今回の鄴攻めで一番目立たない存在と言えば桓騎です。
鄴攻めの三日目に王翦が九城の住民を鄴城に流し込んで兵糧攻めを決断してよりここまで十二日間、飽きる事なく鄴城を包囲し続けています。
しかし、王翦が特別な配慮をしていない限り、桓騎軍だって兵糧は尽きて三日間は経過している筈です。
野盗の集まりの桓騎軍は、何故、暴発しないのでしょうか?
キングダムファン向け:キングダムに関する全記事一覧
関連記事:キングダム最新614話ネタバレ予想「李牧の秘策が判明!」
関連記事:キングダム最新613話ネタバレ「必勝戦略」レビュー考察
桓騎軍が崩壊しない理由
桓騎軍というのは、そもそもお頭である桓騎のカリスマだけで団結しているのではありません。
では、何かと言えば、桓騎についていけば美味しい思いが出来て戦利品に預かれるというメリットがあるからです。
これはキングダムだけではなく、史実でも散見されます。
例えば陳勝呉広の乱の末期に、陳勝と同じく乱を指導した仮王呉広は驕慢で兵法も権謀術数も知らないポンコツだったので
こいつを上に担いでいると禍が起きると考えた部下の田臧が陳勝の命令と偽り呉広を誅殺してしまっています。
反乱軍は、一応は張楚王陳勝の指揮下にある形でしたが、実際は利益だけで繋がる野盗のようなものであり、
メリットがないと分ればすぐにボスを殺してしまっていました。
桓騎にしたって、陳勝や呉広と変わる所はありません。しくじったら、部下は何のためらいも持たずに桓騎を裏切るでしょう。
では、どうして、絶食状態で三日間も桓騎の兵士は黙って耐えているのか?
恐らく桓騎は鄴が陥落したら、略奪虐殺し放題を部下に約束しているのだと思います。
そんな事をすれば、鄴の民衆に相当な恨みを受けるでしょうが、桓騎からすれば
じゃあ、略奪を許さずに軍を崩壊させ鄴を解放した方がいいのか?という理屈になります。
現実主義者である王翦は、桓騎の言い分を飲み不問に付すでしょう。
いずれにせよ、絶食三日でも桓騎の兵が逃げ出さないのは、それ相応の血も凍る契約を桓騎とかわしているからだと推測します。
桓騎軍は逆包囲されているのか?
キングダムの予想の中には、桓騎軍は鄴を包囲しているが、その外側をさらに趙軍に包囲されているというものがあります。
なるほど、それも一理あり、だからこそ、逃げようがない桓騎軍は、鄴の包囲を解く事も逃げる事も出来ないという状況を上手く説明できます。
しかし、疑問に思うのは、趙に桓騎軍を包囲できるほどの戦力があるなら鄴城と呼応して桓騎軍を挟撃してしまった方が楽という事です。
食糧が尽きている桓騎軍なら、それほどの苦労なく殲滅できますし、そうなれば、あっというまに鄴は開放され王翦の敗北が決定するからです。
今回の戦いの最終目標は鄴を得る事なので、朱海平原の戦いがどう推移しても鄴が得られないなら王翦の敗北です。
いかに被害を回避する為とはいえ、桓騎軍を殲滅すれば鄴は開放できて食糧問題も解決できるのですから、李牧ならためらいなくやるでしょう。
それと、もう一つ、桓騎の軍勢をさらに趙軍が包囲しているなら、李牧が急いで鄴の救援に向かう必要はないわけです。
これがkawausoが、桓騎軍が趙兵によりさらに包囲されている説に持っている疑問です。
残虐行為こそ桓騎没落の伏線
鄴における残虐行為については、史書にはありませんが、やはり、桓騎の没落を印象付ける伏線として、それは挿入されるでしょう。
また、そのアクションは持ち上げて落とすという過程でなされそうです。
つまり、兵糧不足で苦しむ鄴の避難民が「王翦の軍勢ならば、自分達に危害を加えないに違いない」と鄴城主、趙李白に訴え
民を抑える事が難しくなった李白は無血開城を決断します。
ところが、城門が開いた瞬間に桓騎は、全軍突撃を命じてしまい、鄴城は阿鼻叫喚の地獄絵図になってしまうという流れです。
ここでは、王翦に保護され危害を加えられる事がなかったという安心感と、それを待ち受けていた桓騎軍は
最高にビッチな野盗の群れだったという絶望感に挟まれる事で、桓騎の悪事が際立つ事になります。
そして、この時の常軌を逸した残虐行為が趙の人々の桓騎への憎悪を決定づけ、後に桓騎が李牧に敗れるきっかけとして作用するかと思います。
【次のページに続きます】