大人気春秋戦国時代漫画キングダム、現在は614話で李牧がまたワープを使ったと色々と物議を醸していますが、
それはさておき、この記事では雑学を扱います。
鄴を一目みて、これは力攻めでは落とせないと直感した王翦は、周辺の九城を落としそこの住民が鄴に逃げるように誘導し兵糧攻めに転じました。
私達はすんなりと受け入れていますが、実は、これこそが秦と趙の国家体制の違いを端的に示すものだったのです。
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この記事の目次
キングダム615話ネタバレ予想vol3「趙季伯が住民を受け入れた理由」
では、どうして鄴の城主が九城の住民を受け入れたのでしょうか?
趙季伯が情け深い人物だから?もちろんそれもあるでしょうが、もっと経済的な理由があります。
それは、九城の住民は趙季伯が直接支配して徴税している住民だからです。
キングダムの趙季伯のセリフでもこうあります。
「何をバカな、民こそ国の礎、秦軍はまだ迫っておらぬギリギリまで門を開いて難民を助けよ」
趙では、秦ほどには中央分権が進んでいませんでした。
キングダムの趙季伯の姿を見ると、彼は王族であり悼襄王の伯父か何かでしょう。
彼は領地を与えられ、そこから直接に税を徴収し兵を編成していました。
趙季伯にとって、鄴周辺の住民は富を生んでくれる金の卵であり、見捨てるという選択肢は選べなかったのです。
王翦は、そこまで見越して九城の避難民を鄴に追い立てたという事ですが残念ながらこれは史実ではなく、
史記では王翦が九城を攻略したとあるだけで避難民を鄴に送り込んだという記述はありません。
キングダム615話ネタバレ予想vol3「同じ事は秦では起きない」
しかし、同じ事は同時代の秦では起きません。
その時代の秦では県制が施行されていて、各地のエリアは官僚が統治していました。
彼らの仕事は王の命令に従って内政をする事であり、給与も王から受けており統治しているエリアからは出ていません。
避難民が県に押し寄せても、彼らを保護するという選択肢は取りづらいのです。
もちろん、王から避難民を保護するようにという命令が出れば別ですが、そうでない限り、なかなか趙李伯と同じ行動はとれないでしょう。
独断で保護した場合、責めを負うリスクがあり特にメリットはないからです。
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