大人気春秋戦国時代漫画キングダム、ずーっと龐煖の小難しい求道について書いてきて飽きたので久しぶりの雑学です。今回は、リアルなキングダムの時代、信はどんな間取りの家に住んでいたのかを解説してみます。五百年の春秋戦国時代、この時代の人々はどんな間取りの家に住んでいたのでしょう?そして、当時の人々は食卓ではなくベットの上で飯を食べていたという衝撃の話をします。
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この記事の目次
信が住んでいたのは伝統的な一堂二内
キングダムの時代を途中に含む、商から漢の時代にかけての1700年間に掛けて一般的な住宅は一堂二内型と言われています。前漢「漢書」晁錯伝によると「古くの移民は家を造る時、各家に一堂二内を作っていた」と記述されています。これによると晁錯は移民たちに一堂二内型の住宅を大量に建設しようと提唱し、ほぼ一家に一軒が建てられたそうです。
また、孔子「礼記」問喪の「門に入っても同に上っても、さらに室に入っても、あの人はどこにもいない」という文言や論語、先進の「由は堂に上り、室に入らず」と出てきます。その一堂二内型は、こちらのイラストの通りで、堂と室に空間分化が行われ、南面に壁を持たない堂では儀式や接客が行われ内である室は寝室に使われていました。堂には南側に壁がないので、 帷帳(カーテン)を使っていました。
なんとベットの上で飯を食べていた
このタイプの家だと考えると信の家は、堂に人を招ねき、夜になると二つある部屋で信と河了貂で分かれて寝ていたのでしょう。今風に考えると、2Dkの間取りになるでしょうか?ただ伝統的な中国家屋は、土間なのでそのまま床の上に食事を置く事はありません。大抵は膳の上に食器を載せていましたが、当時はソファとベットが未分化だったので、床と呼ばれるベットの上で食事を取る事もありました。
例えば、国士無双で知られる韓信は人の居候をしている時、食事で差をつけられた上に、家の奥さんが寝床で飯を食べているのを見て憤慨し、家を出て行った事が史記に記録されています。私達から見ると、寝床で飯を食うなんて横柄な感じがしますが、ベットとソファの概念が分離していない当時は、それは普通にあった事でした。なので、キングダムの時代もベットの上で食事をしていたかも知れません。
信が住んでいたのは一明両暗型かも
一方、数は少ないものの、当時の住宅は一明両暗型というタイプと解釈しているものもあります。伊藤忠太著「東洋建築の研究」のシナ建築史においては、周から春秋戦国時代の典型的な住宅は、「正面を三間に分けて、中央を入り口として戸を備え、左右に窓を置いたとされています。このような場合には、中央の部屋が堂にあたり応接室で、左右の部屋に扉を通じて移動し、それぞれの部屋に窓がある構造です。現在の間取りだと2LDKです。
一明両暗型のメリットは、一堂二内に比べて、左右の部屋に窓を開けてあるので採光の面では優れている事がありますね。
五千人将なら、これくらいの住宅では?
逆に、リアルに五千人将の信の地位なら、上記のように貴族が住むような大きな屋敷に住むのが当たり前だったかも知れません。こちらの建物は、①北堂、②東房、③西房、④堂深四雉 ⑤室雉、⑥南北七雉、⑦東西四雉に別れていて、かなり大きい事がわかります。
部屋数は格段に多くなり、おそらく使用人を置かないと管理しづらかったと思います。
王騎や王翦の城塞の中の屋敷も、こんな間取りになっていたか、もっと多くの部屋を持つ複雑なモノだったかも知れません。
でも、リアルには兎も角、漫画では信は出世しても大きな邸宅に住まずに今までの家が少し広くなるだけで終りのような気がします。だって、大勢の召使いに傅かれる信ってハングリー精神の欠片も見えないでしょう。
椅子とテーブルの生活普及で一明両暗型の住宅に
実際には、一堂二内型と一明暗型の二つの建築様式がキングダムの時代には併存していたそうです。元々は、丸型の堅穴式住居が一堂二内型になり、四角型の堅穴式住居が一明暗型に変化したようですが、宋の時代以後、中国が椅子と机の生活になると家具が多くなり、堂のスペースが狭くなった事で、一堂二内型は廃れていき、入り口を増やす事で一明暗型の住宅が増えていきました。
外壁はハマグリを焼いた粉で白くする
キングダムの時代、住宅は捨てる程ある土を利用した土壁に囲まれていました。
工法は版築と言い、型枠の中に土を山盛り入れて、それを足で踏み固めて造りますが、これは城壁も万里の長城も同じ方法で制作されていました。中国の土である黄砂は粒子が細かいので、踏めば踏むほど堅くなる性質があるのです。しかし、壁の色がそのまま黄色では、やはり味気ないので、ハマグリの貝殻を焼いて粉にしたものを土壁に塗っていました。これは白く見栄えが良かったので、石灰が登場するまでは土壁を飾る材料になります。キングダムに登場する建物の壁が白いのは、ハマグリの貝を焼いて作った灰を塗りこめているからなのです。
キングダム(春秋戦国時代)ライターkawausoの独り言
今回は、漫画には度々登場しつつも、よく分からないキングダムの時代の家の間取りや外壁が白い秘密について書いてみました。もしかすると漫画キングダムにも間取りなどは、こっそり採用されているかも知れないので、色々見てみるもの楽しいですね。
参考文献:中国における一明両暗型住宅の成立過程について
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