最近のキングダムの変化には良くも悪くも驚かされます。
この間までは、どんな手を使っても勝ちを優先する嫌な敵宣言をした趙峩龍が596話では藺相如の予言とやらに拘り、
むしろ信に斬られる事が中華の歴史を前進させる事だと思い定め、部下の制止を聞かずに飛信隊に接近しています。
これまで色々な敵キャラが登場しましたが、自殺願望があるようなキャラは趙峩龍が初めてではないでしょうか?
一体、趙峩龍を呪縛する藺相如の言葉とはどんなもので、それは今後の漫画の展開にいかなる影響を与えるのでしょう。
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この記事の目次
キングダム597話ネタバレ予想、藺相如とは?
藺相如はキングダムでは既に故人であり趙の旧三大天として回想に登場します。
廉頗とも親友であり、体が強いわけではありませんが底知れぬ智謀を持っていて配下に藺家十傑という優秀な配下を擁していました。
ところが、人生の絶頂期に藺相如は病により急死し、十傑も去ったり死んだりして残っているのが堯雲と趙峩龍という事であるようです。
史実の藺相如は底知れない度胸の持ち主であり、趙王家の宝であった和氏の壁を暴虐な秦の昭王の略奪から命を賭けて守り抜いています。
その後、昭王が恥を雪ごうと黽池で秦と趙の友好を祝う宴を開いた時も、藺相如は一歩も引かずに昭王を脅迫し遂に昭王は趙を辱めるのに失敗。
以後は、藺相如に苦手意識を持ち、趙に廉頗と藺相如がいる間は国境を侵す事はありませんでした。
キングダム597話ネタバレ予想、藺相如の予言とは?
キングダムの藺相如はその絶頂期に伝染病により急死します。
あまりに突然の死で藺家十傑は揃う事が出来ず、ただ趙峩龍と堯雲が臨終に間に合います。
藺相如に心酔していた二人は、藺相如の死後に後を追うと息巻いていましたが、その時に藺相如は昏睡から醒め、二人にこう告げたのです。
「夢を見た、お前達二人が、朱き地に勇ましく立ち、大いに敵を屠っておったわ」
趙峩龍と堯雲はこれを、時々藺相如がブチかます愚にもつかない冗談であり二人に殉死を思い止まらせる為の方便だと思っていました。
しかし、それから二十年、趙峩龍と堯雲は朱き地、つまり朱海平原で秦と激闘を繰り広げる事になります。
「我らが主は冗談で言ったのではなく、我らの死に場所は朱海平原であり、秦の侵略軍を撃退するように予言していたのだ」
趙峩龍と堯雲は、このように結論し朱海平原で死ぬつもりで秦を打ち砕くと決意するわけです。
キングダム597話ネタバレ予想 あれ予言と違うんじゃね?
藺相如の最期の命令に趙峩龍と堯雲は全身全霊で応えます。
ところが、目の前の飛信隊は二人が死力を尽くしても尽くしてもそれを乗り越えて、強くなっていくのです。
趙峩龍は藺相如の予言に疑問を持ちました。
「主の予言は秦を打ち砕きお前達も死に花を咲かせではないのではないか?」
そして、過去の記憶から藺相如がかつて中華について趙峩龍に聞かせていたその事を思い出したのです。
その詳しい内容については不明ですが、どうやら中華の統一に関する重要な提言であったようです。
趙峩龍の口ぶりでは、藺相如はすでに何十年も前に中華を統一する王が登場し五百年の戦乱に終わりが来ると察知していました。
そうだとすれば趙峩龍と堯雲の役割は、飛信隊に立ちはだかる試練になり、最後には若き獅子を未来に解き放つ生贄になれというものではないか
趙峩龍はそう解釈を変え、最早逃げる事はせず最後の一戦を飛信隊に仕掛けようと考えたのです。
古からの死臭漂う密室で幼な子が門を開く時、鎖で繋がれた若き獅子を未来に解き放つ為
己が自身はその傷を燃やし、然るのち残酷な死を迎えるであろう。
老師トンペティの予言
スピードワゴン「ううう・・こんな事残酷すぎる!オッサン・・ツェペリのオッサァァ--ーん!!」
このようにjojo第一部の双首竜の間におけるジョナサンvsタルカスの戦いで胴をチョンパされて犠牲になったウィル・A・ツェペリのように、
趙峩龍と堯雲は中華統一を成し遂げる若き獅子である信に斬られる事で古い時代を終わらせるつもりのようです。
キングダム597話ネタバレ予想 李牧を超える藺相如
中華統一のビジョンについては、今の所、秦王政や李斯のような限られた人間しか理解していません。
そりゃあそうでしょう、戦乱は彼らが生まれる前から連綿と続き、もはや戦乱が当たり前で平和など経験した事がないからです。
将来の見通しについては秦国一であった大商人の呂不韋も中華統一など白昼夢であり、それよりも経済を活発化させて、
七国がお互いを必要とするように仕向けて戦争を抑制すると回答し、李牧も賢明な七国の王が不戦条約を締結しこれを破った国に対しては
合従軍を組織して滅ぼす事で平和を維持しようとしました。
ただ、これらの方策は七国が同盟を未来永劫守ればという前提条件であり、一つの国でも破ってしまえば乱世に逆戻りする危険を持っていました。
だからこそ、秦王政は六国を制して中華を一つにし法によって中華を支配する構想を出してきたわけです。
少なくとも敵国でこの構想を支持しているのは、斉王建位でしょう。
そして、それを理解しているとなれば、それは敵である藺相如しかいないわけです。
これだけでも藺相如スゲーとなる話ではあります。
キングダム597話ネタバレ予想 悩み続ける李牧のジレンマ
趙峩龍や堯雲が藺相如の構想を受け入れて信に斬られれば李牧の動揺は激しくなります。
それは、李牧もまた秦王政に可能性を見出しつつも趙を裏切れないからです。
これは、趙のオフ王に対する忠誠ではなく、もう少し詳しく言うと廃嫡された太子嘉を見捨てられないからです。
李牧にとって信は、理解したくても理解するわけにはいかない矛盾の存在になり何としても秦を打ち砕く計略を立てていくでしょう。
中華の在り方に悩み続け、狂気に走る李牧が今後は描かれるかも知れません。
つまり、キングダムの内容にさらに深みが増すという事です。
キングダム(春秋戦国時代)ライターkawausoの独り言
以上、趙峩龍と堯雲を縛る藺相如の予言について深堀りしてみました。
李牧が矛盾に己を苛み、秦に対してより卑劣でえげつない策を繰り出せば、漫画としてはさらに面白くなる事でしょう。
前回記事:キングダム596話最新ネタバレ「趙峩龍本陣」レビュー
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