますが、
その途中で、数が少ない秦人と圧倒的に数が多い征服地域を区別し
統治しやすくする為に身分に区別をつけてゆきます。
秦、国ごとの序列・・
秦の国内体制は、まず本拠地と属国、そして他国に分かれます。
詳細に言うと、次のようになります。
・故秦(こしん)・・陝西省渭水流域、涇水以西の地で建国の時からの領地。
・属邦(ぞくほう)・・直接、間接を問わず、秦の直接支配が及ぶ領地、
故秦と対等の序列にあたる。
・他邦(たほう)・・秦の影響力が及んでいない国、つまり他国。
さらに、属邦には、次の2種類の区分が存在します。
・臣邦(しんほう)・・秦の一定の支配下にある他国、
秦本国と同じように県や都、道が置かれつつ君主がいて、
社稷などが存在する場合もあった。
・外臣邦(がいしんほう)・・秦王が統治権を認めている異国の王がいる。
直接統治は及ばないが、秦に従属している国。
秦、人間の身分制
上述したように、秦には故秦、属邦(臣国・外臣邦)
そして他邦という国の区別がある事は分りました。
さらに秦には、故秦と属邦に住む人間の身分制があります。
・夏子・・故秦に生まれ、両親共に秦人である人。
・真(しん)・・・属邦に生まれ定住、両親が他国人である人。
・客(きゃく)・・秦の支配地域以外からやってきた外国人の家臣。
夏とは中国史上最初の王朝で、その夏に繋がるから夏子です。
秦は僻地の為に、中原国からは無視され、野蛮視されましたが、
秦自体は、自らを漢民族の正統と考えていた事が分ります。
ちなみに夏子は「かこ」と読み、決して「ナツコ」とは読みません。
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真から夏子になる方法
この真から夏子になる方法もあります、簡単と言えば簡単で、
夏子の女性と結婚して、子供が生まれれば、その子は夏子になります。
つまり、正真正銘の秦人になるのは、次世代からで、
真の身分の人は、夏子にはなれないという事ですね。
どうして、このような制度が出来たのか?
真と夏子の間に、著しい待遇の差があったとは思えません。
真と客の間は対等ですし、身分が真でも重く用いられた人はいたでしょう。
では、どうして、このような身分が出来たのかというと、
やはり外国人と秦人を識別する必要があったからでしょう。
秦人は外国人よりも少ないので、身分分けをしておき、
さらに、次世代から秦人女性と結婚して子供を産む事で
夏子になれるようにする事で異国人を早く、秦に同化させて
裏切らないようにしたのでしょう。
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信は真だったのか?夏子だったのか?
キングダムの主人公、信は、幼馴染の漂(ひょう)と共に
戦争孤児として他人の下僕という立場からスタートします。
下僕という身分が微妙ですが、恐らく奴隷ではないかと思われます。
というのも、当初、信は下僕の身分の為に秦の兵士にさえなれず、
秦王政を助けた手柄で、庶民に昇格して兵士になれたからです。
秦の時代、戦争に敗れて秦の捕虜になった敵は奴隷の身分に落ちました。
そう考えると、信の両親は、秦人ではなく、秦の攻撃で、
殺され、その時に孤児として残された幼い信が秦兵に捕まり
奴隷として秦に連行され、買われて下僕になったのではないでしょうか?
そのように考えると、信は夏子ではなく、真という事になりますね。
もっとも、真のままでも、客将と同じく大将軍にはなれますけどね。
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