ログイン | 無料ユーザー登録


呂布特集
三国志の死因


はじめての三国志

menu

三国志の雑学

【素朴な疑問】三顧の礼はどうして凄いのか?

3000人の配下で孔明の庵を包囲する武闘派な劉備




三顧の礼

 

三国志演義(さんごくしえんぎ)の名場面である三顧(さんこ)の礼、正史にも出師(すいし)の表に劉備(りゅうび)諸葛亮(しょかつりょう)の庵を訪れた

という記述が出てくるので、あるいは本当にあったのかも知れませんが、

現在知られている三顧の礼の具体的なエピソードは三国志演義の脚色です。

 

しかし、三国志初心者の方は、劉備孔明を三度訪れた事のどこが凄いの?

こんな風に思っているのかも知れません。

劉備孔明の命を救ったとかなら分かるけど、ただ留守がちの孔明の下に

劉備が三回尋ねたのがどうして美談になるの?」

なるほど、それでは三顧の礼がいかに凄いのかを解説します。

 

はじめての三国志全記事一覧はこちら

関連記事:臥龍は起つ気まんまんだった!?三顧の礼のやらせ劇を詩から読み解くよ

関連記事:【三顧の礼】孔明トコの天才童子が劉備に冷たすぎる件

 

儒教の価値観では年長者が年少者を尋ねるのは破格の対応

儒教の価値観と孔子

 

まず、第一に当時の中国の価値観である儒教(じゅきょう)の影響を考えないといけません。

ザックリと儒教の価値観を説明すると、自分より先に生まれた人を(うやま)えです。

具体的には、先祖を敬い、両親を敬い、年長者を敬うという事になります。

 

あなたがこの世に存在するのは、第一には両親のお陰、そして両親が存在するのは、

それぞれ両親の先祖のお陰だからという理屈ですね。

こうして考えると、自分より1歳でも年上は先生(先に生まれた)として

敬わないといけない事になるのです。

 

劉備は西暦161年の生まれで孔明は181年の生まれ、年齢差は20歳もあり

親子ほどの開きが存在します。

この時点で、劉備は用があるなら孔明を呼びつけてもいいわけです。

逆に孔明が劉備を呼びつけるのは、当時の価値観では不遜(ふそん)な振る舞いであり

教育がなっとらんという事なのです。

 

このような習慣に構わず、劉備は自ら孔明を三度尋ねたわけで破格の対応でした。

 

劉備は左将軍、孔明は無位無官

劉備は左将軍、孔明は無位無官

 

また、劉備は孔明の庵を尋ねた頃には、劉表の客分の傭兵隊長でしたが、

曹操(そうそう)の下にいた頃に左将軍(さしょうぐん)という官位を授かっていました。

これは上から四番目の地位でなかなか高いです。

三国志演義でも劉備は誇らしげに、左将軍の肩書を名乗っていますから、

かなり押しが利く肩書である事が分かります。

 

一方の孔明は身分こそ士大夫(しだいふ)階級ですが、どこにも仕えていないので

官位を持っていません平民と同じです。

そんな、孔明から見れば殿上人(でんじょうびと)の劉備がわざわざ平民同然の孔明に会いに来るのです。

例えるなら、水戸黄門(みとこうもん)が越後のちりめん問屋の隠居ではなく、水戸藩主の身分で、

百姓の若者を尋ねてスカウトするようなもので、これも破格でしょう。

 

激動の時代を生きた先人たちから学ぶ『ビジネス三国志

ビジネス三国志

 

新野城から隆中は一日がかりだった

新野城から隆中は一日がかりだった

 

3つ目の理由は、物理的な問題です。

三顧の礼の当時、劉備は劉表から新野城を任され曹操に備えていました。

この新野城から孔明の庵がある隆中は、直線距離でおよそ80キロあるのです。

自動車や電車があるならいざ知らず、徒歩以外の移動手段は馬しかない昔

これだけの距離を移動するのは一日がかりだったでしょう。

 

しかも、新野城を任されている手前、劉備一行には、

孔明が来るまでは襄陽(じょうよう)で長逗留(とうりゅう)してのんびり待つという選択肢もないのです。

 

空振りしたら、むなしく80キロの距離を帰るだけは相当キツイですよ。

あの辛抱強い関羽でさえ、三度目の訪問では出発前に

 

「二度も出向いて会えないだけでも度が過ぎています

孔明は虚名だけで実力がないので逃げ回っているのでしょう

これ以上、付き合わされるのはもう沢山だ」と音を上げています。

関羽

 

おそらく二度目の雪中行軍でそうとう嫌気がさしたのでしょう。

帰りも3人旅ですから、帰る道すがら劉備は2人から

散々に孔明の愚痴(ぐち)を聞かされたに違いありません。

 

劉備だって内心は「俺何やってんだろ」感を必死に打ち消しながら

遭難(そうなん)しそうな大雪の中を新野に帰ったに違いないのです。

40過ぎたいいオッサン3人が三度にわたり、往復160キロの道のりを

愚痴を吐きながら息子のような若造、孔明に会う為に通い続けた。

その悲哀に満ちた構図は文句なく(すご)いと言わねばなりません。

 

三国志ライターkawausoの独り言

三国志ライターkawausoの独り言

 

いかがでしょうか?三顧の礼を決行した劉備一行がいかに凄いか

お分かり頂けたでしょうか?

こうまで苦労して会えた孔明が、庵から降りてきたと思えば、

毎日、毎日、劉備といちゃいちゃを開始します。

 

「散々アポに苦労させられたうえに、今度は兄者を孔明に取られた

もう悔しいったらないわ、キーーーーーーーーーッ!!」

張飛関羽が嫉妬するのも、無理からぬ事でしょうね。

 

はじめての三国志全記事一覧はこちら

関連記事:【異説三国志】三顧の礼はホントはなかったかもしれない!

関連記事:64話:諸葛孔明の庵を3回尋ねる劉備、これが三顧の礼

 

赤壁の戦いを斬る!赤壁の戦いの真実
赤壁の戦い

 




kawauso

kawauso

投稿者の記事一覧

三度の飯の次位に歴史が大好き

10歳の頃に横山光輝「三国志」を読んで衝撃を受け
まずは中国歴史オタクになる。
以来、日本史、世界史、中東、欧州など
世界中の歴史に興味を持ち、
時代の幅も紀元前から20世紀までと広い。
最近は故郷沖縄の歴史に中毒中、、

好きな歴史人物:

西郷隆盛、勝海舟、劉邦、韓信、、etc

何か一言:

歴史は現在進行形、常に最新のジャンルです。

関連記事

  1. 賈詡(賈ク) 賈詡は歴史を陰から操る天才である!世界史上稀にいるタイプだよね
  2. 司馬懿と諸葛亮孔明のトランプ勝負 【三国志トランプ】人物の説明文がトホホな人たち
  3. 『三国志』をもっと面白く読むためには他の時代も勉強すべき!
  4. 逃げる夏侯覇 なぜ夏侯覇は蜀に亡命したの?魏期待の星のナゾに迫る
  5. 孔明VS曹操 そんな!諸葛亮は曹操を目指していた?似てる二人を解説
  6. 自称皇帝、袁術のトホホな部下列伝 Part.4
  7. 【三国志平話】まるで水滸伝!山賊になった劉備
  8. 曹休と曹丕を可愛がる曹操 曹休と曹丕の関係性は?本当に仲がよかったの?

コメント

  • トラックバックは利用できません。

  • コメント (0)

  1. この記事へのコメントはありません。

CAPTCHA


google検索フォーム

過去記事を検索できます

ピックアップ記事

  1. 楊鋒(南蛮討伐)
  2. 王翦
  3. 黄巾賊を撃破する皇甫嵩
  4. 羊コと信頼の関係を築く陸抗(りくこう) 羊祜
  5. 孔明君のジャングル探検
  6. 五虎大将軍の馬超
  7. 劉備 髀肉の嘆 ゆるキャラ

おすすめ記事

  1. 朝まで三国志 三国志最強のワルは誰だ(笑) 第10部
  2. 太史慈が劉繇に対して忠義ゼロだった!?
  3. はじめての三国志 4コマ劇場 「関羽単騎駆け」
  4. 諸葛亮は誤算だらけの丞相だった? 犬猫に襲われる孔明
  5. 小松帯刀は篤姫に好意を持っていた?真相に迫れ! 篤姫
  6. 【諸葛恪の栄光と破滅】最初の成功が人生を狂わせた呉の最高指導者 諸葛恪の栄光と破滅

三國志雑学

  1. 蜀の姜維
  2. 呉蜀赤壁の戦い
  3. 陳平


“はじめての三国志コメント機能" “はじめての三国志150万PV" “はじめての三国志Youtubeチャンネル" “広告募集" “誤字・脱字・誤植などの報告フォーム"

はじめての三国志 書籍情報

朝まで三国志 三国志最強のワルは誰だ (桃園出版 三国舎)

著:kawauso 価格480円
※Kindle読み放題対応

ピックアップ記事

  1. 鍾会を説得する姜維
  2. 三国志平話
  3. 坂本龍馬(幕末時代)
  4. カイ良、カイ越、蔡瑁に初めて会う劉表
  5. 三国志ライター黒田レン
  6. 呉の孫権
  7. 宦官たち 

おすすめ記事

曹休 126話:孔明第二次北伐の開始、陳倉攻略戦 異議ありと叫ぶ司馬懿 司馬懿(しばい)ってどんな人?実は列伝が無い孔明のライバル 曹操 愛されすぎてことわざになった人・曹操(そうそう)編 泣く子も張遼 張遼はどんな最後を迎えた?張遼の死因と年齢を解説 劉備に褒められる趙雲 趙雲は孔明のようなアドバイスを劉備にしていた?実は軍師タイプだった? 反対する賈充 賈充(かじゅう)とはどんな人?司馬氏の地位確立と晋建国の功臣【晋の謀臣列伝】 結婚を喜ぶ孫策 孫策は大喬を手に入れるためにとんでもない行動を起こした!? 自称皇帝、袁術のトホホな部下列伝 Part.2

はじさん企画

“if三国志" 英雄の死因 “三国志とお金" “はじめての漢王朝" “はじめての列子" “はじめての諸子百家" “龍の少年" “読者の声" 袁術祭り
李傕祭り
帝政ローマ
広告募集
まだ漢王朝で消耗してるの?
HMR
ライフハック
君主論

ビジネス三国志
春秋戦国時代
日常生活
曹操vs信長
架空戦記
ライセンシー
北伐
呂布vs項羽
英雄の武器 編集長日記
はじめての三国志TV
“曹操孟徳" “黄巾賊" “赤壁の戦い" “THE一騎打ち" “夷陵の戦い" “kawausoのぼやき記事" “よかミカンのブラック三国志" 英雄の墓特集 誤字・脱字・誤植などの報告フォーム はじめての三国志コメント機能
“水滸伝"

“三国志人物事典"

“はじめての三国志コメント機能"
PAGE TOP