キングダム「意外!あの名場面は史実だった」

2019年9月2日


 

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大人気春秋戦国時代漫画キングダム、最新612話では龐煖(ほうけん)が再登場して、いよいよ信との直接対決に向かっています。

 

騎馬兵にあこがれる歩兵

 

さて、キングダムと言えば史実に則った部分と漫画的に誇張した虚構(きょこう)やオーバーな表現が入り乱れています。

それは、漫画的にはやむを得ない部分もありますが、逆に「これは嘘だろう」という表現が本当だったりするのです。

今回は知っていれば、キングダム仲間に自慢できる「嘘みたいな本当の話」を紹介します。

 

※この記事は、始皇帝中華統一の思想、キングダムで解く中国大陸の謎を参照して書いています。

 

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監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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キングダム613話ネタバレ雑学1:蕞防衛編の龐煖と信の馬の体当たりは事実

ホウ煖(龐煖)

 

キングダムの単行本の32巻では、李牧(りぼく)函谷関(かんこくかん)迂回(うかい)して、咸陽(かんよう)に通じる(さい)を攻略しようと大軍で包囲する絶体絶命が描かれます。

秦王政は、咸陽から抜け出して蕞の住民を鼓舞し戦いの先頭に立ち趙の攻撃を七日間耐えしのぎますが、最終日の七日目に龐煖が登場します。

これに対し、六日目に政の援軍に駆け付けた信が龐煖に立ち向かいますが、信の馬は龐煖の馬に体当たりして倒し龐煖を地につける事になります。

いかにも漫画的テイストが溢れるこのシーンは実は史実のようなのです。

 



キングダムネタバレ雑学:秦は突撃戦法を編み出す

 

漫画では、戦国七雄がそれぞれ騎兵を率いていて、馬に体格差はないように見えます。

しかし、上図を参照してもらうと明らかなように秦の兵馬俑(へいばよう)の馬と、その次の時代である漢の時代の馬では体格に明らかな差があります。

漢の時代の馬が、胸が発達し首も逞しく反り、尻尾も立っていて足も長くていかにも速そうなのに比較して、

兵馬俑の秦の馬は、足が短く首もストレートで、尻尾も垂れていてずんぐりしています。

性格も大人しそうで、お世辞にも速い感じではありません。

漢帝国の宿敵で匈奴の名君(匈奴族)

 

趙は、国境である雁門(がんもん)匈奴(きょうど)と交戦していた関係から匈奴が使っていた脚の速い馬を多く獲得していました。

逆に秦では、中国の在来馬である兵馬俑のような馬が主力でした。

そこで秦が編み出したのは、騎兵と馬に軽めの鎧を着せ馬にも闘犬のように戦闘法を教え込んだ突撃戦法でした。

軽装でヒット&アウェイを繰り返すスマートな趙の胡服騎射に対して、秦の騎兵は人馬とも肉弾になって突撃して敵を踏み殺したのです。

騎兵を率いる夏侯尚

 

朱海平原でも、亜光軍が先に突撃した騎兵を後続の騎兵が踏み殺して前進するシーンがありましたが、

味方を踏み殺したかどうかは不明としても騎兵が肉弾となって突撃する方法はあったようです。

秦は法家思想が徹底した信賞必罰の実力社会だったので、兵士は上昇志向に溢れて勇猛果敢であり、

欲望で恐怖を押し殺しバーサーカーのように戦っていたのです。

 

キングダムネタバレ考察

 

キングダムネタバレ雑学2:残虐行為は桓騎だけではなかった!

桓騎

 

キングダムのダークヒーローと言えば、桓騎(かんき)です。

彼の軍勢は、元野盗であり、放火、暴行、虐殺(ぎゃくさつ)、強盗、戦場のあらゆる悪徳を喜んで実践する恐るべき存在です。

 

歴代皇帝の墓を暴こうとする韓遂の兵士

 

桓騎の軍団に限らず、魏の高狼城(こうろうじょう)陥落に乗じて暴行と殺戮(さつりく)をして、逆上した信に重傷を負わされた秦の千人将乱銅(らんどう)のようなキャラもいました。

これらの事は史実でもあった事なのですが、そればかりではなく、「始皇帝中華統一の思想、キングダムで解く中国大陸の謎」の著者・渡邊義浩わたなべよしひろ)氏によると秦の兵士は国外だけではなく、国内でも暴行と殺戮行為をしていたようです。

司馬遷(しばせん)

 

つまり漫画よりもヒドイという事なのですが、渡邊氏によると秦では軍功を立てた兵に領地や爵位を与えていて、それらの成り上がりの軍功地主の中には、秦の天下統一後に官僚として中国各県に派遣され、そこで戦場の論理そのままの残虐行為を行った者がいたようです。

 

前漢の時代に史記を書いた司馬遷(しばせん)によると、范陽(はんよう)という土地では

三国志のモブ 反乱

 

「人の父を殺し、人の子を孤児にし、人の足を断ち、人の顔に黥する事数え切れないほど」と記録されているとか、、

 

司馬遷は、秦を倒して王朝を建国した漢の官僚なので、秦の時代の事は、意図的に悪く書かれている可能性を差し引く必要はあるものの火の無い所に煙は立たないであり、実際に、こんな傍若無人で凶暴な軍功地主の官僚のせいで、秦の崩壊が早まった可能性もあるようです。

 

キングダムネタバレ雑学3:楚はマジで超大国だった

キングダム 戦国七雄地図

 

キングダムの合従軍編では、主導的な役割を果たしたのが()です。

 

楚の旗と兵士

 

現在の湖南省と湖北省を中心とした土地に存在し、(えつ)()といったライバルを力で滅ぼして、六国を合わせたのと同じ位の領域を持ちます。

 

楚と言えば、合従軍編の23巻で南部虎弾(なんぶとらた)のような髪型でお馴染みの臨武君(りんぶくん)「大国楚で将軍になる事がどれほどの事か貴様らは理解(わか)っておらぬ」とアジり、そもそも楚は人口が多いから将軍になるまでには大勢のライバルを倒さないといけないだから、将軍の数は同じでも質が違うと主張していました。

 

残念ながら臨武君は(とう)に瞬殺されましたが、臨武君のアジテーション自体は漫画的な誇張ではなく、実際に楚は一国で秦と対決できる実力を有した国でした。

では、どうして楚は秦に敗れたのか?

 

それは、楚には古くからの封建制が色濃く残っていて、権力が1000名を超える王族に分散され、一丸になって秦に立ち向かえなかったからです。

呉起(ごき)

 

楚にも兵法家の呉起(ごき)がいて、秦のような法家思想で政治を改革して中央集権を実現しようとしますが、志半ばで政敵に敗れてしまいました。もし、呉起の改革が成功していれば、秦王政が出てくる150年以上前に楚による中華統一が達成されていたかも知れません。

 

キングダム(春秋戦国時代)ライターkawausoの独り言

 

キングダムには、虚構も誇張もありますが、一見して虚構に見える所に真実が描かれているなど、春秋戦国時代についてかなり調べていると始皇帝中華統一の思想、キングダムで解く中国大陸の謎の著者、渡邊義浩氏が書いています。

 

なかなかタメになるウンチクが書かれているので、皆さんも興味がありましたら、買って読んでみてはいかがですか?

 

参考文献:始皇帝中華統一の思想、キングダムで解く中国大陸の謎

 

次回記事:キングダム613話ネタバレ予想vol2「騰が沢山いれば秦は滅亡を免れた?」

 

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