孟獲が五連敗した後に登場した祝融夫人と弟帯来洞主が蜀軍を震え上がらせたってホント?

2020年11月9日


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火の神の末裔?祝融夫人(1P目)

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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南蛮ムツゴロウと進撃の巨人を連れてきた祝融の弟帯来洞主

帯来洞主(南蛮族)

 

そんな祝融夫人、弟がいるので紹介しておきましょう。帯来と呼ばれる弟は「帯来洞主(たいらいどうしゅ
)
」と役職付きで呼ばれ、

 

白い象に乗っている木鹿大王(南蛮族)

 

孟獲と祝融夫人が苦戦し始めると猛獣をあやつる「木鹿大王(ぼくろく だいおう
)
」、

 

兀突骨

 

体長が尋常じゃない上に体に鱗があるとか言われる「兀突骨(ごつとつこつ
)
」らに協力を要請する役割として、というかけっこう優秀な交渉役として出てくるのですが、彼らも最終的に破れてしまい、最後は諸葛亮に心服した孟獲と姉と共に忠誠を誓います。

 

孟獲に変装する帯来洞主(南蛮族)

 

姉は勇ましく奮戦する一方で、弟は交渉役と中々面白い姉弟です。ともあれかなり濃いキャラクターの登場もりもりだった南蛮編は、これにて幕を閉じるのでした。

 

祝融とは本名ではない

ポイント解説をするセン様

 

因みによく、姓が祝、融が名前と勘違いされていることがありますが、祝融夫人はあくまで火の神である祝融の末裔を名乗っていることで祝融夫人と呼ばれるだけであって、実際の名前ではありません。

 

この祝融という神は古代中国において火と南の方位を司る神であり、その姿は獣の顔をした人型の神とも言われています。洪水を起こす水神と戦って勝利したり、天帝の命をうけては殷が夏を滅ぼす際に火を降らせたりしたと言われている神様であり、中々強く、南蛮王・孟獲の妻がその末裔を名乗るに相応しい、荒々しくも勇ましい神様です。

 

三国志演義_書類

 

そんな神と夫人を結び付けたというのは、三国志演義の面白さをより深くしていると言えるでしょう。祝融夫人もまた、三国志演義の面白さを象徴するキャラクターだと思います。

 

祝融の娘が関索のヨメになった?

関索

 

ここで最後に小話を。関索(かんさく
)
を主人公とした京劇(きょうげき)「龍鳳巾」には、祝融の娘とされる「花鬘(かまん)」という女性が登場します。

 

鮑三娘(関索の妻)

 

彼女は母親に似て武術に優れており、関索と戦った際に彼に退けられるも、なんと後に南蛮軍に捕まった関索と婚約!

 

関索とラブラブな鮑三娘

 

南蛮平定が終わった後には正式に結婚するという関索ハーレ……コホン、関索の妻の一人となった女性です。これを見ていると、三国志演義では夫顔負けの戦いを見せてくれる祝融夫人もまた、かつては孟獲に敗北して妻になったのかな~?なんて考えてしまい、そんな若い頃の南蛮王夫妻もまた面白そうだな、と思うのですが、皆さんはどう思いますか?

 

三国志ライター センのひとりごと

三国志ライター セン

 

三国志演義ではいきなり始まり、ガラリと雰囲気が変わる南蛮編。出てくる出てくる良く分からないキャラクターの数々。

 

孔明君のジャングル探検

 

ただし夷陵の戦いの後ともあって、久しぶりにワクワクしたのを覚えています。突拍子もないように見えて中々に盛り上げてくれる南蛮編での登場、祝融夫人。苛烈ながらも最期は夫に殉じようとするその姿は、今でも印象深いキャラクターの一人ですね。

 

参考文献:三国志演義 史記

 

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南蛮征伐特集

 

 

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セン

両親の持っていた横山光輝の「三国志」から三国志に興味を持ち、 そこから正史を読み漁ってその前後の年代も読むようになっていく。 中国歴史だけでなく日本史、世界史も好き。 神話も好きでインド神話とメソポタミア神話から古代シュメール人の生活にも興味が出てきた。 好きな歴史人物: 張遼、龐統、司馬徽、立花道雪、その他にもたくさん 何か一言: 歴史は食事、神話はおやつ、文字は飲み物

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