地動説が天動説に勝利するまでの軌跡を解説




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夜空を見上げる古代の人々と暴走する月(ギリシャ人)

 

それでも地球は回っているとは、地動説を唱え異端(いたん)として有罪判決を受けた天文学者ガリレオ・ガリレイが法廷を去る前につぶやいた言葉とされています。

 

科学の真理を宗教が踏みにじった非科学的な事件として、よく紹介される逸話ですが、最近の研究では、別にカトリックは地動説自体を否定したわけではなく、問題はガリレオとローマ教皇庁の人間関係の誤解と軋轢が最大の理由であるようです。

 

いまではトンデモ論と一蹴される天動説ですが、実は16世紀一杯まで、もっとも科学的な天体運行の学説であるとされ、地動説より優れているとさえ言われていました。

 

今回は、そんな天動説と地動説の戦いの軌跡を解説しましょう。




地動説の歴史

地球

 

教科書で習う地動説は、大体ポーランドの天文学者コペルニクスあたりからですが、地動説自体は、それよりも1800年以上前、紀元前3世紀の古代ギリシャの天文学者、アリスタルコスが唱えていました。

 

アリスタルコスは、地球は自転していて太陽が中心にあり、5つの惑星がその周りを公転するとする説を唱えました。彼の地動説の優れた点は、太陽を中心に据えた上で惑星の配置をハッキリと完全に示した事です。

 

アリスタルコスの地動説は、天動説が説明できなかった惑星の逆行(ぎゃっこう)を説明でき、また、地球が太陽の周りを回っているなら、どうして地球の周囲の星の位置が動かないのか?

 

という視差(しさ)の問題についても、恒星が遥かに遠くに存在し動きを確認できないからだと主張しました。アリスタルコスの説は、それまでの漠然(ばくぜん)とした宇宙の中心は太陽という単純な地動説の枠を越えた科学的なもので16世紀のコペルニクス、ガリレオにも影響を与えます。




地動説の致命的な弱点

 

しかし、アリスタルコスの地動説には致命的な弱点がありました。それは、地球が自転しているのなら、どうして上に垂直に放り投げた物体は地球の自転に取り残されずに元の位置に落ちてくるのか?

 

そして、空を飛ぶ鳥は、どうして地球の自転に取り残されたりしないのか?

 

この天動説派の疑問についてアリスタルコスは明確な答えが出せなかったからです。逆に、天動説に立つと地球は自転しない宇宙の中心なので、鳥が普通に空を飛ぶのも、上に投げた物が、そのまま垂直に落ちてくるのも説明不用でした。

 

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天動説が優勢になる

 

一方で天動説には、アポロニウス、ヒッパルコス、プトレマイオスが出てきて天動説を体系化します。紀元前3世紀頃のアポロニウス、あるいは紀元前2世紀のヒッパルコスは、惑星が単に円軌道を描くのではなく、円の上に乗った小さな円の上を動くと考えました。

 

この小さな円を周転円(しゅうてんえん)、周転円が乗っている大きな円を従円(じゅうえん)と呼びます。感覚的には、遊園地の乗物のコーヒーカップに近く、コーヒーカップの取っ手を中心から見ると2種類以上の円運動が合成され進む方向や速さが変化するように見えるのに似ています。

 

天動説は、これにより、惑星の接近による明るさの変化、巡行と逆行の速度の差を大雑把に説明できました。さらに、2世紀に登場したローマのプトレマイオスは、周転円を取り入れつつ、離心円(りしんえん)とエカントを導入します。

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