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執筆者:黒田廉

『鼎の軽重を問う』とは誰の言葉?五分でわかる春秋戦国時代のことわざ

この記事の所要時間: 339




photo credit: Tattooed Hippy Sunset over Drax via photopin (license)

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鼎の軽重を問うを辞典で調べてみると

権威あるもの権力者を侮ってその実力の意味を問うということだそうです。

現在ではあんまり使われない言葉になっておりますが、

実はこの言葉春秋時代の中国で生まれた言葉だったことを知っておりましたか。

今回は鼎の軽重を問うがどうやった誕生したかを探ってみたいと思います。

 

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鼎の軽重を問うを説明する前に鼎って一体何

かなえ 鼎

 

鼎の軽重を問うを説明する前に鼎が一体

何なのか分からないとこのお話のイメージがつきにくいと思います。

鼎を辞典などで調べると肉や魚などを煮るための土器だったそうです。

しかし古代中国で王朝が作られるようになると先祖を祭るための礼器として扱われるようになり、

国家の君主や大臣など権力を持っている人の象徴として扱われていくようになります。

古代中国の春秋時代も国家の権力者などの象徴として扱われていました。

 

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荘王が権威を見せびらかす

photo credit: DSCF1368 via photopin (license)

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さて鼎の軽重を問うと言う言葉が生まれたのは名君である楚の荘王の時代です。

荘王が周の首都近辺にいた異民族を討伐した際、彼は周王室の首都へ大軍を率いて行き、

周王室に対して自国の権威を見せびらかせます。

この時周王室は王孫満(おうそうまん)を使者に仕立て、荘王へ派遣します。

 

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荘王と公孫満の会見

photo credit: Sky Fire via photopin (license)

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王孫満は荘王と会見すると異民族討伐の慰労を述べます。

その後荘王は彼に「周王室の礼器である鼎。この重さと大きさはどのくらいになるのかな」と

問いかけます。

王孫満は「鼎の重さは徳によって決まるのです。」と反論。

この言葉を聞いた荘王はイラっとし「ふーん。まぁ重さなんてどうでもいいけど、

あんまり鼎を頼りにしないほうがいいんじゃない。

だって楚はあんなもの大量に作ることが出来るからさ」と自国の強さをアピールします。

荘王の言葉を聞いた王孫満がイラッとする番でした。

彼は荘王へ「ちょっと待ってください。周の鼎が持っている鼎は古代の舜帝のときから続いた物で、

徳を持っている人間へ移りわたってきたものです。

夏王朝が徳をもって天下を収めているときはこの王朝が所有しておりましたが、

桀王(けつおう)が暴虐な君主であったため、時代の王朝である殷が所有することになります。

また殷の紂王(ちゅうおう)が殷の徳を貶めたことがきっかけで、

当時徳を持っていた周へと所有者が移り変わってくるのです。

そして現在周王朝が衰退して弱っているとは言え、

この鼎の所有者は未だに周王朝が持っております。

という事は未だに周王朝が徳を持っていることの証であり、

みだりに鼎の軽重を問うような事をしないほうがいいのではないのでしょうか。」と反論。

この言葉を聞いた荘王はこれ以上彼を問い詰めることをしないで、

そのまま帰っていくことになります。

 

 

春秋戦国ライター黒田廉の独り言

黒田廉

 

この荘王と王孫満のやり取りが後世「鼎の軽重を問う」として残り、

当時、天下を治めていた周王朝の権威を侮って荘王が鼎の軽重を聞いたことで、

権威ある権力者を侮って実力を聞いた意味になって伝わることになります。

しかし当時の実力者であった荘王が周王室を侮りたくなる気持ちも分かります。

なぜなら、南方の超大国である楚と洛陽一体をかろうじて収めている周。

どちらが天下を治めるにふさわしいかと聞かれたら、

力を持っている楚と答える人が多くいたことでしょう。

だが春秋時代はまだ周を尊ぶ気持ちが中原の諸国には色濃く残っており、

勢力が小さくなっているとは言え、周王室を尊んでいる諸侯のほうが多い時代でした。

この周王室を尊ばなくなってくるのは春秋時代が終わり、戦国時代に突入してからになります。

この鼎の軽重を問うのお話は史記・楚世家を参考文献とさせていただきました。

「今回の春秋時代のお話はこれでおしまいにゃ。

次回もまたはじめての三国志でお会いしましょう。

それじゃあまたにゃ~」

 

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横山三国志を読んだことがきっかけで三国志が好きになりました。
その後の日本史・中国史を学びました。
またいろいろな歴史小説を読んでおります。
現在はまっている歴史小説は宮城谷昌光氏の劉邦です。

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何か一言:

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