魏呉蜀の国力差ってどれくらいなの?三国パワーバランスを考察

2020年9月16日


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魏呉蜀の国力差ってどれくらい?(1P目)

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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どうして差が生まれた?

祁山、街亭

 

ではどうしてここまで差が生まれたのでしょうか。その理由の一つに、蜀という土地があると思います。

 

兵糧(食料)を管理する任峻

 

人が住むにはまず家が必要で、住む場所が必要です。そしてそれを養うだけの食料生産が必要になります。

 

祁山、街亭

 

つまり土地がいる……そして蜀の土地、地図で見ると山間部だらけで、人が住み、養えるだけの土地は少なかったのではないかと思います。また交通の便も不便でしょうから、そういった面も含めて人口の差が生まれたのではないかと推測できます。

 

大きな敗北

陸遜

 

もう一つ、筆者はこちらも大きな理由ではないかと思っているのですが、蜀の夷陵の戦いです。

 

呉志(呉書)_書類

 

この蜀の敗北について、どれだけの被害か分かるのは呉の記録でしかないのですが、数万の被害が蜀に出たとあります。人口の全てが軍人ではありません、それを管理する人たち、支える人たちがいます。

 

進軍する兵士b(モブ用)

 

その軍人たちが一挙に失われ、その補充をしなければならない、育成にも時間と費用が掛かる……これらを考えるとこれは人だけでなく、大きな国力の減退を招いていると言っても良いでしょう。

 

均衡はどこまで取れていたか?

ポイント解説をするセン様

 

では、、呉、蜀。この三国の均衡はどこまで取れていたのでしょうか。筆者の考えで言えば、6、3、1くらいのパワーバランスの印象です。そしてこのパワーバランス、赤壁の戦いの時点ですでに出来上がっていたと思います。

 

赤壁の戦いで敗北する曹操

 

それは曹操が、赤壁の戦いでの敗北を喫してからも復帰できたからです。復帰するには人材が、戦力が、国力がどれほど残っているかが重要です。大きな敗北を喫してなお、立ち上がれるだけの力があるかどうか、その時点でパワーバランスは既に決していたのではないかと思います。

 

赤壁の戦い 曹操

 

だからこそ曹操は武人であり、政治家でもあるなあと感服せずにはいられないのですよね。

 

三国志ライター センのひとりごと

三国志ライター セン

 

今回は改めて三国の国力差を前にして、やはり魏、そして曹操の凄さを再確認しました。劉備も何度も立ち上がってきた印象がありますが、曹操もまた何度も困難から立ち上がってきた、そしておそらく孫権もでしょう。

 

蜀の皇帝に即位した劉備

 

しかし立ち上がるには力が必要です。そしてその力とは個人ではなく、既に国の力でもあるのだと、三国志は教えてくれる存在だと思いましたね。

 

参考文献:呉書呉主伝 陸遜伝

 

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セン

両親の持っていた横山光輝の「三国志」から三国志に興味を持ち、 そこから正史を読み漁ってその前後の年代も読むようになっていく。 中国歴史だけでなく日本史、世界史も好き。 神話も好きでインド神話とメソポタミア神話から古代シュメール人の生活にも興味が出てきた。 好きな歴史人物: 張遼、龐統、司馬徽、立花道雪、その他にもたくさん 何か一言: 歴史は食事、神話はおやつ、文字は飲み物

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