今日のkawauso50「陸遜の偽書の計」

2020年10月13日


監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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はじめての三国志コメント機能バナー115-11_bnr1枠なし関羽に手紙を送る陸遜

 

陸遜は手紙を使って敵を嵌めるのが得意だったらしい、

有名なのは、関羽にへりくだり警戒心を解いたというのがあるが陸遜の偽手紙はまだまだ存在する。

 

以下は正史三国志陸遜伝

 

魏が任命した江夏太守の逯(ろく)式は兵馬の権を一手に握り

しばしば呉の辺境地帯を犯して損害を与えていたのであるが、

ただ、彼は北軍の古くからの部将である文聘(ぶんぺい)の子の文休とかねてから仲違いをしていた。

陸遜は、そうした事情を聞きつけると、逯式への偽の返書をつくり次のように書いた。

 

「お心のこもったお手紙をいただきました。文休とは久しく仲違いをされており、

双方が並立できぬ情勢からわが方へ身を寄せて来たいと願っておられる事、承知いたしました。

すぐさま手紙をひそかに陛下の下へお送りし、事情について報告の上表を致すとともに

兵士たちを選りすぐってお迎えするための準備を整えました。

どうか穏便に用意を整えられたうえで、実行の時期についてお知らせくださるように」

 

このように書いて国境地帯に置いておくと、逯式の兵士が手紙を拾って逯式に見せた

逯式は不安に駆られ自発的に妻子を人質にして洛陽に送った。

この事があり、官吏や兵士たちは、もう彼に心を寄せなくなり、

結局そうした事で彼は役目をクビにされた。

周瑜と陸遜

 

逯式は自分だけでなく、官吏や兵士の妻子まで洛陽に送ったのだろうか?

そうでないと官吏や兵士が愛想を尽かす事はなさそうだな

偽手紙を国境地帯に置いておく、妙に細かい仕事をしているのが陸遜らしい

裴松之(歴史作家)

 

でも、大物が好きな裴松之は、そんなセコセコした計略をする陸遜が嫌いだったようで、

どうして陳寿がこんなチンケな逸話を載せたのか理解に苦しむと書いている。

俺は細かい計略で兵士と民間の消耗を回避した陸遜は素晴らしいと思う。

 

前回記事:今日のkawauso49「盧江兵」

 

陸遜特集

 

 

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kawauso

台湾より南、フィリピンよりは北の南の島出身、「はじめての三国志」の創業メンバーで古すぎる株。もう、葉っぱがボロボロなので抜く事は困難。本当は三国志より幕末が好きというのは公然のヒミツ。三国志は正史から入ったので、実は演義を書く方がずっと神経を使う天邪鬼。

-kawauso編集長ぼやき