中国人が冷たいビールを飲まないのは三国志の曹操のせいだった!

2016年7月19日


 

曹操 劉備 呂布 酒

 

7月に入り、連日、30度を超える真夏日が続く日本列島、

そんな日本で飲みたいモノと言えばキンキンに冷えたビールだと思います。

冷たいビールを飲みながら、アツアツの料理を頂くというのが

冷と熱のコラボ、まさに、ビールがあって良かったと思う瞬間ですよね。

ところが、世界には、まるで常識のような夏の冷たい生ビールが、

タブーになっている驚きの国が存在するのです。

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


【誤植・誤字脱字の報告】 バナー 誤字脱字 報告 330 x 100



【レポート・論文で引用する場合の留意事項】 はじめての三国志レポート引用について



びっくり、中国では冷えたビールにはありつけない?

中国

 

実は、キンキンに冷えた生ビールというのは、中国には無いそうです。

もちろん、日本人観光客相手のメジャーな飯店では置いてますが、

基本、飲むのは日本人が多く、地元の人は手をつけません。

 

ちょっと大通りから外れた場所では、もう冷えたビールは出ないようで、

注文しても没有(ない)と言われて終わりなんだとか・・

 

日本人が「なんで?」と聞くと「だって、冷たいモノは体に悪いから」

という答えが返ってくるようです。

 

代わりに出てくるのが常温のぬるいビールで、日本人は、

せつない思いをして、ぬるいビールを飲むしかないようです。

 



実は、曹操のせいで、中国人は冷たいビールを飲まなくなった?

曹操

 

実は、これほどまでに中国人が冷たいモノを嫌うようになったのは、

三国志の英雄、曹操(そうそう)が関係しています。

3世紀の頃、中国では、寒食節(かんしょくせつ)という行事がありました。

それは、日頃、世話になっている火に感謝して冬至から3日間は、

火を使った料理を食べないという習慣です。

 

しかし、冬至は大体、12月22日前後、寒さのど真ん中の時期です。

その寒い中で、冷たい食事をするので寒さの厳しい北方では、

老人や病人、子供に体調を崩す人が続出しました。

 

それを聞いた合理主義者の曹操は激怒しました。

 

「たとえ昔からの習慣でも体の弱い人間を痛めつける習慣は許さん

すぐに止めさせろ、寒食節は禁止だっ!!」

 

命令を徹底させる為に曹操は厳しい罰を定める

曹操 機密保持

 

しかし大昔からの習慣はなかなか改まりません。

そこで、曹操は寒食を続ける人間に厳しい罰を与えました。

 

「家の主人で寒食をしたものは、半年間の重労働に処す!

役人がそれを見て止めないなら百日の重労働、

県令がそれを黙認したら1か月の減俸処分とする!!」

 

これには、頑固に寒食を守った人々もたまらなくなります。

さすがの古来からの習慣も減俸が怖い県令や役人が率先して

中止させていく事で、次第に治まっていきました。

 

こうして、人々は寒い冬の間、火を絶やす事がなくなり、

老人や子供、病人が調子を崩す事も減ったという事です。

これは、曹操の成した善行と言っていいでしょう。

 

この時の反動で、中国人は冷たいモノ嫌いに・・

居酒屋 なます

 

しかし、羹(あつもの)に懲りて膾(なます)を吹くというべきか、

中国人は、今度は反対に、冷たい食べ物を恐れるようになります。

やがて、冷たいモノは体を冷やして万病の元になるという

俗説が広がっていき、冷たいモノはタブーになっていったのです。

 

それは、現代の中国まで尾を引き、はるか昔に曹操が禁じた、

寒食のせいで、中国人はキンキンに冷えたビールを飲む事が、

心理的に抵抗があるようになったのです。

 

中国人と言えば、何にでも火を通し、ナマモノは食べないというのが

有名ですが、冷たいモノもダメなのですね。

 

関連記事:【閲覧注意】寄生虫が原因の症状が怖すぎる!寄生虫で死んだ陳登(ちんとう)はじさん臨終図巻

関連記事:炙り焼肉にソーセージ?とりあえずビールと言いたくなる三国時代の食事

関連記事:【実録】三国志の時代のショッピングは命がけだった?

 

三国志ライターkawausoの独り言

kawauso 三国志

 

所変われば、常識変わるで、夏にはキンキンに冷えた生ビールが、

常識ではない土地もあるのですね。

中国に行く時には、どこでも冷たい生ビールが飲めるわけではないと

頭の片隅に入れておく必要があるかも知れません。

 

一説では、この寒食節は元々遊牧民の習慣だったものが、

文化が混ざる間に漢民族の間でも浸透していったとされています。

その習慣はゾロアスター教(拝火教)にも繋がるとも言われ、

かなり歴史を遡るものなんだそうです。

 

関連記事:三国時代のお酒は発泡酒レベルだった?

関連記事:【素朴な疑問】三国志の時代にも居酒屋ってあったの?

関連記事:曹操が発明した酒、剣、兵書の数々が凄い!孔明も思わず嫉妬?

 

 

  • この記事を書いた人
  • 最新記事
kawauso

kawauso

台湾より南、フィリピンよりは北の南の島出身、「はじめての三国志」の創業メンバーで古すぎる株。もう、葉っぱがボロボロなので抜く事は困難。本当は三国志より幕末が好きというのは公然のヒミツ。三国志は正史から入ったので、実は演義を書く方がずっと神経を使う天邪鬼。

-曹叡
-,