「自分を変えたい!」、「もっと成長したい!」、
「もっと成果を出せるようになりたい!」と思ってはいるのであれば、
そのためには勇気を持った挑戦が必要です。
この記事を読み終わる頃には、
あなたは人生をポジティブに歩むことができる方法をひとつ手に入れています!
21世紀のビジネスシーンで支持されている様々な「自己啓発」のやり方を学び、
実践していく物語になっています。
やや、21世紀風のセリフ回しになっている部分はご了承ください。
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袁術くん、初めて董卓に会う
袁術くんは、四世に渡り三公を輩出したという超超名門である汝南袁氏に生まれました。
父の袁逢は三公の中の司空に就いたことがありましたが、
すでに病没し、この世を去っています。
今日の袁術くんには大切な役目があります。
大将軍である何進の命令で、河東に駐屯する軍勢の統率者に会うのです。
使者としてはもっと相応しい官職の者がいるのでしょうが、
何せ相手は、横暴なことで有名なあの「董卓」なのです。
下手に機嫌を損ねてしまえば、簡単に首を刎ねられてしまいます。
(だからといって、僕だから大丈夫ということもないだろうに……)
袁術くんはかなり憂鬱です。名門袁氏の威光が頼りだと大将軍には言われたものの、
董卓とはまったく面識もありません。
武芸に秀でているとは聞いたことがありましたが、
黄巾の鎮圧戦では盧植の後任を託されるも敗退しています。
かなり我が強く、他の将軍たちとも度々衝突を繰り返していました。
「これは、これは、そなたが公路(袁術の字)殿か?
陣中ゆえむさくるしいのは我慢してくれ。奥に入ってゆっくり茶でも飲まれるがいい」
袁術くんを歓迎した董卓は、見たこともないような巨漢で、
胸元まである黒々としたヒゲを蓄えていました。圧倒的な存在感です。
「初めまして、幷州牧様(董卓の官職)。虎賁中郎将の袁術です。
幷州牧様には軍を解き、速やかに任地へ赴かれるようにとの勅でございます」
「ハハハ、ずいぶんと単刀直入な使者ぶりだな。勅とは笑わせる。
どうせ、この董卓の威を怖れる中常侍か外戚どもの指示だろう」
「幷州牧様には、一度、涼州反乱鎮圧軍を解き放つよう命が下っているはずですが」
「記憶にないな」
「なぜこの河東に駐屯しておられるのです?」
「政から卑しい宦官や外戚どもを排除するためよ。
他の誰にもできぬのなら、わしがやるしかあるまい」
「そのようなことは……」
「無謀か?確かにやつらの指示に従い、
幷州牧としての任務をまっとうするのはたやすいことだ。
しかしわしは、そのようなコンフォートゾーンに縮こまっているつもりはない」
「コンフォートゾーン?それはどのようなものでしょうか?」
「なんだ、公路殿はコンフォートゾーンを知らぬのか。
よかろう。話してやろう」
コンフォートゾーンとは何か
「コンフォートゾーンとは、安全に過ごしていける領域のことだ」
「安全に過ごしていける領域。ということは、
他にもいくつかの領域があるのですか?」
「その通り。わしを中心にして200歩半径の円内をコンフォートゾーンとすると、
その外には、ラーニングゾーンが広がっている。
本陣から出ることになるので、
獣に襲われるかもしれんし、野党に出くわす危険性もある。
言葉の通じぬ異民族に遭遇するかもしれん」
「安全ではない領域ですね。そこに飛び出してもメリットはないでしょう。
命の危険性もある。リスクを冒さずに安全地帯に留まっていたほうが得策なのでは?」
「案外とつまらぬことを言うの。
コンフォートゾーンに留まるということには、リスクはないと考えるのか?」
「あるのですか?安全な領域に留まるリスクなど」
「人は長くコンフォートゾーンに留まると怠惰になる。
コンフォートゾーンは不安とも失敗とも無縁な世界だ。
それに慣れてしまうとマンネリ化して、緊張感に欠けるようになるだろう。
そしてパフォーマンスは低下していくものだ。
挑戦することを怖れるようにもなる」
「それは今の朝廷の在り方をお話されているのですか?」
「解釈は公路殿の好きにされるがいい。
ラーニングゾーンに身を置くということは、
今までのやり方では通用しない可能性があるということだ。
新しい環境に慣れる必要もあるだろう。
これまで簡単に成功してきたやり方も見つめ直さねばならない」
「自分の殻を破るということですね」
「リスクを怖れることは、大切な危機回避能力だ。
しかしリスクを怖れているだけでは、人は成長できない。
苦痛を味わうのは覚悟してでも、果敢に挑戦する勇気が必要なのだ」
「幷州牧様は、そのコンフォートゾーンから飛び出す覚悟なのですか」
「それがわしのモットーだ。コンフォートゾーンを広げ、
次なるラーニングゾーンに踏み込む。わしはこうしてこれまで生きてきた」
コンフォートゾーンから抜け出す方法
(確かに自分の世界に閉じこもっていても成長することは難しいだろう。
これまで、多くの人に出会い、アドバイスをいただき、それを実践したり、
新しい習慣として取り入れてきたことで、
僕にも少しずつ自信が生まれきた気がする。
董卓の言っていることも一理あるのかもしれない)
「涼州の反乱鎮圧の際には、陶謙殿と一緒になった。
公路殿の話はよく陶謙殿から聞いておる。
コンフォートゾーンから脱することに懸命になっているとか」
「コンフォートゾーンという概念を知らなかったので、
はたして方向性が同じなのかどうかまだわかりません」
「同じだよ。コンフォートゾーンから抜け出すために必要なことは何だと思う?」
「挑戦すること、でしょうか」
「それもある。
だが、それ以前に自分が今、どこに身を置いているのかをしっかりと把握しておかなければならない。
自分の身の置き場所を確認することで、次の課題や挑戦も見えてくるだろう」
「今、コンフォートゾーンに身を置いているのか、
それともラーニングゾーンに身を置いているのかということですね」
「公路殿は自分自身のことをよくわかっているようだ。
だからこそ、ラーニングゾーンへ足を踏み込もうとしているのだ。
その挑戦は常に持久戦になる。
コツコツ継続して挑戦を続けられる者だけが、コンフォートゾーンから抜け出すことができるのだ」
「継続した挑戦……」
「人生に目的や目標を持っているのであれば、
人は絶えず、自分がラーニングゾーンに身を置いていることを確認していかなければならない」
まとめ
「幷州牧様は、機会を待っておられるのですね。
コンフォートゾーンから抜け出すチャンスを」
「わしは公路殿の叔父上に目をかけていただき、
昇進することができた。袁氏はいわば恩人よ」
「だからこのようなお話をしていただけたのですか」
「いや、だからこそ首を刎ねずに帰すのだ」
「……幷州牧様、いまひとつ、ご教授いただきたい」
「何だ?」
「コンフォートゾーンの外に、成長するためのラーニングゾーンが広がってるのであれば、
さらにその外側にはどのような領域があるのでしょうか?」
「ラーニングゾーンの外にあるのは、パニックゾーンだ」
「パニックゾーン?」
「踏み込んだ者の身を滅ぼす、破滅の領域だよ」
結論
・コンフォートゾーンとは
- これまで親しんできた快適で安全な領域。
- 慣れてくると緊張感が緩み、パフォーマンスは低下する。結果成長できない。
・コンフォートゾーンから抜け出すためには
- 自分の置かれている状況をしっかりと把握する。
- 不安や緊張もあるだろうが、勇気を持って新しい環境やチャレンジをして、
ラーニングゾーンに踏み出す。