孫礼(そんれい)とはどんな人?境界事件を解決したにも関わらず理不尽な罰を受ける

2017年10月19日


 

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曹爽(そうそう)。魏の二代目皇帝曹叡(そうえい)から跡を託された人物です。彼には苦手で大っ嫌いな人物がおりました。その名を孫礼(そんれい)と言います。

 

 

彼は若い頃、崔琰(さいえん)から「いずれ三公へと出世する人物だ」と評価を下されていた人物です。そんな彼ですが河北のある地域の境界についての紛争解決を司馬仲達(しばちゅうたつ)から頼まれることになります。彼は見事に解決するのですが、曹爽から理不尽な罰を受けることになるのです。

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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司馬仲達から境界紛争の解決を頼まれる

 

孫礼は冀州の牧に任命されると司馬仲達に呼ばれ「清河(せいが)と平原は境界の境目を決める争いを八年も続けてきており、そろそろ決着をつけたいと考えている。君にはこの紛争を解決してきてほしい」と依頼を受けます。孫礼は司馬仲達の言葉を受けて頷くとあることを話し始めます。

 

孫礼の進言とは

 

孫礼は司馬仲達へ「この紛争を解決する方法はひとつしかありません。その方法は明帝様が初めて平原に国をもたれた時の地図を用いて、境界の境目を決めたいと思います。ここで仲達様には一つの疑問がもたれると思います。なぜ明帝様以前の地図を活用しないのかということだと思います。理由としては文帝様や武帝様の時代にまで遡れば非常に面倒なことになると思うからです。明帝様が着任された時の地図が保管されていると聞いておりますので、上記の紛争問題を解決することができるでしょう。私の着任を待つ必要はございません。」と進言。司馬仲達は大いに喜んで「すぐに持ってこさせる」と述べます。

 

まだ漢王朝で消耗してるの?

 

平原の地図から境目を見てみた結果・・・・

 

こうして孫礼は平原の地図を手に入れるとすぐに地図を参考にして清河と平原の国境を検討すると平原に境目が属することが判明。彼は会議の席でこの事を述べます。すると曹爽から「地図を使うことはない。彼らの食い違いについて調査するべきである」と反論されます。すると彼は曹芳に上奏します。

 

即効で紛争を解決できた理由を述べるが・・・・

 

孫礼は曹芳へ上奏して「私は冀州の牧に就任し長年続いていた清河と平原の境界における紛争を解決することができました。すぐに解決できた理由は明帝様が赴任された当時の地図と境界に関しての公式文章があったためです。しかしこの事を境界にある県に伝えても彼らはこの命令に従うことをしない状態です。その原因は私が軟弱なためです。これ以上魏国の禄を受けるわけには参りません。」と伝えます。この事を聞いた曹爽は孫礼に激怒して五年の禁錮刑を下します。孫礼はしっかりと境界の紛争解決を行ったにも関わらず、曹爽の怒りによって理不尽な罰を受けることになってしまうのでした。

 

三国志ライター黒田レンの独り言

 

曹爽は以前から彼を嫌っていたこともあり、彼へ5年の禁錮刑を言い渡します。孫礼は境界紛争事件をみごとに解決したにも関わらずこの理不尽な処罰に激怒・・・・することをせずに処罰を受け入れることにします。しかし彼は一年足らずで自宅謹慎の罰を解かれることになります。それは彼らの同僚や上司達が曹爽へ「孫礼に対して厳しすぎるような気がするのですが、どうにかできませんか」と取り直してくれたおかげでした。その結果彼は一年足らずで禁錮が解除され官職を与えられ、魏国へ戻ってくることができたそうです。官位が高い人物でも一切屈することなく自らの言葉を述べる孫礼を今回はご紹介しました。

 

参考文献 ちくま文芸文庫 正史三國志魏書4 今鷹真・井波律子著など

 

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黒田廉(くろだれん)

黒田廉(くろだれん)

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