劉備は白帝城で死んでいなかった!はじ三探偵・晃の事件簿 


 

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劉備の臨終に立ち会う孔明

 

蜀(221年~263年)の章武(しょうぶ)3年(223年)に劉備(りゅうび)はこの世を去りました。前年に呉(222年~280年)の陸遜(りくそん)夷陵(いりょう)で戦って敗北。

 

劉備

 

多くの部下を失って撤退しました。劉備は成都の地を踏むことなく、諸葛亮(しょかつりょう)に後事を託してこの世を去ります。さて劉備はどこで、また何の病気が原因で亡くなったのでしょうか?早速、解説していこうと思います。

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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劉備は白帝城で死亡説

亡くなる劉備に遺言を聞く諸葛亮と趙雲

 

劉備は白帝城(現在の重慶市にある城)の永安宮で死んだと言われています。これは『三国志演義』の作者の羅貫中(らかんちゅう)も採用しており、後世のマンガ・ゲーム・ドラマも使っています。

 

夷陵の戦いで負ける劉備

 

正史『三国志』でも夷陵の戦いの後に、白帝城に劉備がいると知った孫権(そんけん)は、和睦の使者を送るという話があるので劉備が白帝城で亡くなったと信じる研究者も少なくありません。

 

白帝城に対しての異論

孫権と三国アヒル

 

だが、中には劉備は白帝城で死んだのではないという人もいます。例えば孫権は「劉備が白帝城にいる」と聞いたが、遠方からの情報なので信ぴょう性に欠けていると唱える論者もいます。しかし、そんなことを言ったら全部の情報を疑わないといけないですけど・・・・・・

 

永安県城内説

周瑜、孔明、劉備、曹操 それぞれの列伝・正史三国志(本)

 

正史『三国志』によると夷陵の戦いに敗走して撤退した劉備は駐屯した「魚腹県」(現在の四川省奉節県)という土地を「永安県(えいあんけん)」と改称しています。劉備が亡くなったのは永安宮(えいあんきゅう)。つまり、劉備は白帝城で死んだのではなく永安県城内で亡くなったと唱える人もいるのです。

 

永安県城内死亡説の証拠は?

三国志を楽しく語るライター晃様

 

劉備が白帝城ではなく永安県城内で亡くなったと唱える以上、証拠がなくては話になりません。果たして具体的な証拠はあるのでしょうか?

 

永安県・・・・・・現在の四川省奉節県の師範学校には城に関しての石碑がありました。

 

石碑は明(1368年~1644年)の時期に作られたものであり、史料価値は断言できません。また、惜しい事に文化大革命の時に破壊されてしまったのです・・・・・・そのため現在は調べることが出来ません。

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晃(あきら)

晃(あきら)

横山光輝の『三国志』を読んで中国史にはまり、大学では三国志を研究するはずだったのになぜか宋代(北宋・南宋)というマニアックな時代に手を染めて、好きになってしまった男です。悪人と呼ばれる政治家は大好きです。
         好きな歴史人物:
秦檜(しんかい)、韓侂冑(かんたくちゅう)、 史弥遠(しびえん)、賈似道(かじどう) ※南宋の専権宰相と呼ばれた4人です。
何か一言: なるべく面白い記事を書くように頑張ります。

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