はじめての三国志

menu

三国志の雑学

三国志の時代の灯りは取扱い注意なワイルドな松明だった!

この記事の所要時間: 357




張良㈫ 成長編05

 

当たり前ですが、三国志の時代にだって昼と夜があります。

昼間は太陽で明るくても、夜になったら暗くなって作業に困ったりした筈です。

今のようにスイッチ一つで電気がつく事などない時代、人々は、どうやって

灯りを調達していたのでしょうか?

今回は知っているようで知らない、三国志の時代の灯り事情を解説します。

 

はじめての三国志:全記事一覧はこちら




周の時代から、灯りは松明と決まっていた

松明 f

 

私達は日本の時代劇のイメージで、昔の灯りと言えば蝋燭(ろうそく)をイメージします。

そうでないなら、小皿の上で燃える油燈(ゆとう)を考えてしまうでしょう。

しかし漢の時代には、蝋燭は蜜蝋(みつろう)として入ってきてはいましたが、

輸入品であり、とても高価で日常で使えるような代物ではありませんでした。

 

油燈は荘子に、「山木は自ら寇(き)られ、膏(こう)火は自ら煎らる」とあるように、

すでに春秋戦国の頃にはありましたが、植物油は発明されていないので

牛や山羊の油を小皿に盛った獣脂(じゅうし)でとても高価でした。

 

※「山木は自ら寇られ、膏火は自ら煎らる」の意味は、

世の中の役に立つモノはその為に人に利用され天寿を全うできないが、

役立たずは、無益である為に禍を受けず、かえって長寿するという事。

 

代わりに利用されたのが、薪を紐で棒に巻き付けた松明(たいまつ)です。

この松明、実に古代の周の時代から宋の時代まで2000年近く、

中国における主な灯りの担い手でした。

もちろん三国志の時代だって、灯りといえば松明だったのです。

 

関連記事:よくわかる!周の成立から滅亡をざっくり分かりやすく紐解く

関連記事:周公旦(しゅうこうたん)とはどんな人?周王朝の基礎を固めた功臣




当時の学校には灯り係が存在していた

曹操 手紙

 

松明は、蝋燭や油よりは輝きは強いのですが欠点もあります。

燃えカスの灰が下にどんどん落ちて、部屋を汚してしまいますし、

蝋燭などに比べると、持ちが悪く何度か取り替える必要がある事です。

 

それにボウボウと燃えますから、放置して燃やしておく事は危険で、

必ず人に持たせて火を警戒する必要がありました。

そこで、夜中も作業をする学校や役人の家では、松明を持つ係がいて

学校が終わるまで、或いは主人の作業が終わるまでは、

室内で、延々と松明を持ち続けないといけなかったのです。

 

学校の場合には、弟子同士で松明の係を交代して回していますが、

役人の家の場合には、一晩中、松明を持ち続ける係の人は、

大層、しんどかったであろう事が想像できます。

 

加減が激ムズ! ヒゲを焼いてしまう、ライター相手の灯り係

陳寿

 

また、当時は夜に執筆をする人も松明を近くにおいて文字を書いています。

執筆は自分の影が出来ても暗くて文字が書けませんから、次第に灯り係の人を近くに

寄せるようになり、案の定、熱中している間に松明に顔が近づきヒゲを火で焼き

「うわっちゃああああ!あちっ!あちっ!」というような、

コントのような事件も多数発生したという事です。

 

もしかしたら、三国志を書いた陳寿(ちんじゅ)も書いてはいませんが、

執筆に熱中して何度かヒゲを焼いたかも知れませんね、

 

関連記事:陳寿(ちんじゅ)とはどんな人?●●のレッテルを貼られてしまった正史三国志の作者

関連記事:「危うく抹殺されそうになりました、陳寿さんのおかげです」卑弥呼より

 

厳しく守られた灯り係の人の礼義作法

荀彧

 

灯り係には、厳しい決まりがありました。

まず、灯り係は部屋の片隅に行かなければなりません。

松明の煙や灰で人の迷惑にならない為です。

 

孔子(こうし)の弟子である曾子(そうし)が病気で寝込んだ時にも、

一人の童子が部屋の隅で松明を灯している様子が記録されています。

 

また「礼記」によると、松明を持つ人は松明を譲り合ったり、

遠慮をしたり、歌を歌うような事も厳禁とされています。

このような行為で気が緩んで、誤って松明を落してしまうと

火傷や火災の危険があった為です。

 

灯り係の人は、必ず松明は左手に持ち、真下には灰落としの皿を置いて、

灰はすべて、この皿に落ちるようにし、

仮に衣服に灰がついたら必ず右手で払い落します。

 

予備の薪を近くにおいて、燃えている時間を見て、

新しい薪を松明に差し込んで火が絶えないように工夫しました。

 

関連記事:【三国志マナー】あなたは大丈夫?間違うと首が飛びかねない!?三国時代のマナーを紹介!

関連記事:荀彧と曹植はオシャレ男子だった?三国時代の男子は化粧をしていた

 

三国志節約術!宴会は始まるまで真っ暗だった・・

月 f

 

宴会は、仕事が終わってから、始まる事も多く夜になる事もあります。

しかし、当時の人々は松明の消費を節約する為に

出席者が全員揃うまでは松明は点けないようにしていたようです。

 

宴会が始まるまでは、室内は真っ暗という事ですが、

長時間続く宴会では、松明の消費もバカにならないので、

そのようにして経費を節減している家庭も多かったようです。

 

始まるのを待っている間、出席者は本も読めないし、

真っ暗で何も出来ないので、さぞや退屈だったでしょうね。

 

関連記事:こんなに厳しい!三国志の時代の宴会のマナーが超複雑

関連記事:三国時代の料理と酒って何を食べてたの?英雄たちの宴が気になる

 

三国志ライターkawausoの独り言

kawauso 三国志

 

さて、この松明には、もうひとつ不便な点がありました。

それは、密談が出来ないという事です。

夜中に不穏な計画を練ろうとしても、かならず部屋の隅で

松明を持って立っている部下がいて邪魔です。

 

今と違って、当時の夜は静かですから、ヒソヒソ声は

嫌でも松明係に聞こえてしまう事になりました。

このような事から、陰謀をめぐらす時には油燈を使うか、

外に出て、月明かりの下で話をするか、

いっその事、昼に相手を呼んで密談するしかなかったのです。

 

昼に行われる陰謀って、なんだか間抜けな感じですね。

本日も三国志の話題をご馳走様・・

 

はじめての三国志:全記事一覧はこちら

関連記事:もし郭嘉が劉備軍の軍師だったらどうなる?呂布や袁術も討伐できた!?

関連記事:曹操と劉備はどうしてライバル扱いなの?【三国志の素朴な疑問】

 

—古代中国の暮らしぶりがよくわかる—

 




 

kawauso

kawauso

投稿者の記事一覧

三度の飯の次位に歴史が大好き

10歳の頃に横山光輝「三国志」を読んで衝撃を受け
まずは中国歴史オタクになる。
以来、日本史、世界史、中東、欧州など
世界中の歴史に興味を持ち、
時代の幅も紀元前から20世紀までと広い。
最近は故郷沖縄の歴史に中毒中、、

好きな歴史人物:

西郷隆盛、勝海舟、劉邦、韓信、、etc

何か一言:

歴史は現在進行形、常に最新のジャンルです。

関連記事

  1. 曹丕、女心を詩で歌う ごめんねディスしてキャンペーン
  2. 荀灌(じゅんかん)とはどんな人?父の危機を十三歳の少女が救った荀…
  3. 偽撃転殺の計VS虚誘掩殺の計
  4. 【新企画】朝まで三国志を開催!夜22時~朝6時までノンストップ特…
  5. 劉表(りゅうひょう)とはどんな人?肥沃な土地と膨大な兵力を保持し…
  6. 60話:徐庶、劉備軍の軍師として曹操と対峙する!
  7. 歴史上最も有名な義兄弟の誕生!桃園の誓い
  8. 【袁家ファン必見】袁家はどうやって名門になったの?汝南袁氏の基礎…

google検索フォーム

過去記事を検索できます

ピックアップ記事

おすすめ記事

  1. 曹植(そうしょく)ってどんな人?正史から彼の一生を見直してみる?
  2. 【週間まとめ】はじめての三国志ニュース15記事【5/1〜5/8】
  3. 話題の水素水問題は三国志時代にもあった?健康になる水信仰
  4. 38話:名門に生まれた策略家 袁術の非業の最期
  5. コネ男・劉備から学ぶ人脈作り!コネクションの活かし方をコッソリ教えちゃいます!【ビジネス三国志】
  6. 後漢王朝の華だった尹夫人の波乱万丈の生涯Part.2

三國志雑学

ピックアップ記事

おすすめ記事

中国人が冷たいビールを飲まないのは三国志の曹操のせいだった! 三国志時代の笑い話は腹がよじれるほどシュールだった!? 三国時代の音楽ってどんな感じだったの? 村上義清(むらかみよしきよ)とはどんな人?武田家キラーとしてその名を馳せた戦国武将 袁術が評価される日も近い?スーパー袁術の凄い所7連発!! 130話:孔明無言の帰還と魏延の最後 【解煩督】呉にだっているぜ!解煩、敢死、無難、様々な特殊部隊 郝昭(かくしょう)ってどんな人?陳倉城で孔明を撃退した「孔明キラー」

おすすめ記事

  1. 1800年前に呂布がビーフバーガーを食べていた?気になる漢時代の食生活
  2. 徐盛(じょせい)ってどんな人?人生を戦いの中で過ごした呉の将軍
  3. 【衝撃の事実】死せる孔明、生ける仲達を走らせるは司馬懿の芝居だった!?英雄の波瀾万丈な人生に迫る!
  4. はじめての三国志企画 – エイプリルフール特集
  5. 【真田丸特集】有能なのに歴史の影に埋もれてしまった真田信之と程昱!ジミーズ二人の共通点
  6. 2話:無敵の騎馬軍団を初めて軍に取り入れた趙の武霊王
  7. 5/2 はじめての三国志 Ustream番組「はじさんチャンネル」生配信決定
  8. 【九州三国志】『三國志』は中国だけじゃない!日本の三国志事情 Part.2

はじさん企画

袁術祭り
特別企画
異民族
諸子百家
春秋戦国時代
日常生活
はじめての三国志TV
PAGE TOP