広告

倭寇とはどんな人?海賊?商人?アジアを股にかけた無国籍人

2020年12月3日


 

はじめての三国志コメント機能バナー115-11_bnr1枠なし

三国志に出てくる海賊達 張伯路

 

倭寇(わこう)という言葉を聞いたことがある方は多いでしょう。ですが、詳しく知っている方は歴史ファンでも稀です。

海賊のようなイメージがあるけど、貿易もしていた?

 

そう、倭寇にはいくつかの側面と歴史があり、1言では説明できません。

今回は、そんな倭寇について詳しく解説していきたいと思います。

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


【誤植・誤字脱字の報告】 バナー 誤字脱字 報告 330 x 100



【レポート・論文で引用する場合の留意事項】 はじめての三国志レポート引用について



前期倭寇と後期倭寇

三国志に出てくる海賊達

 

まず、大きな流れですが、倭寇という言葉が史料に多く残るのは、大きく2つの時代に分けられます。

 

それは、14世紀前後(日本の鎌倉時代から室町時代の初期)と、16世紀ごろ(日本の戦国時代)です。それぞれ、「前期倭寇」「後期倭寇」と呼ばれています。後期倭寇の方が派手ですので、「倭寇」と言うと戦国期の後期倭寇を指していることもしばしばです。

 

また、『倭』というのは日本を指す別称ですが、倭寇は日本人だけではありませんでした。「日本近海の怪しい海の集団」という意味合いで、後期になればなるほど日本人の割合は減っていきます。

 

スキッパーキ(航海する船)

 

後期倭寇は主に中国人で、後に遠征してきたポルトガル人たちもこれに関わっていたと言われています。

 

前期倭寇

同年小録(書物・書類)

 

すみません。このへんは、ほぼ歴史の教科書のような雰囲気です!

 

前期倭寇は14世紀、日本では南北朝時代から室町時代の初期に活動していました。朝鮮半島の情勢は、高麗(こうらい
)
から李氏朝鮮(りしちょうせん
)
の初期にあたっています。日本国内は、室町幕府を開いた足利氏と、吉野へ逃れた南朝が争っている騒乱の時代です。後期倭寇もそうですが、こういった政治の混乱期に多いようです。このころの活動エリアは、朝鮮半島の沿岸部と中国の沿岸部の1部でした。

 

朝鮮半島を統一した高麗

亀甲船(朝鮮水軍)

 

またまた歴史の授業です。高麗はご存知ですか?

聞いたことがある?

 

韓流ドラマの「歴史物」がお好きな方なら絶対に知っていることでしょう。918年に、王建によって建国され、936年に半島の統一を成し遂げた、朝鮮の近代史では最も有名な国の1つです。

 

現在のイタリアが、小国で分裂していたのを統一されたというのに少しだけ似ていますね(ちょっと違う?)。長らく紛争が続いた朝鮮半島を統一した高麗。その歴史に名を残す『高麗』が、前期倭寇の生まれるきっかけの1つになったと言われているのです。

【次のページに続きます】

 

次のページへ >

  • この記事を書いた人
  • 最新記事
しばがき

sibagaki

ライター自己紹介: 歴史はやっぱり戦争・動乱期に惹かれてしまいます。平和主義者なのに。。。 好きな歴史人物: カエサル(シーザー) 何か一言: 戦国最強は武田信玄。

-戦国時代 (日本)
-