晋の高祖にして、魏の皇帝たちを支えた人物、司馬懿。その司馬懿を含めた司馬家の兄弟たちを「司馬八達」と呼びますが、この司馬八達の意味とは?
今回はそんな司馬八達の解説に加えて、馬家の五人兄弟についてもお話しましょう。
この記事の目次
司馬家の八人兄弟たち
では司馬八達こと、司馬家の八人兄弟をご紹介しましょう。
長男・司馬伯達
次男・司馬仲達
三男・司馬叔達
四男・司馬季達
五男・司馬顕達
六男・司馬恵達
七男・司馬雅達
八男・司馬幼達
これは姓と名ではなく、姓と字で名前を表したものですが、彼らは皆、字に「達」の文字が入っています。これにかけて彼ら兄弟は「司馬八達」と呼ばれました。
司馬八達
と言ってもただ全員に達の文字が入っているだけならば、ここまで有名にはなりません。彼らは全員が達の字を持ち、その上全員が聡明な人物たちであったことから、八人の達人にかけて「司馬八達」と呼ばれたのです。つまり司馬八達には「八人の達たち」という意味と共に、「八人の達人」という意味がかかっているのです。
「達」とは?
ここで少し説明をしておきたいのが、八人の達人について。「達人」と言われると「それぞれが色んな才能に優れていたのか」と思ってしまうと思います。
たまにこの八人の達人を政治や軍事、芸術などそれぞれ別方向に才能を発揮していた、と考えてしまっている人がいますが、この場合の八人の「達人」はちょっと意味が違います。それについて次で解説しましょう。
達人の意味
達人と言うと一つの才能に秀でているいる人間を想像してしまいますが、この達人とは「道理に精通した人物」ということを示しています。つまり司馬八達とはただ優秀なだけではなく、人として行うべき正しい道を進んだ者たち、という意味です。
司馬懿の兄である司馬伯達、司馬朗は広く民に慕われ、三男である司馬叔達こと司馬孚もまた、温厚で誠実な性格であり、曹丕の弟曹植を良く諫めたことを感謝されて厚遇されたとあります。優秀なだけでなく人の道を弁えた人物たち、それが司馬八達なのです。
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