編集長日記
帝政ローマ

はじめての三国志

menu

三国志の雑学

【意外】古代中国では犬やタヌキが鼠を捕っていた?

この記事の所要時間: 340




犬とネズミ

 

古代の中国では、現在からは考えられない事が普通に行われていました。

私達は、鼠を獲るのは猫と考えていますが、春秋戦国の頃までの中国では、

何と犬やタヌキが鼠を獲るように訓練されていたのです。

きっと愛犬家でも知らない驚愕の真実を紹介しましょう。

 

はじめての三国志:全記事一覧はこちら




前漢以前には猫は家畜ではなく鼠の被害が多かった

李斯 ネズミ

 

猫が鼠を獲る家畜として入ってきたのは

前漢の頃であるようで、周代に成立した詩経(しきょう)では、

 

麀鹿(ろくろく)虞(ぐ:虞に口偏)々たり

熊あり羆あり猫あり虎あり

 

意訳:雄鹿と雌鹿の鳴き声が鳴り響く、

森には、熊やヒグマ、猫や虎が生息している。

 

と書いてあり、この時代の猫は山猫で、

人に飼われていない事が分ります。

 

当時の建築物は、王公の建物でも垣は板であり、

簡単に鼠が食い破り、食べ物を荒らしていました。

王宮の玉座にさえ鼠が入り込んだという記述があります。




周の時代には鼠を獲る犬を見分ける犬人の官があった。

正妃 卞夫人

 

鼠の害を防ぐ方法は、垣の鼠穴を塞いだり、

鼠の巣穴を煙で燻して窒息させたりする方法が主でしたが

これではらちが明かないので、周では犬を訓練して、

鼠を獲るようにしていました。

 

この犬が鼠を獲るのに適しているか見極める犬人(けんじん)の官という

官職があったようで、さながら犬の調教師ですね。

 

それだけ、鼠の被害が凄まじかったという裏返しでしょう。

 

関連記事:成り上がり?ネズミが李斯の運命を変えた!

 

可哀想、、犬官がアドバイスする犬に鼠を獲らせる方法

曹操 犬

 

ある人が犬官のアドバイスで良犬を飼いましたが、

狩猟ばかりに関心が行き、ちっとも鼠を捕ろうとしません。

そこで犬官にアドバイスを求めると、

 

「犬の後ろ脚を縄で縛って自由を奪いなさい」

 

と言われたので、言う通りにすると、狩りに参加できない

犬はストレスを溜めて、鼠を獲るようになったそうです。

でも、後ろ脚を縛るなんて、今なら動物虐待ですね。

 

犬の次に鼠を獲ったのはタヌキだった

たぬき f

 

犬の次に鼠を獲ったのはタヌキでした。

タヌキは、元々、家畜の鶏を狙って山から降りてくる害獣ですが、

その敏捷性に注目し、飼いならしたのが元のようです。

 

タヌキはその毛皮に光沢があり、皮衣にされた程ですが、

俊敏で獰猛であり、多く鼠を獲りました。

 

韓非子(かんぴし)は、

 

「鶏をして夜を司らしめ、狸をして鼠を捕えしむは、

皆、その能を用いるなり」

 

と書いていて、キングダムの時代でも、まだ、

狸を鼠退治に利用していた事実が分ります。

 

また孔子(こうし)も琴を弾きながら、狸が鼠を捕えるのを見た

と記していたり、タヌキのように鼠を捕える技術は、

誰にも真似が出来ないという賞賛の言葉もありました。

 

関連記事:キングダム時代に活躍した法家 商鞅と韓非はどんな人?

 

タヌキ、猫に取って代わられる、その理由とは・・

怒る村人 三国志

 

しかし、前漢の時代になると中国人は、同じく人家に忍んで

食べ物を失敬する猫に目をつけて飼い慣らしタヌキは廃れていきます。

 

その理由は、タヌキは見た目によらず非常に性格が獰猛で、

淮南子(えなんじ)にも、

 

「タヌキは鼠を捕まえるが、庭に出してはいけない

大事な鶏を食べてしまうからだ」

 

というような警句があります。

 

幾ら教えても野生の本能が抜けないタヌキは、簡単に家畜化し、

温厚で人に懐く猫に比べると飼いにくく、だんだん廃れたのです。

また、タヌキは猫が大好物でした、猫の別名は狸奴(りど)とも言い、

タヌキの前に出ると恐れて奴隷のように従順になる事から、

この名前がつけられました。

 

つまり、猫を飼いだすと、タヌキは放逐される運命だったのです。

 

それに猫はタヌキと違い、鼠を獲るのをゲームとして

楽しむ習性がありお腹が一杯でも夢中で鼠を獲り殺してしまいます。

一匹の猫が一晩で数十匹の鼠を捕えたケースもあり、

農耕民族である漢民族にとり、猫は有り難い存在になるのです。

 

唐の時代には、猫は一家に一匹になり猫好きも出現

陸遜

 

猫は前漢で家畜化したとはいえ、まだ数が少ない貴重な生き物でした。

三国や晋の時代に入っても、まだ鼠の被害が大きい事などから、

それは推察されます。

 

それが唐代になると、爆発的に普及して、一家に一猫の時代に入り、

張博(ちょうはく)のように、東守とか白鳳とか紫英、錦帯などと猫に名前をつけ

仕事を終えて帰って家の門をくぐると数十匹の猫が飛び出してきて

張博の足に体を擦り寄せるような光景も見られます。

 

一つの家に数十匹の猫は要らないので、張博の猫好きだった

という事が分る話です。

 

関連記事:【ネコ派必見】猫にまつわる中国史の逸話!古代漢民族は無類の猫好きだった?

関連記事:三国志時代のペット事情が興味深い!陸遜の孫も犬を可愛がっていた!

 

三国志ライターkawausoの独り言

kawauso 三国志

 

また当時から、家から猫がいなくなると、隣近所から貰い猫をする習慣があり、

宋の時代の黄山谷(こうざんこく)の「猫を乞うの詩」はとても有名です。

それは、猫が死んだといい気になって、甕を窺い、盆をひっくり返す

家鼠に対して、今日猫をもらってきて、魚を用意し鼠を退治するように命令したから

今に見ていろギャフンと言わせてやると宣戦布告する内容です。

 

トム&ジェリーのドタバタ合戦は、中国でも変わらず行われていたのですね。

本日も三国志の話題をご馳走様・・

 

はじめての三国志:全記事一覧はこちら

関連記事:三国志時代に降伏や降参するときはどうやってサインを出していたの?

関連記事:【素朴な疑問】三国志時代はどうやって兵士を集めていたの?

 

—古代中国の暮らしぶりがよくわかる—

 




 

kawauso

kawauso

投稿者の記事一覧

三度の飯の次位に歴史が大好き

10歳の頃に横山光輝「三国志」を読んで衝撃を受け
まずは中国歴史オタクになる。
以来、日本史、世界史、中東、欧州など
世界中の歴史に興味を持ち、
時代の幅も紀元前から20世紀までと広い。
最近は故郷沖縄の歴史に中毒中、、

好きな歴史人物:

西郷隆盛、勝海舟、劉邦、韓信、、etc

何か一言:

歴史は現在進行形、常に最新のジャンルです。

関連記事

  1. 関羽、曹操に取りあいをされた人妻 杜夫人
  2. 曹操の同化推進政策がマイノリティ人口問題を引き起こした!?
  3. 孟獲(もうかく)はインテリ男子?南蛮征伐は孔明と孟獲のヤラセだっ…
  4. 【シミルボン】これは意外!モノマネが大好きだった三国志の人々
  5. 鍾会(しょうかい)ってどんな人?蜀を滅ぼして独立を目指した男
  6. 【教科書に載らない歴史ミステリー】徐福は神武天皇になったってホン…
  7. 【赤壁の戦い】なぜ曹操は天下分け目の大戦に負けたの?
  8. これはヒドイ!流浪していた献帝の悲惨な生活

google検索フォーム

過去記事を検索できます

ピックアップ記事

おすすめ記事

  1. 劉備も曹操もハッキヨイ!三国志の時代にも流行していた相撲
  2. 徳川家康との対決と信長包囲網構築へ
  3. みんな大好きウ◯チの話!三国志時代のトイレ事情
  4. 孔明とは違うのだよ!天才姜維の斜め上北伐とは?両者の徹底比較
  5. 【初めての戦国史】尼子氏再興作戦決行!!しかし・・・・
  6. これぞ重箱の隅!三国志の時代の調理具・食器特集!

三國志雑学

“広告募集"

はじめての三国志の書籍情報

朝まで三国志 三国志最強のワルは誰だ (桃園出版 三国舎)

著:kawauso 価格480円
※Kindle読み放題対応

ピックアップ記事

おすすめ記事

始皇帝が眺めていた星空から星座が分かる。凄い!ギリシャ神話にも劣らない中国の星座 公孫瓚特集:悔しかったら雨を降らせてみろ・その2 12話:黄巾賊の反乱を平定した漢王朝と残念なくらい無能な霊帝 蜀ファンに衝撃!実は関羽は劉備の部下ではなく群雄(同盟主)だった!? 【呉を作った男達】いぶし銀の輝きを放つ呉の英雄を紹介! 王翦の一族はその後どうなるの?秦の中華統一に貢献した一族 秦国の六虎将軍・李信の妻となるのは誰かを大胆予想!羌瘣?それとも河了貂か? 趙雲は何で新参者の馬超や黄忠や魏延よりも位が低いの?

おすすめ記事

  1. もう!待ちきれない真三国無双8の発売日はいつ?
  2. 胡昭(こしょう)とはどんな人?司馬懿の命の恩人で曹操の招きに応じながらすぐに辞職した男
  3. 鍾会(しょうかい)は何で反乱を起こしたの?魏のイケメン武将の独立事情
  4. 袁術祭り開催日程のお知らせ
  5. 【袁家ファン必見】袁家はどうやって名門になったの?汝南袁氏の基礎を築いた袁安(えんあん)が超苦労人だった
  6. インテリ朶思大王が蜀軍を苦しめる?ワシが南蛮一の軍師ダシ!
  7. これはキツイ!健康が回復するかで刑罰が決まる保辜(ほこ)
  8. 本当は好きなんでしょ?一騎当千の最低男、呂布の最強伝説

はじさん企画

帝政ローマ
広告募集
特別企画


袁術祭り

異民族
諸子百家
春秋戦国時代
日常生活
曹操vs信長
架空戦記
ライセンシー
北伐
呂布vs項羽
編集長日記
はじめての三国志TV
PAGE TOP