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キングダム649話雑学「趙が滅ぶのは魏のせいが60%!根拠は?」


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趙が滅ぶのは魏のせいが60%(1P目)

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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キングダム649話雑学「趙の長城を迂回せず楊端和が邯鄲を包囲」

万里の長城

 

趙の王都である邯鄲には、趙の長城が半円形に築かれていました。

 

その為、秦は紀元前236年に鄴を陥落させても、背後の魏の襲撃を恐れねばならず、長城を越えて邯鄲を攻める事が不可能であり、紀元前230年以前は、邯鄲を攻めるには、太行山脈を越えて、北方から迂回するしかありませんでした。

 

李牧が、兵力を集めるように言っていた番吾というのは、太行山脈の出口であり、ここを通せんぼされると、邯鄲を攻めるのは不可能です。

楊端和

 

しかし、紀元前230年には、魏の勢力は大きく後退し、秦の背後を狙うのは難しくなっていて、秦は太行山脈を迂回せずに、そのまま長城を通過して邯鄲を攻められるようになりました。

 

キングダム649話雑学「趙は二正面作戦で敗北した」

亡くなる李牧

 

事実、紀元前229年に秦が趙を攻めた時には、前年に韓が滅亡しており、太行山脈を越える通常ルートで王翦と羌瘣が、河内の兵を集めた楊端和は、黄河に沿って邯鄲の長城をやり過ごして、そのまま邯鄲を包囲する事に成功しています。

 

この時、李牧と司馬尚(しばしょう)は井陘で王翦や羌瘣と対峙しており、楊端和には対応できませんでした。ここで秦は郭開に賄賂を贈って李牧を讒言させて幽繆王に誅殺させる事に成功しています。

 

キングダム649話雑学「魏が弱すぎて趙が滅亡した?」

病気になった兵士

 

紀元前230年の勢力図を見ると、もう趙が摘んでいる事が明らかです。趙の西と南には秦の旗しか翻ってなく、北の燕には、秦への危機意識が薄く、秦討伐の為に同盟を結ぶ事は出来ませんでした。

 

東には、斉がいますが、ここは長い事秦とは同盟関係で何も頼りになりません。キングダムでも、斉王建が大量の食材を鄴に送り込んでいましたね。

 

これまでは、隣接していた魏と韓があった為に邯鄲については、長城の守りが万全に作用しましたが、魏の勢力後退により趙は、三晋のフォーメーションから切り捨てられました。魏の紀元前242年の大敗が、趙を滅亡の淵に追いやったのです。

 

それは言い過ぎとしても60%くらいは魏に責任があるでしょう。

 

キングダム649話雑学「勢力図から見ると意外な事が分る」

内容に納得がいかないkawauso様

 

王翦の鄴攻めの勝利は王翦の活躍でしたが、そればかりではなく秦はかなり長期の戦略を立てて、中華統一をじわじわと進めていた事が分かります。

 

最初に韓を滅ぼし、次は魏に行くかと思いきや趙を滅ぼして、次は燕に向かうなど変則的な動きながら、魏については、背後以外は完全に味方勢力で囲んでおり、いつでも滅ぼせると高を括っていた様子もあります。

 

あるいは、魏を滅ぼすと、ただでさえ広く国境線を接している楚とさらに国境線が重なるので、楚を刺激しない為に魏を放置して緩衝装置にしたかも知れません。だとすると、どれだけナメラレテるんだ魏という話ですね。

 

キングダム(春秋戦国時代)ライターkawausoの独り言

kawauso 三国志

 

三晋は運命共同体であり、それぞれが大敗すると、他の二国に大きな影響が出る微妙なバランスの上に成立していました。特に魏は秦に一番近い所にいたので、もっと頑張らないといけなかったのですが、人材を得ず、残念な結果に繋がったのです。

 

参考文献:史記

 

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kawauso

台湾より南、フィリピンよりは北の南の島出身、「はじめての三国志」の創業メンバーで古すぎる株。もう、葉っぱがボロボロなので抜く事は困難。本当は三国志より幕末が好きというのは公然のヒミツ。三国志は正史から入ったので、実は演義を書く方がずっと神経を使う天邪鬼。

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