架空戦記
ビジネス

はじめての三国志

menu

執筆者:黒田廉

要離(ようり)とはどんな人?呉王・闔廬の為に身命をとした刺客

この記事の所要時間: 245




 

三国志にも暗殺で殺された人物が何人かおります。

蜀の劉備の義兄弟・張飛(ちょうひ)は部下に暗殺されてその命を落としております。

また蜀の費禕(ひい)も魏から降伏してきた人物によって殺害されてしまいます。

このようにその国の重臣を殺害するにはもってこいの方法ですが、

暗殺を行った人物は自らの命を捨てなくてはなりません。

今回は戦国春秋時代に天下無双と豪語していた人物を知略をもって殺害した要離(ようり)

ご紹介しましょう。

 

はじめての三国志:全記事一覧はこちら

関連記事:『うしおととら』の獣の槍の元ネタは孫子の時代にあった?古代中国の名剣・干将と莫邪




天下無双と豪語した前呉王の息子

 

 

公子光(こう)は父である呉王を殺害したことで呉王として立つことになります。

この呉王こそ楚を壊滅寸前まで追い込み、南方の覇者の地位を実質的に手に入れることになった

呉王・闔廬(こうりょ)です。

闔廬は呉王として君臨しますが前呉王の息子である公孫慶忌(こうそんけいき)が、

父の復讐を図っていると知ると

衛(えい)の国へ亡命している彼を殺害するために暗殺者を送ります。

慶忌は暗殺者がやってくると返り討ちにして殺害。

その後も慶忌を殺害するために幾度も闔廬から刺客がやってきますが、

慶忌に傷ひとつ負わせることなく全て殺害されてしまいます。

慶忌は呉王に伝わるように「俺は天下無双だから傷を付ける事は何人たりとも不可能だ。

もし俺に傷をつけることができるのであれば、いつでも襲ってこい。」と

部下や側近に豪語していました。

公孫慶忌の豪語は彼の思惑通り、遠く呉の地にいる闔廬の耳に入ることに。

この豪語を聞いて歯噛みして悔しがった彼は、腹心である伍子胥(ごししょ)に相談。

伍子胥は闔廬の相談を受けて一人の人物を推挙します。

その人物こそ今回の主人公である要離です。




見た目はあんまり強そうでない暗殺者

 

闔廬は伍子胥から推挙された人物を引見。

要離の見た目は細身の人物で、とても天下無双を豪語する公孫慶忌を殺害することが、

できるような見た目をした人ではありませんでした。

しかし要離は闔廬に「王様が私に命じて下さるのであれば、家族を犠牲にしてでも公孫慶忌を

殺害してみせましょう。私にはとっておきの秘策がありますゆえ。」と述べます。

闔廬は彼の自信に満ち溢れた表情を見て、彼に公孫慶忌の殺害を命じます。

 

行き過ぎた忠義

 

要離は疑い深い公孫慶忌に近づくために自らの妻子を焼き殺してしまいます。

そして妻子を焼き殺した罪を呉王・闔廬のせいにして彼を深く恨んでいると、

衛の国にいる公孫慶忌に伝え、仲間に加えてくれるようにお願いします。

公孫慶忌は彼の話を聞いて頷き、要離を自らの側近として仕えるように命じます。

こうして行き過ぎた忠義心をもって要離は公孫慶忌に近づくことに成功するのです。

 

暗殺決行のチャンス到来

 

公孫慶忌は衛の国の力を借りてにっくき闔廬を討伐するために軍勢を率いて呉へ侵攻を開始。

彼は側近である要離を自らの船に乗せて呉の国境へ向かって驀進していきます。

公孫慶忌と要離は船上で二人きりになる時間がやってきます。

この時公孫慶忌は要離を信用していたため武装を解いて楽な姿をしておりました。

要離はこのチャンスを見逃しませんでした。

二人は呉の侵攻についての作戦について話し合っていた時、

ものすごい風が公孫慶忌を襲いよろめいてしまいます。

要離は公孫慶忌を支える為に彼に近づくと懐から短刀を取り出し、

公孫慶忌の胸に向かって突き立てます。

公孫慶忌は要離の渾身の一撃によって絶命。

そして要離も公孫慶忌が亡くなった事を確認すると自らの命を絶って自殺してしまいます。

 

春秋戦国ライター黒田レンの独り言

 

要離は公孫慶忌を殺害すれば呉王闔廬から莫大な褒美を貰うことができたのに、

なぜ自害してしまったのでしょうか。

それは自らの手で妻子を殺してしまった罪や信用していた公孫慶忌を殺害してしまった罪。

そして父母からもらった大事なからだに傷を負ってしまった事と自らの家を滅ぼしてしまった罪に

耐え切れなくなって亡くなってしまったのではないのでしょうか。

刺客といえども自らが行った罪の大きさに苛まれた点は、

良心を残した普通の人と変わらない事を表しているのではないのでしょうか。

「今回の春秋戦国時代のおはなしはこれでおしまいにゃ。

次回もまたはじめての三国志でお会いしましょう。

それじゃあまたにゃ~」

 

関連記事:【三国志作家】伴野朗のとんだ災難、事実は小説より奇なり?

関連記事:海音寺潮五郎の小説『孫子』ってどんな作品なの?【はじめての孫子 番外編】

 

—熱き『キングダム』の原点がココに—

春秋戦国時代バナー

—あなたの知的好奇心を刺激する諸子百家—

諸子百家 バナー



黒田廉(くろだれん)

黒田廉(くろだれん)

投稿者の記事一覧

横山三国志を読んだことがきっかけで三国志が好きになりました。
その後の日本史・中国史を学びました。
またいろいろな歴史小説を読んでおります。
現在はまっている歴史小説は宮城谷昌光氏の劉邦です。

歴史人物:

張遼、孟嘗君、張作霖など

何か一言:

今年も頑張ってはじさん盛り上げていくにゃー!!

関連記事

  1. 天下統一後の始皇帝が行った偉大な政策をご紹介
  2. 【英雄亡き三国志の見どころ】司馬師vs王基の壮絶な舌戦:勝利の軍…
  3. 【おんな城主・井伊直虎を見逃した方へ】第十二話「おんな城主直虎」…
  4. 【趙の名宰相・藺相如の名言】長平の戦いの時に王に発した名言とは
  5. 新制度導入はこんなに大変!胡服騎射を導入するために苦労を重ねた武…
  6. 【賢母の知恵編】私あまり顔には自信がないけれど鍾会には負けません…
  7. 【曹操死す】卞皇后の一番辛くて長い日々
  8. 【三国志演義】赤壁の戦いはどこまで実話なの?

google検索フォーム

過去記事を検索できます

ピックアップ記事

おすすめ記事

  1. 成廉(せいれん)と魏越(ぎえつ)とはどんな人?呂布が強いのは俺達がいてこそ!
  2. 法正(ほうせい)ってどんな人?蜀を支えた天才軍師
  3. 朱然(しゅぜん)ってどんな人?名将亡き後、呉の重鎮として孫家を支え続けた将軍
  4. 何で曹操はあれだけ関羽を愛していたのに配下から逃がしたの?
  5. 【素朴な疑問】三国志の時代のお葬式とは、どんなものだった?
  6. なぜ司馬遷は腐刑を受けることになったの?驚きの理由とは!?

三國志雑学

“広告募集"

はじめての三国志の書籍情報

朝まで三国志 三国志最強のワルは誰だ (桃園出版 三国舎)

著:kawauso 価格480円
※Kindle読み放題対応

ピックアップ記事

おすすめ記事

老荘思想の創設者|老子と荘子の二人を分かりやすく解説してみた 【さんすま】三国大戦スマッシュ! 第4回 目指せ主力の英雄化!呉の名将も仲間入りです! 三国志ロワイヤル-みんなのサンロワ-とはどんなアプリゲーム? 後漢の始祖・光武帝劉秀(りゅうしゅう)ってどんな人?苦難に耐えて皇帝になる Part.2 張角(ちょうかく)ってどんな人?太平道を創始した男の悲しい人生 諸葛亮をこよなく愛した土井晩翠、星落秋風五丈原が後世でも形を変えて愛されていた! 趙雲の妻、孫夫人がお茶目すぎる!ほんのいたずらが夫を殺す羽目に! 【週間まとめ】はじめての三国志ニュース14記事【11/28〜12/4】

おすすめ記事

  1. 82話:呉の提督、周瑜は荊州争奪戦に散る
  2. 【三国志の3大軍師を比較】孔明、周瑜、郭嘉の●●●ランキング!
  3. 92話:劉備を徹底的に追い詰める張任
  4. 楊戯(ようぎ)とはどんな人?季漢輔臣賛を記して蜀の臣下を褒め称えた政治家
  5. 小野小町(おののこまち)はどんな人?世界三代美女は謎だらけ
  6. 【シミルボン】カルトの手法は変わらない太平道の信者獲得法
  7. 孫権の本拠地である建業は始皇帝の嫉妬によって街の名前が変わった?
  8. 藺相如(りんしょうじょ)とはどんな人?三大天の一人!趙の名宰相であり廉頗のかけがえのない親友(2/3)

はじさん企画

李傕祭り
帝政ローマ
広告募集
HMR
ライフハック
君主論

ビジネス三国志
春秋戦国時代
日常生活
曹操vs信長
架空戦記
ライセンシー
北伐
呂布vs項羽
編集長日記
はじめての三国志TV
PAGE TOP