架空戦記
項羽vs呂布

はじめての三国志

menu

デザイン担当:よりぶりん

謎多き登場人物、関索って何者?

この記事の所要時間: 316

関羽 関索

 

三国志演義』には、関羽(かんう)の息子として、数名の人物が登場します。

 

有名なところで、父である関羽と共に荊州を守り、

共に戦死した関平(かんぺい)、父の死後、孔明による北伐にも参加した関興(かんこう)などが挙げられます。

 

その中でも謎とされている人物が関索(かんさく)です。

史実には一切記されていないという、この関索という人物は一体何者なのでしょうか?

 

 

 

突然登場する謎の登場人物

劉備読書

 

三国志』をはじめとする史書に関索の名前は一切記載されていません。

そのことから架空の人物であるとされる関索ですが、一方、『三国志演義』での描かれ方にも、不思議な点があります。

 

『三国志演義』では実在した関羽の息子である関平(ただし『演義』では関羽の養子とされています)や関興が登場、活躍していますが、

関索の名は関羽が死に至るまで登場しません。

 

関索は孔明の南伐のエピソードの際に突然登場します。

関索は関羽の三男であるとされ、荊州で関羽が敗死した際、自身も大ケガを負って療養していたという生い立ちが語られています。

 

唐突に意味ありげに登場してきたこの関索なる人物、しかし、その後物語に大きく関わることはなく、気がついたときにはいつのまにか退場しているという始末。

関羽の息子ということなら、関平や関興が十分活躍しているので、わざわざ新たに架空の人物を登場させる意味はどこにもありません。

 

 

『三国志演義』以外では有名な関索?

水滸伝

 

『三国志演義』と並んで中国四大奇書(ちゅうごくよんだいきしょ)のひとつとされる小説『水滸伝』に登場する楊雄(ようゆう)という人物は作中で

『病関索(びょうかんさく)』=『顔色の悪い関索』とあだ名されています。

 

『三国志演義』が成立した15世紀以前、武将や盗賊の呼び名として『厳関索(げんかんさく)』『小関索(しょうかんさく)』『朱関索(しゅかんさく)』といったあだ名が用いられていた記録があり、また、一部の地方には関索の名を冠した地名も残されています。

 

どうやらこの関索という人物、『三国志演義』が誕生する以前には相当有名で人気もあったようなのですが……。

 

関連記事:三国志と水滸伝の違い、あなたは説明できますか?

関連記事:【衝撃の事実】三国志演義はゴーストライターによって書かれた小説だった!?羅貫中じゃないの?

 

1967年に発見された『花関索伝』

東方 三国志

 

1967年、上海近郊の農地で明(みん)の時代の墳墓が発見されました。その副葬品の中には11冊の書物などが含まれていました。

その一冊が『花関索伝(かかんさくでん)』です。

 

『花関索伝』は関羽の血を引く青年が、恩義のある(関羽を含む)三人の人物の名から一字ずつ取って「花関索」と名乗り、

後に劉備の麾下として活躍するという物語です。

 

『三国志演義』には元になった『三国志平話(さんごくしへいわ)』という絵物語が存在していますが、

『花関索伝』はこの『三国志平話』と良く似た装丁・形式で作られており、『三国志平話』以降、それをマネて作られた読み物であると考えられています。

 

研究の結果、三国志演義に登場する関索は、この『花関索伝』に登場する花関索がベースとなっていることが判明しました。

 

 

まるで“メアリー・スー”な花関索

東方 お花畑

 

『花関索伝』は、主人公である花関索がすべての出来事の中心にあって、なんでも一人で解決してしまうという荒唐無稽な展開をその大きな特徴としています。

戦場ではほとんど花関索が一人で敵を倒してしまい、関羽や張飛ですら出番がありません。

 

孔明は劉備が死ぬと修行と称して勝手に姿を消してしまいます。ほとんど『あいつ一人でいいんじゃないか』状態です。

 

更に、『三国志演義』では関羽の配下として登場する周倉(しゅうそう)や蜀の重臣であるはずの糜竺(びじく)なども花関索の敵として登場し、

あげくの果てには妖怪変化まで登場するなど、とにかくハチャメチャな展開を見せる『花関索伝』。

 

どうしてこうなった……?

 

『三国志演義』が成立した明の時代、多くの三国志を題材とした通俗小説が出版されました。

それらは他作品との差別化を図る意味から他には登場しないキャラクターを登場させることが多くあったといいます。

 

花関索は地方に伝承されていた花関索の物語をベースに、物語の独自性を出すために作り上げられた“都合のいい”主人公だったと言えます。

 

現代の二次創作小説において、作者の都合の良い主人公として創作され、原典である物語の主導権を獲ってしまう

キャラクターを“メアリー・スー”と呼んだりしますが、花関索は正に中国版メアリー・スーと呼べる存在かもしれません。

 

関連記事:時空を超える関羽、琉球の民話に登場

関連記事:なんで関羽の顔は赤いの?京劇が関係している?

関連記事:命乞いでここまで堕ちるか?関羽に命乞いし全てを失った男・于禁

関連記事:三国志の二次小説が江戸時代に書かれていた

 

 

耳で聞いて覚える三國志

 

 

 

こちらの記事もよく読まれています

三国志平話

よく読まれてる記事:三国志平話って何?三国志演義の元ネタ

 

孔明 軍師

よく読まれてる記事:軍師ってどんな職業なの? <三国志豆知識>

 

桃園兄弟

よく読まれてる記事:『三国志』人気を数字から考えてみる

 

 

 

この記事を書いた人:石川克世

石川克世 三国志

ライター:

石川克世

自己紹介:

小太郎さん(スキッパーキ オス 2歳)の下僕。

主食はスコッチウイスキーとコーヒーとセブンイレブンの野菜スティック。

朝風呂が生きがいの小原庄助的ダメ人間。ヲヤジ。

好きな映画:

未来世紀ブラジル

パンズラビリンス

タルコフスキーのストーカー

座右の銘:

・事象に惑わされるな。ここがお前の現実だ(押井守)

・私に3分、時間をください(鈴木健二)

・これでいいのだ(バカボンのパパ)

 

関連記事

  1. 理不尽すぎてもはや笑える、デマのせいで殺された孫奉(そんほう)
  2. 【素朴な疑問】呉には何で五虎将軍や五大将軍がいないの?
  3. 董允(とういん)ってどんな人?蜀の黄門様、劉禅の甘えを許さず!
  4. 龐統の死後、その一族はどうなったの?魏に降った一族たちの数奇な運…
  5. 【軍師連盟】司馬懿が起こしたクーデターは博打だったの?
  6. 【週間まとめ】はじめての三国志ニュース17記事【5/22〜5/2…
  7. 若かりし曹操は熱血漢
  8. 極悪人の董卓の参謀・李儒は董卓以上の悪人だったの?

google検索フォーム

過去記事を検索できます

ピックアップ記事

おすすめ記事

  1. 夏侯惇は軍人としては優秀だったの?正史三国志から夏侯惇を分析
  2. 【衝撃の事実】董允がいたからこそ蜀は滅亡から逃れた!
  3. 魯粛に学ぶビジネス三国志!三国志の仕掛け人、魯粛の投資術
  4. 曹操のハニートラップ作戦が義に生きた武人・関羽に通用するのか?
  5. 【皇帝から手紙を受け取る呂布】呂布は朝廷に従順な姿勢を見せていた!?
  6. 【曹操の人心掌握術】身内よりも部下を優先せよ

三國志雑学

ピックアップ記事

おすすめ記事

【よくわかる】SEALDsは後漢時代にも存在した?党錮の禁とSEALDsの共通点 孫呉が天下統一できる可能性が2回もあった!?黒田レンの考察 集まれ、団子三兄弟!劉備の息子たち 103話:黄忠・厳顔の老将コンビ大活躍|年寄りをなめるな! 韓信が井陘口の戦いで使ったのは背水の陣だけではなかった! はじめての三国志チャンネル 第1回目 – 劉備玄徳 【完005】 【週間まとめ】はじめての三国志ニュース33記事【1/16〜1/22】 武田信玄のおびき寄せに乗った哀れな徳川家康

おすすめ記事

  1. 【三国時代】英雄の地位はどの位?
  2. どうして陳宮は呂布に従えたの?呂布を見捨てなかった天才軍師の生涯
  3. 司馬懿が三国志演義に初登場するのはどのタイミングなの?
  4. 孫呉が天下統一できる可能性が2回もあった!?黒田レンの考察
  5. 黄権(こうけん)ってどんな人?劉備から絶大な信頼を得ていた人物
  6. 蜀の五虎大将軍ってなに?実は全員揃ったことがなかった蜀の猛将たち
  7. 謎多き登場人物、関索って何者?
  8. キングダムの羌瘣(きょうかい)は実在したの?飛信隊の美女にはモデルが存在した!

はじさん企画

帝政ローマ
特別企画


袁術祭り

異民族
諸子百家
春秋戦国時代
日常生活
曹操vs信長
はじめての三国志TV
PAGE TOP