魏延
姜維特集




はじめての三国志

menu

三国志の雑学

関羽を倒さなかった黄忠に、よかミカンが異議アリ?

韓信





 

劉備(りゅうび)が長沙郡(ちょうさぐん)を手に入れようとして攻め寄せた時、

長沙の防衛側の武将として登場した黄忠(こうちゅう)さん。

彼が忠と義の板挟みになってハンパなことをしたために長沙城はすったもんだ。

挙げ句、長沙太守(たいしゅ)の韓玄(かんげん)は部下の魏延(ぎえん)

殺されるはめに。この三国志演義の顛末では韓玄魏延だけが悪者に

なっていますけど、そもそもの原因を作った黄忠さんのあいまいな態度は

あれでよかったんでしょうか……。

 

はじめての三国志全記事一覧はこちら

関連記事:三国志の時代のお茶は、全然人気が無かったってホント?

関連記事:中国人が冷たいビールを飲まないのは三国志の曹操のせいだった!

 




 

三国志演義の問題のシーン

 

黄忠が板挟みになった顛末をふりかえりましょう。

攻撃側の大将の関羽(かんう)と守備側の武将黄忠とが長沙城外で

一騎打ちをしていた時、黄忠の馬がすっころんだために黄忠は落馬、

関羽はその気になればその機に乗じて黄忠を刺し殺してしまうことも

できたのですが、正々堂々の一騎打ちをしたかったようで、

黄忠に馬を交換して出直して来いと言っただけでした。

長沙城に戻った黄忠は、太守(長官)の韓玄から、次は一騎打ちではなく

黄忠の得意な弓矢で関羽を倒すよう指示されます。

(一騎打ちでしくじったんだから、長沙防衛を第一義に考えるなら

次は弓矢でやれという指示は妥当ですな。)

しかし黄忠は、正々堂々の態度で臨んでくれた関羽を飛び道具で

倒すなんて義に反すると考えて、上官に対する忠と関羽に対する義との

板挟みになりました。悩んだ末、次の対戦の場では関羽を矢で射るまね

だけして、ガチには狙わずにお茶を濁しました。

 

その茶番が韓玄に見抜かれて、韓玄は怒って黄忠を処刑しようとし、

黄忠を助けるために魏延が韓玄を殺しました。

(黄忠さんがイイカッコしようとしたために、魏延さんが主殺しの汚名を

着ることになっちまいました。)

まあしゃあない、黄忠はんは悪うない、みいんな韓玄がせっかちで

残忍やったんが悪いんや、と、三国志演義の読者はそう思わされるような

書き方になっています。

 




 

忠と義は同列なの?

 

韓玄への忠と関羽への義の板挟み。それって、板挟みになるようなことかしら。

優先順位って決まってないんでしょうかね。

日本人の感覚からすると、個人として義を通すために主君への忠を

ないがしろにしちゃだめなんじゃないの、と思いますよね。

この感覚は、日本人が忠とか義とかいう言葉を理解するベースに

なっている「朱子学(しゅしがく)」の影響です。

朱子学は、中国が中央集権体制を強化しようとしていた宋(そう)の時代に

できた儒教の一派で、個人的なことをきちんとやることと国家のためのことを

きちんとやることは一致するよ、という考え方です。みんなにこういうふうに

考えといてもらわないと、中央集権体制の強化なんてできないので。

しかし、古来の儒教の考え方はそうじゃなくて、個人的なことをきちんと

やることのほうが優先でした。それが儒教本来の、当たり前の常識。

義を通すことは当たり前、それができなきゃ人でなし、そんな人でなしなら

忠のことまで考える資格ない、という感覚です。

 

【奇想天外な夢の共演が実現 はじめての架空戦記

 

黄忠はあれでいいんです!

 

三国志演義が成立したのは朱子学成立よりも後の時代なのですが、

中国では今でも古来の儒教の感覚のほうが根深いのです。

だから、忠と義を両方大事にしようとした黄忠将軍は真面目だけど、

両立できずに忠のほうがないがしろになっちゃってもまあしゃあない、

という解釈は、中国人としては当たり前なんですね。

もしあそこで忠を優先して関羽を射殺しちゃうような黄忠だったら、

きっとみいんな黄忠ひとでなし、つばペッペ、って感覚だったことでしょう。

黄忠のあのハンパな態度は、中国人ウケを狙うならズバリ大正解なのでした。

 

 

関連記事:【宦官の逆襲】後漢が滅んだのは本当に宦官のせい?悪いのは俺達だけじゃない!!

関連記事:知らないと損をする!孔子に学ぶ健康法が参考になりすぎる!

 

三国志ライター よかミカンの独り言

 

個人的な節義を大切にするという、儒教の伝統的な考え方と、

中央集権体制を目指すお上とのせめぎ合いというのは、大昔からありました。

劉備オヤビンの愛読書の『六鞱(りくとう)』には、国を損なう六種類の

悪党(六賊)のうちの四つ目として、次のようなものを挙げたうえで、

殺すべき時に殺さなければならないとしています。

 

 

士、志を抗(あ)げ節を高くし以て気勢をなし、外、諸侯に交わり、

その主を重んぜざる者あれば、王の威を傷う。

(自分ばっかりエエカッコしてよその名士と交誼を結び

主君をないがしろにする者は主君の権威を損なう)

 

韓玄が黄忠を処断しようとしたのは、こういう発想に基づいたものだったのでしょう。

 

はじめての三国志全記事一覧はこちら

関連記事:三国志の猛将に絡まれちゃった!!貴方ならどうする?身を守る究極の方法を伝授します!

関連記事:黄老思想(こうろうしそう)とは何?アベノミクスの原点は前漢時代にあった!

 

■古代中国の暮らしぶりがよくわかる■

 




 

よかミカン

よかミカン

投稿者の記事一覧

三国志好きが高じて会社を辞めて中国に留学したことのある夢見がちな成人です。

個人のサイトで三国志のおバカ小説を書いております。

三国志小説『ショッケンひにほゆ』

【劉備も関羽も張飛も出てこない! 三国志 蜀の北伐最前線おバカ日記】

何か一言:
皆様にたくさん三国志を読んで頂きたいという思いから わざとうさんくさい記事ばかりを書いています。

妄想は妄想、偏見は偏見、とはっきり分かるように書くことが私の良心です。

読んで下さった方が こんなわけないだろうと思ってつい三国志を読み返してしまうような記事を書きたいです!

関連記事

  1. 亡くなる劉備に遺言を聞く諸葛亮と趙雲 白帝城はどこにあるの?劉備が星になった場所を紹介
  2. 呉の孫権 合肥(がっぴ)むかつく!孫権が合肥攻略にこだわる理由とは?
  3. 宦官 宦官とはどんな人たち?朝廷を牛耳った宦官の役割を紹介
  4. 魯粛 【三国志由来!】一歳の誕生日占い抓周とはどんなモノ
  5. 楽進 楽進はチビだけどスゴイヤツ背が低いのは不利じゃない!
  6. 魏延からの提案を却下する孔明 孔明とは違うのだよ!天才姜維の斜め上北伐とは?両者の徹底比較
  7. スーパーマンも驚き!三国志時代の仙人はびゅんびゅん空を飛んでいた…
  8. 再婚なんか当たり前?驚きの三国志の再婚事情とは?

コメント

  • トラックバックは利用できません。

  • コメント (0)

  1. この記事へのコメントはありません。

CAPTCHA


google検索フォーム

過去記事を検索できます

ピックアップ記事

  1. 魏延と孔明
  2. 関羽
  3. 魏延
  4. 北伐する孔明
  5. 楊修
  6. 晋の陳寿
  7. 袁術

おすすめ記事

  1. 【お知らせ】はじめての三国志が電子書籍レベール「桃園出版 三国舎」を設立 kawauso編集長 はじめての三国志主宰・おとぼけ
  2. 大戦乱!!三国志バトル(株式会社gloops)にはじ三が突撃じゃ!
  3. 島津斉彬の人柄とは?誰もが納得する名君の心構え
  4. 魏延を倒した楊儀は孔明が亡くなった後どうなったの? 楊儀
  5. 秦檜とはどんな人?実はスパイだったの? 秦檜(しんかい)
  6. 織田信長は金平糖にメロメロだった!スイーツ男子は甘いお菓子を手作りしていた 織田信長

三國志雑学

  1. 袁家をイジメる董卓
  2. 華佗
  3. 孔明の遺言を聞きに成都から五丈原まで走った李福
“はじめての三国志150万PV" “はじめての三国志Youtubeチャンネル" “広告募集" “誤字・脱字・誤植などの報告フォーム"

はじめての三国志 書籍情報

朝まで三国志 三国志最強のワルは誰だ (桃園出版 三国舎)

著:kawauso 価格480円
※Kindle読み放題対応

ピックアップ記事

  1. スーパーDr華佗
  2. 袁術
  3. 井伊直政
  4. 信陵君

おすすめ記事

孟達と孔明 孟達に全てがかかっていた!諸葛孔明の北伐は成功したかも? 関羽 実は面倒くさい性格?関羽のクレーマー事案を紹介 成廉、魏越、呂布 呂布の逸話って伝説的にすごいって知ってた? 島津斉彬の人柄とは?誰もが納得する名君の心構え 武田信玄の死と勝頼の武田家継承の謎 李牧 キングダム 510話 ネタバレ予想:李牧が王翦に仕掛けた罠とは何なの? 張飛 張飛にはどんな逸話があるの?イメージとは違う張飛の実像 【週間まとめ】はじめての三国志ニュース14記事【11/28〜12/4】

はじさん企画

“if三国志" 英雄の死因 “三国志とお金" “はじめての漢王朝" “はじめての列子" “はじめての諸子百家" “龍の少年" “読者の声" 袁術祭り
李傕祭り
帝政ローマ
広告募集
まだ漢王朝で消耗してるの?
HMR
ライフハック
君主論

ビジネス三国志
春秋戦国時代
日常生活
曹操vs信長
架空戦記
ライセンシー
北伐
呂布vs項羽
英雄の武器 編集長日記
はじめての三国志TV
“曹操孟徳" “黄巾賊" “赤壁の戦い" “THE一騎打ち" “夷陵の戦い" “kawausoのぼやき記事" “よかミカンのブラック三国志" 英雄の墓特集 誤字・脱字・誤植などの報告フォーム
“邪馬台国"

“三国志人物事典"

“はじめての三国志PR募集法正"
PAGE TOP