特別展 三国志が開催!海外初となる出土品の展示や期間は?

2019年6月15日


 

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関羽の青銅像

 

日中国交正常化から40年。

 

ついに日本で三国志をテーマにした特別展が開催されます。展示には海外初となる遺跡や中国の一級文物に指定されている装飾品も公開。期間や開催場所、見どころをさらりと紹介していきます。

 

 

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監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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東京と福岡の2拠点で公開予定

 

最初に公開されるのは東京・上野にある「東京国立博物館(とうきょうこくりつはくぶつかん
)
」です。JR上野駅の公園口から歩いて10分ほど。緑が生い茂り、国立西洋美術館や国立科学博物館もある東京の芸術エリアです。期間は2019年7月9日から9月16日まで。夏休みにぴったりの開催です。

 

 

 

 

次は場所を福岡の太宰府に移して開催。アクセスは西鉄「太宰府駅」から歩いて10分ほどです。菅原道真が祀られている太宰府天満宮に隣接しているので参拝がてらに寄るのもいいでしょう。

 

福岡での開催期間は2019年10月1日から2020年1月5日。初詣の帰りに特別展・三国志を味わえば日本と中国のつながりが見えてくるかもしれません。

 

 

 

海外初となる魏国の出土品とは?

曹操の墓

 

2009年に中国の河南省(かなんしょう)で出土した曹操(そうそう)のお墓。正式には「曹操高陵」と呼ばれています。「陵」はお墓を表し、日本でも仁徳天皇陵など偉い人のお墓には「陵」の字がよく使われます。

 

 

曹操のお墓(曹操高陵)

 

その出土品の一つに石牌の「魏武王常所用挌虎大戟」が展示予定。どこがレアなのかというと曹操を具体的に示す「魏武」という言葉が刻まれているからです。曹操といえば魏の親玉です。その魏の武王というのは曹操の異名。

 

 

死期を悟る曹操

 

曹操は皇帝にはならなかったので、武王という地位で留まっています。長生きしていれば、「武帝」になったかもしれません。

 

 

曹操と虎豹騎

 

また、後ろから三文字目に「虎」という字が刻まれています。虎や狼は中国で狂暴とされる動物、その虎をも倒す武器ということが書かれた石碑なのです。

 

曹操や許褚、荀彧の悪口を言う禰衡

 

博物館で見るとこうした出土品は、ちっぽけに見えるかもしれません。しかし、土の中から出土した瞬間を想像してみてください。地面の下から1800年前の人物にまつわるお宝が出てくるのです。

 

 

曹操と機密保持

 

しかも、誰もが知る三国志の曹操。実にロマンのある話ではないでしょうか。

 

 

 

白磁の罐も海外初公開

 

白磁とは壺に塗られる仕上げの一種です。罐は耳のような小さな持ち手が4つある壺を指します。

 

曹操のお墓(河南省)から「(かま)」が出土したとき、塗料には白化粧が施され、「透明釉」が使われていました。曹操の生きた三国時代は西暦200年前後、それまで白磁で仕上げられた罐は西暦600年頃のものと考えられていました。

 

つまり、三国時代の白磁で仕上げられた罐が出土したことは、中国の白磁文化が予想より400年以上も前から始まっていたことを表します。こうしたバックボーンを頭に入れて鑑賞すると見方も変わってくるでしょう

 

白磁の罐の写真をご覧頂きたい方は、公式サイト「特別展 三国志

 

 

金粒細工の装飾品とは?

皇帝に就任した曹丕

 

安徽省(あんきしょう
)
で発掘されたものに「金製獣文帯金具(きんせいじゅうもんおびかなぐ)」があります。後漢時代のもので、後に()(三国時代)の初代皇帝となる曹丕(そうひ)も憧れた一品です。

 

老荘思想(ろうそうしそう)

 

しかしながら、腕のある職人がおらず魏ができた頃には技術的に不可能だったとのこと。三国時代にも伝統工芸の職人がいなくなるという問題が発生していたのです。

 

素人が見ても豪華だと分かる金製獣文帯金具には、金色の金具をベースに貴重な石が散りばめられています。また、彫刻も見事で「瑞獣(ずいじゅう
)
」と呼ばれる中国の霊獣が彫られ、フォトジェニックな出土品の一つです。

 

呉の孫堅

 

 

安徽省の出土なので、もしかしたら、()孫堅(そんけん)か曹操あたりが目にしていたかもしれません。

 

 

三国志ライター上海くじらの独り言

三国志ライター 上海くじら

 

特別展三国志の開催場所や期間、みどころをかいつまんで紹介しました。

 

 

李儒と三国志

 

他にも中国の後漢時代から三国時代を紹介した構成になっているので、三国志になじみの薄い読者でも楽しめるように工夫されています。また、特別展三国志のホームページではゲーム「真・三国無双」のキャラクターも登場、NHKでは特別番組も2019年4月に放映されました。

 

さらに外務省や中国国家文物局も加わり、特別展三国志は官民挙げての催し物となっています。

 

参考:公式サイト「特別展 三国志」

 

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上海くじら

上海くじら

三国志との出会いは高校生の頃に読んだマンガの三国志。 上海留学中に『三国志演義』の原文を読む。 また、偶然出会った中国人と曹操について語り合ったことも……。 もちろんゲームの三国無双も大好きです。 好きな歴史人物: 曹操、クリストファー・コロンブス 何か一言: 覇道を以って中原を制す

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