「連環の計を見破った以上、龐統よりも徐庶のほうが上じゃね?」という一人の高校生の暴言に答えよう

2019年4月19日


 

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袁紹と袁術は仲が悪い

 

いやはや、つまらないケンカをしてしまったものです。大人(おとな)になった今だから冷静になれることですが、言われた時はムッとしたものですよ。

何の話かというと、私がまだ高校生だった時の下校中。

 

ゆるキャラ龐統

 

三国志(さんごくし)好きの友人とおしゃべりをしていたら、ふいに、「赤壁の戦い(せきへきのたたかい)で、徐庶(じょしょ)龐統(ほうとう)の『連環の計(れんかんのけい)』を見破ったよな。

ということは、実は徐庶のほうが龐統よりも上ってことじゃね?」と、言われた時のことです。

 

そんなわけねーだろ!

と言い返してしまったのですが、確かに、言われてみれば、うまく反論できる根拠がない。

 

自称・皇帝
当記事は、
「龐統 徐庶」
「連環の計」
などのワードで検索する人にもオススメ♪

 

関連記事:もし徐庶が劉備軍に留まっていたら法正と北伐を行った【if三国志】

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監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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孔明>龐統>徐庶は「もはや常識」?

龐統

 

実をいうと、それまでの私は、別に龐統が好きでもなんでもなかったはずなのですが。

 

十代の心というものは、不思議なもので。

それまで好きでもなかった龐統のことを目の前でバカにされると、突然、弁護したくなってくる!

どういうわけだか、「前から龐統が好きだった」ような気になってくる!

 

という次第で、それ以降の私は、

テレビゲームで劉備を選んでも、軍師には孔明をつけず、敢えて龐統をつける人となったのでした。

 

なぜ意固地になるほど、悔しかったのでしょうか?

 

おそらく、私の頭の中では、

孔明 > 龐統 > 徐庶

という公式が「もはや常識」とまでに組みあがっていて、

その理論に挑戦されたような気になったのでしょう。

 

思い出すだに、しょうもない話。

 

ですがこの話、ここでは終わりません。高校生時代の私が読んでいたのは、吉川英治(よしかわえいじ)の小説や、横山光輝(よこやまみつてる)のマンガ。

 

羅漢中

 

今は、羅貫中(らかんちゅう)の『三国志演義(さんごくしえんぎ)』を読むようになっているのですが、このたびそちらの、演義のほうをよく読み返してみたら、突然、わかったことがあるのです。

 

『三国志演義』において、徐庶が龐統の策を見破ったのには、ある必然的な背景があったのです!

 

 

 

徐庶が龐統の策を見破った場面のおさらい

赤壁の戦い

 

前後の状況を、おさらいしてみましょう。赤壁の戦いが、佳境に入ろうとしている頃です。

 

呉蜀赤壁の戦い

 

孫権(そんけん)劉備(りゅうび)の連合軍は、曹操(そうそう)の大船団に火計を仕掛ける準備中。ここで、ひとつ問題がありました。曹操の大船団に火をつけたところで、舟にバラバラに逃げられてしまっては、大火事にすることはできません。

 

大船団をなんとか一箇所に集めて、互いをつなぎあわせて動けなくさせておきたい。

 

そこで龐統の登場です。彼はその時点では、すでに孫権・劉備軍に肩入れをしているものの、公的にはまだフリーランスの身。その立場を利用して、いわばコンサルタントのような肩書で曹操軍を訪問します。

 

曹操本人から「なにか我が軍にアドバイスがあれば、ぜひお願いしたい!」と歓迎された龐統。そこで、慣れない船上生活の影響で曹操軍に病人が多発していることを指摘し、解決案として、「舟どうしを数珠つなぎにして鉄の環を打ってつなぎ止め、風にも汐のみちひきにもビクともしないようにすれば、兵士たちの健康は回復しましょう」と提案します。

 

これは火計の成功率を上げるための計略なのですが、曹操はまんまとその提案を受け入れてしまうのです。これで安心と、帰り道についた龐統のところに、突然、一人の男の影が。

 

「肝のふといやつめ。その計略で、曹操軍を一人のこらず焼き殺すつもりだろう!

曹操はうまくいっぱい食わされたが、この俺はだまされんぞ!」

 

びっくり仰天する龐統。

「さて、この男はいったい誰でありましょうか? 次回をお楽しみに!」

と、この章は終わっています。

 

で、次の章になってから、声をかけてきた男は徐庶だった、ということがわかり、

「いやいや冗談!

私は騙されて曹操の部下にされてしまったのだが、龐統殿の計略を見破ったからといって、誰にも告げ口なんかしませんよ、ガハハ」

「いやいや、徐庶殿も人が悪い。ガハハ」

という、なごやかな雰囲気になるわけですが。

 

赤壁の戦い

 

 

徐庶が龐統の策を見破ったのは、羅貫中の「いつもの手」の都合だった

周瑜、孔明、劉備、曹操 それぞれの列伝・正史三国志

 

『三国志演義』の技巧として、各章の最後でちょっとした波乱を起こし、「さあどうなりますか、次回をお楽しみに!」と期待をもたせる手法がとられております。

 

おそらく、寄席のような場所での読み聞かせを想定しての配慮なのですが。

 

ハッキリ言いましょう、この羅漢中の「いつもの手」、次章の冒頭では「なんだ、そんなことか」とがっかりするような凡庸なオチになることが大半です。

 

ひどい例が、第五十四章。

劉備と孫夫人の婚礼が行われた夜、劉備が夫人の寝所へ案内されると、そこには槍や刀がびっしり。さては罠か!

劉備の命はいかに!

 

と煽っておいて、次章の冒頭で、老女が出てきて、「心配は無用です。奥様は小さいころから武術が好きで、このような部屋なのです。すぐ片づけます」

となります。

 

なんじゃそりゃ!となりますよね。もちろん、悪口ではなく、こういうどこかホノボノとした語り口も『三国志演義』の魅力なのですが。

 

 

 

結論:生き方上手という点では、徐庶>龐統>孔明かもしれない

剣を持って戦う徐庶

 

もう、おわかりですね。徐庶が一瞬だけ、龐統の計略を見破った必然性。

「読者を煽って次章につなげるため」の演出だったのです!

 

徐庶にかぎらず、羅漢中の演出上の都合で、一瞬だけ不自然に強くなったり、一瞬だけ不自然に悪者になったりするキャラクターが他にもいそうですね。ところで、龐統の計略を見破った後、徐庶は曹操に対して、「留守にしている都が心配ではありませんか?

 

私に三千人ほど兵をつけてください。殿の留守を固めておきましょう」

とかなんとか、うまいことを言って、戦線からうまく離脱しています。

 

十代の私は「ずるいな」と思ったのですが、大人になると、徐庶のこの処世術、よく理解できるようになる。私だって火攻めを食らうとわかっていたら、同じことをします。

 

この辺の「オトナなズルさ」は、龐統や孔明には、ないところかもしれません。

 

三国志ライターYASHIROの独り言

三国志ライター YASHIRO

 

ん、待てよ?

龐統は劉備軍に加わった最初の頃、退屈な仕事を割り与えられた際、昼間からお酒を飲んで悠々とさぼっていました。

手抜き名人の予感もあり。

 

もしかして「オトナなズルさ」という面からみると、

徐庶 > 龐統 > 孔明

だったりするのかも、、、!

 

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民間伝承の三国志

 

 

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YASHIRO

YASHIRO

とにかく小説を読むのが好き。吉川英治の三国志と、司馬遼太郎の戦国・幕末明治ものと、シュテファン・ツヴァイクの作品を読み耽っているうちに、青春を終えておりました。史実とフィクションのバランスが取れた歴史小説が一番の好みです。 好きな歴史人物: タレーラン(ナポレオンの外務大臣) 何か一言: 中国史だけでなく、広く世界史一般が好きなので、大きな世界史の流れの中での三国時代の魅力をわかりやすく、伝えていきたいと思います

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