広告

キングダム最新614話ネタバレ予想vol3「秦は戦争を辞めたから滅亡した?」

2019年9月11日


監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


【誤植・誤字脱字の報告】 バナー 誤字脱字 報告 330 x 100



【レポート・論文で引用する場合の留意事項】 はじめての三国志レポート引用について



秦が滅亡した理由:人民が出世できなくなった

 

秦の旗を掲げる兵士

 

ところが、それも紀元前221年に秦が中国を統一すると人民の出世チャンスも消えてしまう事になります。

それでも秦の人民は、生まれた時からそうなので、我慢できたかも知れません。

ですが、秦は征服した六国に同じように什伍の制を適用したのです。

六国の旧人民は、住み慣れた土地から引き離され、赤の他人の家と伍を組まされた上に、15歳以上の男子には兵役の義務が課せられました。

蒙恬

 

これにより秦の兵力は500万人まで膨張しましたが、その後の秦は、オルドス地方で蒙恬(もうてん)に匈奴を追い払わせた以外に、大きな戦争がありませんでした。

つまり、秦に征服された六国の人民には戦争で褒美を得る機会もなく、赤の他人と伍を組まされてお互いを監視する苦痛と

慣れない秦の法律への絶対服従だけが求められたのです。

法家のメリットは信賞必罰(しんしょうひつばつ)の明確化ですが、賞を与える戦争の機会が失われた事で、それは過酷で厳しいだけの統治方法になりました。

 

—熱き『キングダム』の原点がココに—

春秋戦国時代

 

キングダム614話ネタバレ雑学「統一後秦の存在意義は消えた」

 

始皇帝は、晩年に不老不死の妄想に取りつかれたと言われています。

しかし、それは、個人的に死にたくないという感情ではなく、自分が死ぬ事で秦が崩壊するという危機意識だったかも知れません。

 

秦帝国には次の漢や以前の周に比較して致命的な弱点がありました。それは、権力は持っていても権威は持っていないという事です。

言い換えると、秦は暴力で人民を従わす事は出来ても、神聖さや統治の正統性に決定的に欠けているのです。

毘沙門天(神)

 

周にしても漢にしても、天という概念の下で、天に選ばれた天子が万民を公正に治めるという統治の正統性を持っていました。

ところが秦は、「中華統一は古の五帝の業績に勝り、三皇と同列」という家臣の意見を採用して

秦王政が始皇帝と名乗り始めたように、自分の統治を正当化する権威を持っていませんでした。

つまり天=始皇帝であり、誰も正当性を与えてくれないのです。

 

劉邦時代の農民

 

権威がないなら、ひたすらに権力で人民を抑えつけるしかありません。

それでは人民の不満は溜まる一方ですが、もはや中華が統一されたのでガス抜きの為の戦争の恩賞も出す事が出来ません。

中華を統一するという目的で仕組まれた法家の統治システムは、こうして、統一が実現した瞬間に軋みを生じたのです。

病に倒れる始皇帝

 

それでも始皇帝が生きている間は、その恐怖のヴィジョンが六国の人民を縛り、暴発の安全弁として機能していました。

ところが、紀元前210年、始皇帝が巡幸の途中で崩御すると、ひたすら暴力で抑えつける秦の統治モデルは無効になります。

 

キングダム(春秋戦国時代)ライターkawausoの独り言

 

秦は中華統一の為に産み出された国家であると言えます。

そのために、中央集権化を徹底的に推し進めて全ての権力が王に集中させ、15歳以上の男子すべてに兵役を課し100万の大軍を維持しました。

厳しい統治でしたが、信賞必罰の方針は下僕からでも大将軍を目指せる活気ある社会を生み出し、秦が六国を滅ぼす原動力になりました。

 

しかし、統一後には、その厳しすぎるだけの法家の制度が六国の不満を煽り、

恐怖の対象として安全弁になっていた始皇帝が死ぬと、帝国そのものが崩壊する事になったのです。

法家の思想では、中華を統一するまでは可能でも統一を維持する力を持つ事は出来なかったのです。

 

参考文献:始皇帝中華統一の思想 キングダムで解く中国大陸の謎

 

次回記事:キングダム最新614話ネタバレ予想vol4「どうして楚は秦を滅ぼせたの?」

 

キングダムファン向け:キングダムに関する全記事一覧

関連記事:キングダム613話ネタバレ予想「意外!あの名場面は史実だった」

関連記事:キングダム最新613話ネタバレ予想「龐煖死ぬ理由生きる理由」

 

キングダムを100倍楽しむ

 

 

 

  • この記事を書いた人
  • 最新記事
kawauso編集長

kawauso編集長

kawauso編集長です。 はじ三の中の人です。 様々なトピックを立てますが 盛り上がらない時には ごめんね。 大体、咬まないので 気軽にからんでもらえると 嬉しいです。

-キングダムのネタバレ考察
-, , ,