キングダム




はじめての三国志

menu

三国志の雑学

【投げたらあかん!】阿斗を趙雲がキャッチする三国志ドラマがある

この記事の所要時間: 325



 

劉備と曹操

 

三国志演義(さんごくしえんぎ)で、曹操(そうそう)軍の追撃を受けた劉備(りゅうび)が、自分を(した)ってついてきた民も

妻子もかえりみずスタコラサッサと逃走した長坂(ちょうはん)の戦い。

劉備の頼れるお守り刀武将である趙雲(ちょううん)が乱戦の中から劉備の長男・阿斗(あと)

助け出してくると、劉備は「ガキのために一人の大将を失うところであった」と言って、

まだ赤ん坊だった阿斗を地べたに放り投げました。

このシーン、2010年の中国ドラマ「三国志 Three Kingdoms」と

1994年の中国ドラマ「三国演義」とで演出が異なっております。

 

はじめての三国志:全記事一覧はこちら

関連記事:曹操が嫌われた本当の理由は価値観の相違だった

関連記事:曹操の徐州大虐殺の真相には諸説あり?

 

 

二つの中国ドラマ

馬超のスマホケース

 

【三国志Three Kingdoms

2010年に中国で放送された連続テレビドラマです。

制作期間6年、制作費25億円、エキストラ15万人以上。

1994年のドラマ「三国演義」と比較され、「新版」や「新三国」などと呼ばれています。

 

【三国演義】

1994年に中国で放送された連続テレビドラマです。

制作期間3年、制作費100億円超、エキストラ10万人以上。

2010年のドラマ「三国志Three Kingdoms」が「新版」「新三国」と呼ばれているのに対し、

こちらは「老版」や「94版」などと呼ばれています。

 

 

新版「三国志 Three Kingdoms」で劉備が阿斗を投げるシーン

キレる劉備

 

新版の演出は、三国志演義のイメージそのままです。

聶遠(ニエユエンさんが演じるイケメンの趙雲が長い髪を振り乱しながら阿斗を抱えて

劉備の前にやって来ると、阿斗の無事を確認して嬉しそうに劉備に差し出します。

劉備は万感迫ったような表情(当惑げにも見える)で、阿斗を受け取るとも受け取らないとも

つかないようなロボットダンスのような手つきで阿斗を持つと、抱きよせることなくそのまま

腕を横に振って「エイッ」のかけ声とともに阿斗を自分の右手2mほどの地点に投げました。

 

ストロークが水平方向なので、飛行機の胴体着陸のようなイメージで

なるべく怪我させないように投げたのではないでしょうか。

阿斗を受け取った時の劉備の持ち方は、抱かないようにこらえていたようにも見えます。

子供は大事だが趙雲はもっと大事だと言いたげなこの感じ。

三国志的にはいい感じのシーンに仕上がっているのではないでしょうか。

 

古代中国・超科学の世界に挑戦する HMR

HMR  

老版「三国演義」で劉備が阿斗を投げるシーン

京劇の趙雲

 

老版の演出は、趙雲が阿斗を差し出すところまでは雰囲気があるのですが、

そこから先は三国志演義のイメージで眺めていると「あれっ?」という感じです。

張山(チャン・シャン)さんが演じる男前の趙雲が血まみれで左右非対称の表情

(激戦のストレスのためでしょうか)になりながら阿斗を懐から取り出すと、

阿斗の母親の甘夫人(かんふじん)が奪うようにして阿斗を抱きます。

三国志演義ではここで甘夫人は出てきませんが、母親の情が表れている演出として、

まあいいんじゃないでしょうか。問題はこの後です。

 

甘夫人から阿斗を受け取った劉備は大事そうに阿斗を抱き、阿斗をじっと眺めた後、

趙雲の血まみれの顔を見やります。

そして独り言風に「ガキのために一人の大将を失うところであった」と言うと、

意を決したように半泣き顔で「エイッ」と阿斗を投げますが、わずかな力で

斜め上方向にふんわりとトスしただけです。

そしてすぐそばにいた趙雲がキャッチ。

阿斗は地面に落ちていません。とってもマイルドな演出です。

劉備さん、趙雲がどこにいるか目視で確認してからそっとパスしただけなのでは……。

 

マイルド演出の背景を想像してみる

 

老版ドラマには「三国志演義」よりも古い三国志物語の本である「三国志平話(さんごくしへいわ)」のネタも

出てくるので、「三国志平話」では阿斗を投げないことになっているのかなと思って

調べてみましたが、「三国志平話」にもしっかり「擲于地上(地上になげうつ)」と

書いてあります。とするとパス&キャッチはドラマのオリジナル演出でしょう。

 

劉備は優しい人だから赤ちゃんを地面に投げたりするわけない、という解釈に基づく

演出でしょうか。あるいは、人権を重視する現代において幼児虐待(ようじぎゃくたい)のような描写を

することをはばかったのでしょうか。想像は尽きません。

ちなみに、演出の蔡暁晴(ツァイ・シャオチン)さんは女性です。

女性だから赤ちゃんに優しいとはいちがいに言えませんが。(個人差ありますよね、きっと)

 

三国志ライター よかミカンの独り言

よかミカン

 

私は老版の演出を初めて見た時、一瞬「ワオ、マイルド!」と面食らいましたが、

めいっぱい投げたつもりでもふんわりになってしまう劉備さんに対して

じわじわ好感がわいてきました。

三国志的にキレのある新版の演出と、マイルドすぎて劉備の意図が不明確に

なってしまっている老版の演出。みなさんはどちらがお好きでしょうか?

ぜひお友達と語らってみて下さい!

 

はじめての三国志:全記事一覧はこちら

関連記事:【教えて中国朋友!】劉備が阿斗を投げたのはどうして?

関連記事:劉備は本当に大器だったの?三国志演義の主役を斬る

 

伝説の企画 朝まで三国志 最強のワルは誰だ

朝まで三国志1  

 

よかミカン

よかミカン

投稿者の記事一覧

三国志好きが高じて会社を辞めて中国に留学したことのある夢見がちな成人です。

個人のサイトで三国志のおバカ小説を書いております。

三国志小説『ショッケンひにほゆ』
https://3594.fun 

【劉備も関羽も張飛も出てこない! 三国志 蜀の北伐最前線おバカ日記】

好きな歴史人物:
王充(おうじゅう。後漢初期の思想家)
※ はじさんのサイト内検索で王充の記事が出てきます

何か一言:
三国志のお話の世界の広がりは無窮。
日々新しい三国志が生まれています。
ご一緒に三国志の新しい歴史を刻みましょう。

関連記事

  1. 【シミルボン】びっくり!三国志の時代の役人は役所に五日間缶詰だっ…
  2. 善悪関係なし!6人の君主を渡り天寿を全うした軍師賈詡の生涯!
  3. えぇぇ~!?あの孔明が劉備に対して怒りの仮病!?
  4. 王昭儀列伝|曹操に最も寵愛された女性
  5. 中国の歴史書は二十一史?それとも二十四史どんなことが書いてあるの…
  6. 中国の氏・姓の成り立ちをどこよりも分かりやすく解説!
  7. 袁紹に殺された2000人以外にも歴代の皆殺しに注目してみた。ちょ…
  8. 【それは偏見!】偏ってしまった英雄曹操の実像

google検索フォーム

過去記事を検索できます

ピックアップ記事

おすすめ記事

  1. 三国志の英雄で上司にするなら誰にしたい!?
  2. 人中の鬼人呂布のラストウォー下邳の戦いを紹介
  3. 藺相如(りんしょうじょ)とはどんな人?三大天の一人!趙の名宰相であり廉頗のかけがえのない親友(1/3)
  4. 張繍と賈詡は曹操に降伏したのは本心からではなかった!?
  5. 袁紹と袁術の仲が悪くなった理由は劉虞が原因か!?【黒田レンの考察】
  6. 【第二回 放置少女】これはやりすぎじゃね?新しく加わった黄月英はネコだった!?

三國志雑学

“はじめての三国志150万PV" “広告募集"

はじめての三国志 書籍情報


著:kawauso 価格480円
※Kindle読み放題対応

ピックアップ記事

おすすめ記事

游殷(ゆういん)が的中させた人物評価が凄かった!ズバリ言うわよ!YOUは長官になる器だ! 【難問】三国志好きは解きたくなる!なぞなぞ・クイズ集 秦宓(しんふく)とはどんな人?口先プロフェッショナルの人生 【架空戦記】時空を超えた対決!韓信VS 諸葛亮孔明の一本勝負 【お知らせ】はじめての三国志コミュニティに参加しよう! 実は笑い上戸のちっこいオッサン? 『曹瞞伝』に見る曹操像 大久保利通の妻はどんな人だったの?大久保満寿子に迫る 【素朴な疑問】呉には何で五虎将軍や五大将軍がいないの?

おすすめ記事

  1. 小さい曹操が持っていた巨大な戦車についての考察
  2. 姜維が母よりも蜀選んだ理由に全三国志好きが泣いた!
  3. 媧燐(かりん)は実在した?ベトナムの女桀と呉の陸胤の戦いの意外な決着
  4. 韓当(かんとう)ってどんな人?程普と共に呉を支え続けた呉の勇将
  5. 十常侍ってなんぞや?
  6. 廖化(りょうか)ってどんな人?蜀漢成立~滅亡まで戦い続けた蜀の将軍
  7. 大久保利通の名言・格言の意味、座右の銘を紹介
  8. 絶対ダメ!三国時代に流行していたドラッグ!?漢方薬を違法ドラッグにした何晏

はじさん企画

袁術祭り
李傕祭り
帝政ローマ
広告募集
まだ漢王朝で消耗してるの?
HMR
ライフハック
君主論

ビジネス三国志
春秋戦国時代
日常生活
曹操vs信長
架空戦記
ライセンシー
北伐
呂布vs項羽
編集長日記
はじめての三国志TV
“曹操孟徳" “黄巾賊" “赤壁の戦い" “THE一騎打ち" “夷陵の戦い" “kawausoのぼやき記事" “よかミカンのブラック三国志"
“西遊記"
PAGE TOP