呂布特集
姜維特集




はじめての三国志

menu

三国志の雑学

濡須口の戦いって何?どうして何度も戦争になるの

大船団を率いて呉を攻める王濬(おうしゅん)




黄河

 

濡須口(じゅしゅこう)の戦いとは、西暦212年から223年にかけ、断続的に三度行われた戦いです。

この戦いでは、曹操(そうそう)が40万もの大軍を動員したとも言われ、

実際には赤壁(せきへき)の戦いよりも規模の大きな戦争なのですが、劉備(りゅうび)が絡まないので、

三国志演義(さんごくしえんぎ)では大きな扱いになりませんでした。

そこで、10月のはじ三は、地味な大会戦濡須口の戦いを特集します。

 

はじめての三国志全記事一覧はこちら

関連記事:陸遜も参戦した合肥の戦い(第四次戦役 234年)を分かりやすく解説

関連記事:合肥の英雄・張遼も曹操並の人材集めに必死だった!?

 

 

そもそも濡須口ってどんな土地?

濡須口の地図

※注意、地図はかなりテキトーです

 

三度にわたり魏呉の間で争奪戦になった濡須(じゅしゅ)はどんな土地なのでしょうか?

濡須とは、長江(ちょうこう)淮河(わいが)の間にある合肥一帯に存在する巣湖(そうこ)から流れる支流で

古くは濡須水(じゅすすい)と呼ばれていました。

濡須口は、その濡須水が長江に注ぎ込む河口の事を意味しています。

濡須水の河口だから濡須口と言うわけですね。

 

巣湖の北西には合肥城(がっぴじょう)があり、その先に施水(しすい)があり魏の領地です。

つまり、この濡須口を魏に奪われると魏は巣湖を経由していつでも大船団を

長江の先にある建業(けんぎょう)まで進める事が出来、孫呉には大きな重圧になります。

そういう事があり、孫権は須湖に堤防を築いて流れを()き止めてしまい

魏の水軍が南下するのを阻止したりしています。

 

 

合肥に攻めるにも濡須口は大軍移動に便利

合肥に攻めるにも濡須口は大軍移動に便利

 

守備するばかりではなく、濡須口は長江を遡り合肥を攻撃するにも最適でした。

長江に大船団を浮かべて移動させれば数日で巣湖に船団が至るわけで

補給物資にしても船に積めば合肥城までは苦労しないで運べます。

 

孫権は、西暦230年に一度は東興堤(とうこうてい)を建造して巣湖を堰き止めますが、

後に淮南を攻める時に堤を破壊して、そこに船を浮かべ252年に諸葛恪(しょかつかく)

再び堤防を築くまでは、復活させませんでした。

 

それは、濡須口が攻めるにも守るにも重要な拠点である事を意味し

合肥を生涯に4度も攻めた孫権には必要不可欠だったのです。

 

【呉のマイナー武将列伝】
呉の武将

 

長江は軍隊が渡れるポイントが限られる

長江は軍隊が渡れるポイントが限られる

 

軍隊の渡河(とか)には、大きなリスクが伴いました。

河と言っても長江は幅が数キロもあり、簡単に渡れるようなものではありません。

もし渡河の最中に敵軍が対岸で迎撃態勢を整えて進んできた場合には

渡河中の軍は、いく事も戻る事も出来ず立ち往生し全滅する事もありました。

 

ただ、長江にも途中に中州のような場所や水深が浅いポイントがあり、

そこは()と呼ばれて、軍隊が渡河する為の重要なポイントでした。

濡須口の付近にも中州(なかす)があり、ここは船ではなく歩兵が移動するには、

都合が良い渡河ポイントでした。

 

呉としては、この渡河ポイントを自軍が抑えて敵に渡さない為に

濡須口は硬く守る必要があったのです。

 

西暦212年に孫権が都を呉から建業に遷した

銅雀台

 

孫呉の都は、変遷(へんせん)を繰り返しています。

最初は呉であったのが長江に沿っていて物流に便利である秣稜(まつりょう)に根拠地を(うつ)

ここを建業(けんぎょう)と改名しています。

西暦212年は第一次濡須口の戦いの年であり、曹操が長江の付近に

首都機能を遷したので、ここを奪取しようと考えたのでしょう。

 

ただ、孫権は首都機能を遷しただけで、

実際には荊州、交州、揚州を束ねるのに便利な武昌(ぶしょう)に滞在しています。

その後、西暦229年に孫権が帝号を名乗ると正式に建業を首都にします。

この時孫権は、防戦の意図を固めたのか濡須口に繋がる巣湖の端を

堤防で堰き止めていました。

 

これは、呉からの船団を長江から遡らせないという意志表示になり

それを受けて濡須口の戦いは起こらなくなります。

しかし、その後情勢の変化で孫権は東興(とうこう)の堤防を壊したので

以後は再び濡須口周辺で戦いが起きるようになりました。

 

三国志ライターkawausoの独り言

三国志ライターkawausoの独り言

 

まとめてみると、濡須口が度々、大軍がぶつかる戦場になったのは、

魏の重要拠点である合肥があり、そこから建業までは僅かに150キロしかなく

長江に流れ込む支流である濡須口が魏軍に奪われると、

建業が大船団に包囲されてしまう恐れがあるという事になります。

巣湖やその支流を利用し船を使えば、軍隊も物流も飛躍的に効率的になるので

曹操も孫権も濡須口をなんとか確保しようと躍起になったのです。

 

はじめての三国志全記事一覧はこちら

関連記事:孫権は何であれほど合肥城を狙い続けたの?理由をわかりやすく解説(前半)

関連記事:孫権は何であれほど合肥城を狙い続けたの?理由をわかりやすく解説(後半)

 

赤壁の戦いを斬る!赤壁の戦いの真実
赤壁の戦い

 

kawauso

kawauso

投稿者の記事一覧

三度の飯の次位に歴史が大好き

10歳の頃に横山光輝「三国志」を読んで衝撃を受け
まずは中国歴史オタクになる。
以来、日本史、世界史、中東、欧州など
世界中の歴史に興味を持ち、
時代の幅も紀元前から20世紀までと広い。
最近は故郷沖縄の歴史に中毒中、、

好きな歴史人物:

西郷隆盛、勝海舟、劉邦、韓信、、etc

何か一言:

歴史は現在進行形、常に最新のジャンルです。

関連記事

  1. 劉雄鳴は三国志の仙人 劉雄鳴とはどんな人?仙人だけど世渡りが下手な関中軍閥
  2. 兵士 届け!お手紙、三国時代には郵便制度があった!?
  3. 呉の孫権 合肥(がっぴ)むかつく!孫権が合肥攻略にこだわる理由とは?
  4. 華佗 【笑林】人命度外視の治療と儒学をまなんだ不孝者
  5. 曹操のムスコ達アイキャッチ2 集まれ曹操の25人の息子たち・その3
  6. 魏から蜀に下る姜維 姜維が母よりも蜀選んだ理由に全三国志好きが泣いた!
  7. 馬超や曹操と因縁が深い氐族(ていぞく)
  8. 【新事実】漢の時代の市場はヤンキーの溜まり場だった!

google検索フォーム

過去記事を検索できます

ピックアップ記事

  1. キングダム54巻amazon
  2. 三国志大学 曹操
  3. 木牛流馬
  4. 顎のちからが凄い関羽が乗るカバ(赤兎馬)
  5. 魏曹操と魏軍と呉軍
  6. 張紘が病死したという手紙を読み涙する孫権
  7. 豊臣秀吉 戦国時代2
  8. 真田丸 武田信玄

おすすめ記事

  1. 羅憲(らけん)とはどんな人?蜀のラストサムライ!奇跡の逆転勝利で蜀の意地を見せる 羅憲
  2. 【孔門十哲】子貢(しこう)とはどんな人?弁舌なら孔子にも負けない魯の救世主
  3. 【三国志で例えるよ】初心者でも『エドワード黒太子』が分かる。西洋史の基礎&豆知識!
  4. キングダム591話最新ネタバレ「三大天の盾」レビュー キングダム53巻
  5. 五代友厚は大阪再生の立役者だった! 幕末 帝国議会
  6. 3連休に三国志の美少女たちを放置プレイしない?三国志系ゲーム『放置少女』

三國志雑学

  1. 楊彪を司空に任命させる董卓
  2. 魯粛
  3. 孔明による出師の表
“はじめての三国志150万PV" “はじめての三国志Youtubeチャンネル" “広告募集" “誤字・脱字・誤植などの報告フォーム"

はじめての三国志 書籍情報

朝まで三国志 三国志最強のワルは誰だ (桃園出版 三国舎)

著:kawauso 価格480円
※Kindle読み放題対応

ピックアップ記事

  1. 信陵君
  2. キングダム54巻amazon
  3. 建業を捨てて武昌に首都移転する孫皓
  4. 漢(ハン)HAN amazon引用
  5. 韓信と劉邦

おすすめ記事

橋本左内の書籍にはどんなものがあるの? 魯粛と関羽の一騎打ちの行方は? おんな城主 直虎 【おんな城主・井伊直虎ネタバレ感想】第40話「天正の草履番」 卑弥呼 「漢委奴国王」と刻まれた金印ってどんなもの?教科書でもお馴染みの金印 朶思大王 インテリ朶思大王が蜀軍を苦しめる?ワシが南蛮一の軍師ダシ! キングダムネタバレ574話「解放者」レビュー紹介 司馬懿と公孫淵 曹爽討伐に成功後の司馬懿の対応が神ってる 曹操も劉備もこれで学んだ?漢の時代の教科書と学校

はじさん企画

“if三国志" 英雄の死因 “三国志とお金" “はじめての漢王朝" “はじめての列子" “はじめての諸子百家" “龍の少年" “読者の声" 袁術祭り
李傕祭り
帝政ローマ
広告募集
まだ漢王朝で消耗してるの?
HMR
ライフハック
君主論

ビジネス三国志
春秋戦国時代
日常生活
曹操vs信長
架空戦記
ライセンシー
北伐
呂布vs項羽
英雄の武器 編集長日記
はじめての三国志TV
“曹操孟徳" “黄巾賊" “赤壁の戦い" “THE一騎打ち" “夷陵の戦い" “kawausoのぼやき記事" “よかミカンのブラック三国志" 英雄の墓特集 誤字・脱字・誤植などの報告フォーム
“邪馬台国"

“三国志人物事典"

“はじめての三国志PR募集陸遜"
PAGE TOP