科挙問題文を紹介!あなたには解ける?


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宋代の公務員試験である科挙

 

中国には科挙(かきょ)(官吏登用試験)という現在の公務員試験がありました。

(ずい)(581年~618年)から始まったのですが、実質的な運用をされるようになったのは北宋(ほくそう)(960年~1127年)からです。

今回は制度をもとに、唐代から宋代までいかなる問題が提出されていたのか解説します。

 

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唐代の科挙問題

 

まずは唐(618年~907年)です。

主に出題されていたのは、帖経(ちょうけい)詩賦(しふ)時務策(じむさく)です。

 

帖経は暗記クイズです。文章を提示されて、隠された空欄の文字を埋めるという形式の問題です。

詩賦は受験生オリジナルの詩を書くことです。本人の文章力を試されます。

時務策は時事の論述です。これは現在の公務員試験にもあります。

 

ところが、これらの試験は唐代では重要視されていません。

なぜなら、重要視されていたのは高官に対しての事前運動だからです。

「誰に」、「どのような」運動をするかが重要だったのです。

試験の意味が全くありません。

真面目にやる人はバカを見ます。

 

さらに、この後は〝身言書判(しんげんしょはん)〟という試験がありました。

面接モドキです。

 

なぜ面接モドキなのかと言いますと貴族・金持ちなら、ほぼ誰でも合格していました。

どのようなバカでもOKでした。

唐代の科挙は試験問題として全く無意味だったのです。

 


 

宋代の科挙問題

 

宋代の科挙問題は、初期は唐代とそんなに変わりませんが面接試験の身言書判は廃止されました。

 

代わりに皇帝が最終面接を行う〝殿試(でんし)〟を創設しました。

 

初代皇帝趙匡胤(ちょうきょういん)の時代は、厳しく審査を行っていましたが、皇帝が代わるにつれて、形骸化していき、やがて落第者は1人もいなくなりました。

問題も詩賦以外にも文章の能力を見る筆記テストが次々と増えました。

また、帖経の他にもう1つ墨義(ぼくぎ)という暗記テストが出来ました。

 

帖経が文章の一部を答えさせるのに対して、墨義は〝文章一節〟を答えさせます。

これは幸いにも馬端臨(ばりんたん)という人が執筆した『文献通考(ぶんけんつうこう)』という書物に問題が残されていました。

 

北宋の宰相の呂夷簡(りょいかん)が科挙を受験した時の問題です。

 

せっかくですので、読者の皆さんも解いてみてください。

 

「其の君に礼有る者を見るは、孝子の父母を養うが如きなり、と()う。下文を以て答えよ」

制限時間は5分です。

解答時間終了です。

 

答えは以下の通りです。

 

「下文に曰く、其の君に礼無き者を見るは、鷹鸇(ようせん)の鳥雀を逐うが如し、と。(つつし)みて(むか)う」

以上です。

 

上記の内容は『春秋左氏伝』からの出題です。中身を完全に暗記していないと答えられません。

『文献通考』の著者の馬端臨は、「子どもが本をかかげて朗読しているようだな」と切り捨てています。

こんな感じなので、暗記テストの帖経も墨義もやっても意味が無いと分かりました。

 

やがて王安石(おうあんせき)の改革の時に2つとも廃止となりました。

むしろ良かったと思います。

 

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番外編 科挙の事前運動

 

唐代の科挙は高官に事前運動をすることは前述しました。

 

これを〝行巻(こうかん)〟と言います。

 

これは有力な高官に自分の文学作品を提出して評価してもらい、合格に導いてもらうという手法です。

もちろん中には文学作品以外のものを提出していた可能性はあります。

高官に事前運動せずとも、正式な試験管に提出して評価してもらう〝公巻(こうかん)〟という制度もありました。

 

だが、試験管は受験生全員の文学作品をチェックしている暇はありません。

だから、受験生は敢えて有力な高官に事前運動をしていたのです。


  

 

 

宋代史ライター 晃の独り言

 

以上が、唐・宋代にかけて提出された科挙の問題に関しての解説です。

今回、馬端臨が書き残した科挙の問題を皆さんは解くことが出来ましたか?

ちなみに私はまったく解けませんでした(笑)

 

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