浣腸はとても重要な救命器具だった!【ゆるい都市伝説】

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浣腸は重要な救命器具(1P目)




アメリカ大統領と滋養浣腸

 

思わず笑ってしまう滋養浣腸ですが、歴史上の有名人もしっかりお世話になっています。例えば、アメリカ合衆国25代大統領、ウィリアム・マッキンリーは1901年、9月5日、パン・アメリカン博覧会に出席中、レオン・フランク・チョルゴッシュから2発の銃弾を浴び、その1発が胃、膵臓(すいぞう)および腎臓(じんぞう)を貫通、最終的に銃弾が、背中の筋肉に入り込む重症を負います。

 

担当医師は、肩の銃弾を摘出しますが、背中に入り込んだ1発が発見出来ませんでした。担当医は、銃弾を摘出する事が、大統領の傷を深くする事を危惧、無理に摘出手術をせずに、容態を見ると決め、マッキンリーは回復を待つために博覧会会長の自宅で8日間静養します。

 

9月12日の朝、容態が回復したかに見えた大統領は、事件後初めて、トーストと少しのコーヒーを飲みますが、その日の午後、容体が急変し、傷の周辺に出来た壊疽(えそ)による感染症で死去しました。

 

大統領が食事を摂れない8日間、その命を繋いだのは滋養浣腸だったのです。




夏目漱石夫妻も滋養浣腸のお世話に

 

また吾輩(わがはい)は猫であるで有名な夏目漱石(なつめそうせき)も直接の死因は胃潰瘍であったそうで、死ぬ間際は、滋養浣腸のお世話になっています。そればかりか、明治から大正期は、滋養浣腸は日本でもポピュラーであり、漱石夫人の鏡子(きょうこ)も妊娠中、酷い悪阻(つわり)に悩まされ、滋養浣腸の世話になっていたそうです。

 

その時の様子を漱石は「漱石の思い出」の中で次のように述べています。

 

「猛烈な悪阻に悩まされ続けました。それは9月から始まって11月まで続き、一番ひどかった時などには、食べ物や薬はおろか、水さえのどに通らなかった位で、衰弱は日増しに加わりますし、かといって今更手術も出来ず、運を天に任せてといった工合に、しばらく滋養浣腸ぐらいで命を繋いでいたわけでした」

 

夏目漱石の滋養浣腸は、肉エキスやブドウ糖ではなく卵と牛乳で造ったそうです。あまり、明治・大正のドラマでお目に掛かりませんが、滋養浣腸はちゃんと存在していたのです。




調理に手間がかかる滋養浣腸液

 

しかし、滋養浣腸液の調理法は簡単ではありませんでした。大腸は、小腸よりもずっと栄養吸収効率が悪く、消化を省略しタンパク質をアミノ酸レベルまで分解しないと吸収できないからです。

 

具体的な調理法は、高圧鍋に水で半分に薄めた濃塩酸(のうえんさん)を入れ、肉や野菜を浸して110℃で24時間煮込み、煮込み終わってドロドロになったら減圧して蒸留し濃塩酸を取り除きます。

 

こうして出来たものをタンパク加水分解物と言い、コクやうまみをもたらす目的で、しょうゆなどの普通の加工食品に入っていますし、もちろん食べられます。

 

ただ、ここまで手間暇をかける割に滋養浣腸液の効果は薄く、点滴に劣ります。そういう事があり、点滴が一般化すると滋養浣腸は姿を消していったのです。

 

まとめ

 

滋養浣腸は、ほとんど使われない割に現在でも存在し医療点数45点です。つまり、あなたが経口摂食が出来ない病気の時に「すいませんが、点滴ではなく滋養浣腸で」とお願いすれば、あるいは滋養浣腸をしてくれるかも知れません。

 

今から100年前に、多くの摂食不良の人々の命を繋いだ滋養浣腸を体験してみたい人は、お願いしてみてはいかがでしょうか?

ええ、私は丁重(ていちょう)にお断りしたく存じまする

 

参考文献:アリエナイ医学事典 三才ブックス

 

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