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キングダム596話ネタバレ雑学「大将軍」という地位は本当にあるの?

2019年4月8日


 

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キングダムの主人公、信の目的と言えば天下の大将軍になる事です。

しかし、そもそもの話として中国の史実には大将軍という地位などあるのでしょうか?

そして、大将軍の下にはどんな階級が存在したのでしょうか?

今回は、大好評リアルキングダムを紹介してみます。

参考文献:秦漢の兵制について‐地方軍を中心として

 

自称・皇帝
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監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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キングダム596話ネタバレ雑学 キングダムの頃には大将軍はない?

 

大将軍とは、一般の将軍の上位に立ってこれを統率する地位で古くは上将軍(じょうしょうぐん)と呼ばれていました。

しかし、歴史上で大将軍という呼び名が生まれたのは不明で秦末の動乱期に陳勝(ちんしょう)に叛いて張耳(ちょうじ)と組んで武臣(ぶしん)を趙王に推挙した陳余(ちんよ)

この呼称を使用しています。

張耳や陳余が活躍した時代は始皇帝の死んだ直後なので、大将軍の呼称が陳余に由来するとなるとキングダムの時代には、まだ大将軍という呼称もなく

上将軍が標準だった事になります。

つまり、信は「俺は天下の上将軍になる!」と叫ぶのが史実的にはリアルです。

 

 

 

キングダム596話ネタバレ雑学 臨時職だった大将軍

 

これもキングダムファンをガッカリさせる話ですが秦の時代には大将軍という常設ポストはありませんでした。

通常の戦争では個々の将軍が連動しながら、あるいは単体で軍を動かすのが主流であり、大規模の軍隊を編成する際の臨時職として

大将軍があったようです。

楚漢戦争で活躍した韓信(かんしん)は漢の大将軍でしたが項羽を撃破すると大将軍の地位を解かれています。

 

大将軍の地位が常設になるのは、キングダムの時代から100年余り後、前漢の武帝の時代の事なのです。

意地悪な言い方をすると、信が大将軍でいられるのは戦争がある時だけで、それが終ると解任されてただの将軍になるという事になります。

「今まで血みどろの戦いを潜り抜けてきたのに、戦が終れば将軍に格下げかしょぼぼーん」

キングダムの信にしてみれば、戦争が終わった途端に大将軍の地位が消えるのは、相当ショックでしょうね、ショボボボーン

 

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キングダム596話ネタバレ雑学 リアルな秦の階級とは

 

宋治民氏の研究によると、史実の秦の時代の軍制では、以下のようなランク付けがされていたようです。

将軍‐(部)校尉、司馬‐(曲)軍侯、千人‐(屯)屯長‐(隊)隊率

階級により何が違うかと言うと率いる部隊の人数が違い、下のランクはそれぞれ上のランクに従属する事でマンタンワ、、

じゃない万単位の兵力を動かす事が出来ます。

 

キングダムだと、千人将、二千人将、五千人将のような階級なのでそれとは異なります。

恐らく、校尉、司馬、のような階級だと、なんじゃらほいなのでもっとも分かりやすい、数字を前面に出したのではないかと推測します。

因みに校尉、司馬、というような階級は、秦の時代以後漢の時代にもそのまま引き継がれていきます。

   

 

キングダム596話ネタバレ雑学  玉鳳隊は金持ちばかり?

王賁

 

キングダムでは飛信隊は平民出身の兵士ばかりで、逆に玉鳳隊は貴族の階級ばかりでした。

これはいかにも、育ちから性格まで正反対の王賁と信を対比する為に造られた設定に見えますがここはどうでしょう?

諸説あるのですが、リアルな秦の時代には、歩兵も騎兵も一般庶民から徴兵した材官から選ばれ、そこから適性がある人々を選抜して

騎兵にしたり、弩兵にしたりしていたようです。

 

従来の説では、騎兵や弩兵は特別な身分を持つ人々と考えられていましたので、それだと騎兵ばかりの王賁の兵はエリートばかりで

歩兵が多い飛信隊は庶民という対立も当てはまりますが、最近の説だと金持ち玉鳳隊、貧乏飛信隊という図式はあてはまらないかも知れません。

そうだとすると、郭備のような元は下僕ながら努力によって千人将になった人は史実でもあり得ない存在ではない事になります。

ただ、郭備の場合には下僕から子供の無い士族の養子になった設定なので、一応身分の壁が横たわっている事にはなりますが・・

 

キングダム596話ネタバレ雑学桓騎のような愚連隊は実際に秦軍にいたの?

 

キングダムと言えば、野盗の頭目出身の桓騎と彼の愚連隊、桓騎軍が目立ちますがあのような愚連隊は存在したのでしょうか?

答えは時期によっては存在したという事が出来ます。

時期によってとは、臨時に大兵力を動員する場合で秦簡にも魏奔命律(ぎほんめいりつ)というものがあり、内容は将軍が率いる軍に、

商人や宿屋、婿養子、后父と言った正規軍以外の人々を従軍させる内容です。

 

この制度は次第に前漢の時代には拡張されたようで、刑徒、悪少年(不良)まで従軍されるようになります。

 

受刑者や不良の中には野盗まがいの人もいた可能性もあるので、桓騎のような存在が臨時の大増員で秦兵として戦った事は

そんなに無理がある話ではないと思います。

ただ、そのような社会のはみ出し者達の士気は低く軍規は乱れる事になりました。

桓騎軍のような凶暴だけど戦闘力が高いみたいな元野盗の軍勢は実際にはなく根本的にはいないよりマシという

人数合わせだったのではないかと思います。

 

キングダム596話ネタバレ雑学 どんな兵科があったの?

 

キングダムと言えば、歩兵、弩兵、騎兵、戦車兵のような兵科が見られますが、それらはどの程度、史実に即しているのでしょうか?

リアルな秦の時代の兵科には、発弩薔夫(はつどしょうふ)(弩兵)、駕騶(がすう)(戦車兵)驀馬(ばくば)(騎兵)このような区分があり、彼らは材官からそれぞれ割り振りされて、

それぞれに必要な訓練を受けていたと書かれています。

 

いい加減に訓練をされても困るので、それぞれの兵科には時期によりテストがあり駕騶が立派に馬を操れないと盾を一枚、

罰として国に納める決まりがあったり発弩薔夫の矢の命中率が規定を下回ると鎧二両を国に納めるなど厳しいペナルティが課せられていました。

 

キングダム(春秋戦国時代)ライターkawausoの独り言

 

以上、キングダムの時代に本当に大将軍という地位はあったのか?と言う話から秦の時代のリアルな軍制、

桓騎のような野盗が軍に編入されたケースはあったのか?等々、リアルな秦の時代について書いてみました。

感想としては創作部分も多いですが、それも調べていないわけではなく、そのまま史実を前面に出すと読者には分かりにくくなるから

変えているという部分が多そうです。

 

前回記事:キングダム最新596話ネタバレ予想「朱海平原の戦い収集つくの?」

 

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