予告しましたように、5月23日発売のヤングジャンプはキングダム休載です。
龐煖と信の対決は、5月30日に持ち越しという事になりました。
そして休載となれば、はじめての三国志名物休載スペシャルの出番です、今回は、キングダム世界の強さを左右する思いについて考えます。
すでにビジュアル面では強さのインフレが見えてきたキングダムで、目に見えない思いパワーによる勝敗の決し方が登場しているのです。
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この記事の目次
キングダム601話休載スペシャル バトル漫画での強さを表す難しさ
史実に多少縛られるという弱点はありますが、キングダムはバトル漫画です。
人間の槍や矛の一振りで数百の雑魚兵の首が飛ぶような事は史実ではありえない事ですがキングダムでは、龐煖、蒙武、王騎、汗明、廉頗、
その他、諸々のキャラクターが、なんとか無双かよ!と突っ込みたくなるような無双ぶりを発揮します。
さて、この強さというのは、漫画表現としては差をつけるのが難しいものです。
100%漫画表現なら、100メートルある大男という設定もありですが、キングダムでは、さすがに難しいだろうと思います。
そうなると、かたや筋肉ムキムキ男、かたや同程度の筋肉ムキムキ男を描いてどちらの力量が上かを絵で明確に伝えるのは難しいのです。
キングダム601話休載スペシャル 歴代人気漫画の強さの表現
かつてドラゴンボールは、キャラクターの強さを戦闘力という数値に変換してスカウターで測れるという画期的なアイデアを提示しました。
しかし、それから数年で戦闘力1億などという強さのインフレ化を起こし、スカウターは無意味になり廃れるという流れを引き起こしています。
数値化と言えば、キン肉マンもそうで、あちらも1億パワーという大雑把な力の数値化が出てきますが、数値が小さいと素早くなるなど
必ずしも数値が大きい事が勝利条件ではないという伏線も張られています。
もう一つの力の数値は、聖闘士星矢に代表されるコスモでしょう。
元々、聖闘士星矢では、最も力が弱いブロンズ聖闘士が最高位のゴールド聖闘士に挑む筋立てなので本来の力とは別に、
人間の思いの強さが元になっているコスモ(小宇宙)という力が勝敗に決定的な影響を及ぼします。
キングダムの場合には、素の強さ、つまり筋肉量や戦慣れによる強さとは別に思いによる強さ補正が時々入る事があり、
これが漫画の展開に大どんでん返しを起こしているようなのです。
キングダム601話休載スペシャル 龐煖が胡漸に刺されたのも思いパワー
キングダムの漫画世界を貫く「思いパワー」が決定的な作用を及ぼしたのは、蒙恬のジィである胡漸が
龐煖の右足を剣で刺し貫いた場面に象徴されます。
特に豪傑でもなく、それ以前に龐煖に吹き飛ばされて重傷を負っていた胡漸が半死半生の状態で簡単に龐煖の背後に近づけた上に、
鋼のような筋肉を持つ龐煖の右足を簡単に貫通させてしまったのは、龐煖が弱っていたのではなく、胡漸の思いパワーが
一時、龐煖の素のパワーを完全に凌駕したから起きたのだと考える事も出来ます。
胡漸の場合には、蒙恬に対する深い愛が龐煖の武への執着を越えてしまい、誰も予想だにしなかった大きな武勲に繋がりました。
キングダム601話休載スペシャル壁がロゾを討ったのも思いパワー
少し前ですが、橑陽で犬戎王ロゾを討ち取った壁も、
「兵糧を焼かれたチョンボを責めないでいてくれた楊端和に手柄で報いたい」
という強烈な思いをずーっと持っていた事が、明らかに技量差があるロゾを討ち取るのに決定的な役割を果たしたと言えます。
あの時点では、ただの壁将軍ageのご都合主義だと思っていましたが、実はキングダム的思いパワーの爆発による力の勝利だったのです。
客観的に見てみても、①意識朦朧の中での一撃、②敵が背後からの攻撃に気づかないなど、
胡漸と壁の攻撃のやり方には共通点が多いように思います。
キングダム601話休載スペシャル 思いパワーで空腹も疲労も忘れる
キングダムに登場するキャラクターは、素の強さに関係なく思いパワーを持ちます。
それが端的に表れたのが、食料が尽きてしまった段階で飛信隊と玉鳳隊に強力な力を与えた檄に現れていると言えます。
キングダムの世界における最強のパワーである思いパワーは、個人だけではなく、言葉や行動を通して他人にも伝播していくわけです。
そして、思いパワーが持続している間は兵士は空腹も疲労も忘れるのです。
これはあたかも、ジョジョの第二部でヘルクライムピラーの試練に挑むジョセフ・ジョースターが、常に生命エネルギーである波紋を
体に帯びている状態である為に何日間も柱に上り続けているのに、空腹を感じなかったのに似ています。
キングダム601話休載スペシャル 思いパワーは味方だけじゃない
このように思いパワーは、素のパワーに劣るキャラクターに一発逆転のチャンスを与えるものです。
しかし、早合点してはいけないのが、思いパワーは味方にばかり作用するわけではありません。
今後、(現在もですが)秦は、魏や韓や燕や楚に一方的に侵略していくので、秦の横暴に対して許せないという「思いパワー」を持つ敵キャラも
当然存在するし、登場してくるわけです。
この場合、素の力量としては信に劣っていても、思いパワーによって信の力を凌駕して戦いをひっくり返すという展開もありそうです。
例えば、信が全滅に近い大敗を喫する楚の項燕がそのような強力な思いパワーを持つ将軍であり、さらにそれを全軍に伝播できる人物なら
史実と漫画を融合させるストーリーも描けるでしょう。
その場面では、敵の思いパワーの前に主人公が思わぬ大敗北を喫するという逆転ストーリーが展開されるわけです。
キングダム(春秋戦国時代)ライターkawausoの独り言
今回はキングダムの世界を貫く、思いパワーについて考えてみました。
キングダムも、いかにも強いキャラの表現は汗明あたりで出尽くしてしまい、ここからは、見た目だけではない強さの表現を考えないといけなくなり、
そこから思いパワーというものが登場したのではないかと推測します。
今後は、見た目だけの強さではなく、思いがいかに強いのかが、勝敗に影響を与える描写が増えてくるのではないでしょうか?
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