【キングダム】趙峩龍(ちょう・がりゅう)って本当に強いの?

2017年7月29日


 

 

今週はキングダムがお休みなので、はじめての三国志では、

まだ詳しく紹介されていない趙峩龍(ちょう・がりゅう)について、

深掘り解説してみようと思っています。

渋い顔のナイスミドルながら、今回が初活躍という趙峩龍とは、

一体どのような人物なのでしょうか?

 

 

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監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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キングダム 趙峩龍は藺相如の部下だった、、では藺相如とは?

 

少し前に馬南慈(ばなんじ)師匠が解説していましたが、趙峩龍は亡くなった

趙三大天の一人藺相如(りんしょうじょ)の部下だった人物です。

しかし、存命中で今でも大活躍をしている廉頗(れんぱ)と違い

すでに故人の藺相如ってどんな人かイマイチ、分りませんよね?

そこで、今回は藺相如の凄さを簡単に解説しておきましょう。

 



キングダム スーパー宝物 和氏の璧を秦王から守る藺相如

 

秦の昭襄(しょうじょう)王は、趙にあるスーパー宝物

和(か)氏の璧(へき)と秦の領地十五城を交換したいと持ちかけてきます。

悪くない条件ですが、秦は強く、さらに秦王は約束を守った試しがないので、

趙からは璧を奪われて帰される不名誉を恐れて、誰も使者になろうとしません。

そこで、繆賢(びゅうけん)という人の食客だった藺相如が登場、

趙王からの使命を引き受けて和氏の璧を胸に秦に向かう事になります。

 

懸念の通り、昭襄王は、和氏の璧を手に取ると城の話は一切せずに、

群臣や寵姫に見せびらかし、そのままパクろうとしました、すると、藺相如は

「実はその璧には細かい傷があります、場所を教えましょう」と言いつつ

昭襄王に近づき、璧を奪い取ると、急に恐ろしい形相になり

 

「なぁ秦王様、、趙じゃあよぉ、庶民から貴族までみーんな、

和氏の璧は貪欲な秦王に奪われるからやめた方がいいッて言ったんだよ、、

だけどオラぁ、幾らなんでも天下の大国の秦王が強盗の真似はすまい

私が請負いますと五日間も身を清め、遥々来たんだぜ。

そしたらどうだ?秦、あんた俺の面子を潰すってのかぃ?

こんな恥をかかされるなら、こんな璧は打ち砕いて、俺はそこの柱に

頭を叩きつけて死ぬが、、それでもいいかィ?」

 

藺相如の迫力にビビった昭襄王は、慌てて、地図を持ってきて

交換する城の話をしますが、どうも口先だけで城を渡す様子が見えません。

藺相如は「沐浴をして身を清めたいので五日間下さい」と願い出て

その間に部下に和氏の璧を持たして趙に帰らせました。

 

そして五日後、和氏の璧はどうした?と詰め寄る昭襄王に藺相如は

 

「畏れながら歴代の秦王で約束を守った人間はおりません。

そこで、和氏の璧は部下に持たせて趙に帰しました、ここにはないのです

しかし、秦王が先に城を十五城渡すなら、いつでも和氏の璧は持ってきます。

もちろん、秦王に恥をかかせた私も生きているつもりはありません。

ここで首を刎ねていただいて結構で御座います」

 

秦の群臣は、無礼者の首を刎ねるべきですと主張しますが、

昭襄王は藺相如の侠気に感動し、藺相如を無事に帰しました。

和氏の璧を守り、趙の名誉も傷つけず自身の命まで守った藺相如は

璧を完(まっと)うするという意味で完璧と呼ばれたのです。

 

—熱き『キングダム』の原点がココに—

 

キングダム Mrパーフェクト藺相如は廉頗に土下座までさせた

 

さらに、藺相如は、あの傲岸不遜が鎧を着ているような男、廉頗に

土下座謝罪をさせた男でもあります。

藺相如が外交で活躍し、地位が上がって廉頗を追い抜くと、

廉頗は面白くなく、藺相如への不平不満を周囲にぶちまけます。

 

「俺は命がけで戦場を駆け巡り、今の地位を掴んだのだ、

それを藺相如は口先だけで俺より上役に就きおった。

あんなヤツが俺より上であるなど絶対に許せん!!

道で出会ったらギッタンギッタンのメッタメタにしてやる」

 

それを聞いた藺相如は廉頗と顔を合せるのを避けるようになります。

しかし、ある時、道の向こうから廉頗が来るのを見た藺相如は、

馬車を細い路地に飛びこませてやり過ごそうとします。

あまりのみっともなさに、藺相如の従者達も呆れて文句を言います。

 

「あなたはそんなに廉頗将軍が怖いのですか・・

今度という今度は呆れました、故郷に帰らせて頂きます」

 

すると藺相如は静かにこう言ったのです。

 

「私は廉頗将軍を恐れるのではない、

私と廉頗将軍の関係に隙がある事を他国に知られ

趙が侵略を受ける事を恐れているだけだ」

自分のちっぽけなプライドより、趙の将来を考えた発言は、

従者から広まり、やがて廉頗の耳にも入りました。

廉頗は、自分が趙国の将来も考えず、プライドに凝り固まり

藺相如を嫌っていた事を激しく後悔し、

上半身裸になって、茨の鞭を背負い藺相如の屋敷まで行って土下座し

これまでの数々の無礼を詫びました。

 

藺相如は謝罪を受け入れ、二人はお互いの為に首を刎ねられても

恨まないと言う程の熱い友情、刎頸(ふんけい)の交わりを結んだのです。

 

Mrパーフェクト藺相如の部下なら強くない筈がない

 

このような藺相如の部下である趙峩龍なら強くない筈はありません。

廉頗の四天王、介子坊(かいしぼう)や輪虎(りんこ)くらいの働きなら

達成するのではないでしょうか?

漫画的な事情から考えても、廉頗の四天王は4名で力を分散しないと、

バランスが崩れてしまいますが、藺相如の部下は趙峩龍一人ですから、

既に亡き、藺相如に迫る働きが出来ても不思議はありません。

 

あの戦神昭襄王を圧倒した藺相如の部下ですから、

あっと驚く奇策を繰り出して、秦軍を苦しめるでしょう。

 

キングダムウォッチャーkawausoの独り言

 

今回は趙峩龍について、考えてみました。

燕のレジェンド武将の楽毅(がっき)同様に陰の薄い藺相如ですが、

実は、廉頗を上回るような活躍を外交上で達成していた事実があります。

事実、現実世界でも、どんな戦勝より外交上の成果の方が、

永続性と影響力において何倍も価値があります。

趙峩龍がどんな活躍をするのか今から楽しみです。

 

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—熱き『キングダム』の原点がココに—

 

 

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kawauso

台湾より南、フィリピンよりは北の南の島出身、「はじめての三国志」の創業メンバーで古すぎる株。もう、葉っぱがボロボロなので抜く事は困難。本当は三国志より幕末が好きというのは公然のヒミツ。三国志は正史から入ったので、実は演義を書く方がずっと神経を使う天邪鬼。

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