新解釈・三国志の劉備がかっこよくない理由

2020年12月9日


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新解釈・三国志の劉備(1P目)

 



監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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新解釈・三国志の劉備は……?

徐庶がいなくなり寂しがる劉備

 

さて新解釈・三国志の劉備像はまだはっきりとはしていません。ただし劉備を演じるのは大泉氏、そして氏は本作の劉備について会見で「本来なら大変良い役で喜ぶべきなんですが、本作の劉備はカッコ良く無くて……」と言っていたことから、三国志演義とはまた違う劉備像が見れることと思います。

 

劉備と的盧

 

また新解釈・三国志の予告では劉備が「俺こんな川で死ぬのいやだ~(涙)」みたいに嘆いているようなぼやいているようなシーンも見受けられ、新解釈な劉備像に期待が高まります!

 

正史における劉備とは?

正史三国志_書類

 

と「三国志演義とはまた違う」と言うと、まるで劉備がカッコ悪いのがデフォルトなの?と思われるかもしれませんので、ここでちょっと正史における劉備の記述を追ってみましょう。

 

劉備

 

劉備は高祖・劉邦の血を引く漢王朝の末裔と言っていますが、これはあくまで自称。ただしご先祖様が大量に子作りをしたので、分家が大きくなり過ぎてどこまで本当で違うのかは当時でも判断が難しい所でした。

 

劉備

 

しかし劉姓を名乗っているので「まあそうなんじゃないか」と言われる立場ではあったようです。本当に漢王朝の末裔であったのか、それともそれを利用してのし上がったのか……そこでもまた、劉備像の解釈は分かれるでしょう。

 

劉備の黒歴史

 

一つ言っておきたいのは、劉備は決して無能ではないということです。

 

劉備は正史でもきちんと優秀!

劉備に資金を提供する簡雍

 

三国志演義では優しいがどこか周囲に手助けして貰っている、という印象の強い劉備ですが、正史の劉備はしっかりと周囲に評価されています。

 

劉備と酒を交わす曹操

 

その英知と判断力、時の運さえ味方に付けたあの曹操にも「天下に英雄は君と余だけだ」と言われたり「劉備は自分と同じくらいの能力を持っている」とまで言われています。

曹操と劉備

 

しかし曹操は同時に「劉備の方が少しだけ策を考えつくのが遅い」と言っているように、もしかしたら劉備の方が少し判断力の面で曹操に後れを取っていたのかもしれませんね。

 

「解釈」

劉備の黒歴史

 

じゃあ「劉備を無能と書いた作品は間違っているのか」と思われるかもしれませんが、そうではないのです。例え劉備を能力の無い者と描いた作品があったとしても、それもまた解釈なのです。この「解釈」を理解しているかどうかは新解釈・三国志だけでなく、多くの三国志作品を見る上でとても大切なこと。

 

「自分の思うものと違う」「自分の知っていることと違う」しかしそれは間違いではありません。

 

「それもまた一つの解釈として割り切る」ことこそが、三国志の世界を楽しむために筆者は必須だと思っています。だからこそどんな劉備像が描かれるか、どんな三国志の世界を見せてくれるのか……ワクワクしてくるのです。ぜひ皆さんもこの機会に、そんな三国志の世界に、どっぷりとハマってみませんか?

 

三国志ライター センのひとりごと

三国志ライター セン

 

今回は新解釈・三国志に合わせて、劉備像についてお話しつつ、そして「解釈」についてもお話させて頂きました。何度も言ってはいますが、三国志の世界が広がるのは嬉しい限りです。

 

新しい三国志の解釈……一体どうなるのでしょう?

諸々の事情で直ぐには見に行けない筆者ですが、ぜひその世界を覗き見た皆さんでもまた、新しい三国志のお話をしていって下さいね!

 

参考文献:蜀書先主伝 山陽公載記 / 映画『新解釈・三國志』公式サイト

 

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セン

両親の持っていた横山光輝の「三国志」から三国志に興味を持ち、 そこから正史を読み漁ってその前後の年代も読むようになっていく。 中国歴史だけでなく日本史、世界史も好き。 神話も好きでインド神話とメソポタミア神話から古代シュメール人の生活にも興味が出てきた。 好きな歴史人物: 張遼、龐統、司馬徽、立花道雪、その他にもたくさん 何か一言: 歴史は食事、神話はおやつ、文字は飲み物

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