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この記事の目次
- 1ページ目
- タイプA:城壁を破壊する兵器
- 三国志に登場する大型兵器1: 霹靂車(へきれきしゃ)
- 三国志に登場する大型兵器2:衝車(しょうしゃ)
- 三国志に登場する大型兵器3:床弩(しょうど)
- タイプB:城壁を乗り越える巨大兵器
- 2ページ目
- 三国志に登場する大型兵器4:井蘭車(せいらんしゃ)
- 三国志に登場する大型兵器5:雲梯車(うんていしゃ)
- 三国志に登場する大型兵器6:木慢(もくまん)
- タイプC:外堀を埋める巨大兵器
- 三国志に登場する大型兵器7:填壕車(てんごうしゃ)
- 3ページ目
- 三国志に登場する大型兵器8:壕橋(ごうきょう)
- タイプD:城の様子を見る偵察兵器
- 三国志に登場する大型兵器9:巣車(そうしゃ)
- タイプE:敵を驚かせる巨大兵器
- 三国志に登場する大型兵器10:重戦車(じゅうせんしゃ)
- 三国志に登場する大型兵器11:虎戦車(こせんしゃ)
- 三国志ライターkawausoの独り言
三国志に登場する大型兵器4:井蘭車
大人気春秋戦国時代漫画、キングダムでも最近登場したのが井蘭車(せいらんしゃ)です。高い木材を組んで櫓をつくり、下から梯子をつけて櫓まで登れるようにし台車に車輪をつける事で自在に移動できるようにします。
井蘭車は城壁よりも高くなるように設計し、櫓部分に弓兵を大勢配置して城壁に近づければ、城内の兵士に対して一方的に矢を放つ事が出来、強力な兵器になります。
ただ、籠城しているサイドも、それを黙ってみているわけはないので、火矢を放つなどして、井蘭車を焼き払う手を繰り出してきます。
そのような火矢の被害を回避する為に、井蘭車の中には、外壁を泥で濡らした牛皮で覆い、火が付きにくくする工夫をしたものなどがありました。三国志演義では、官渡の戦いで袁紹が巨大な櫓を組んで、大勢弓兵を配置し矢で官渡城に籠城している曹操軍を攻撃していますが、この櫓が井闌車に該当します。
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三国志に登場する大型兵器5:雲梯車
雲梯車(うんていしゃ)は、ハシゴつきの消防自動車のようなフォルムをしています。城壁に近づくと、立てていたハシゴを下ろして城壁に引っ掛け、ここから一気に城兵を突入させるという仕組みです。
雲梯車も春秋戦国時代から存在しますが、三国志では第二次北伐の陳倉城攻めで、蜀の諸葛孔明が、防戦する郝昭を降伏させようと用いたという記録があります。孔明は、雲梯車ばかりか井蘭車、衝車と攻城兵器を総動員していますが、結局城を落とす事が出来ませんでした。
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三国志に登場する大型兵器6:木慢
木慢(もくまん)とは四輪の車台に立てられた柱の上に大盾の取っ手となる棒を乗せ、取っ手棒と大盾を縄で連結し吊るしたもので、取っ手棒を引き上げると大楯が前に出て矢を防ぎます。
城攻めでは、木慢を歩兵の前に置く事で、城から飛んでくる弓矢を防ぎ進軍できました。攻城戦では兵士が縄ハシゴを架け城壁をよじ登る事もありましたが、その前に矢に倒れて大勢の死者が出るので、木慢で守りつつ歩兵を護衛したのです。また木慢には、火矢対策として盾裏に牛皮を張り付けて耐熱能力を高めたものもあります。
タイプC:外堀を埋める巨大兵器
城と言うと城壁をイメージしますが、実際は城壁の外側に濠を巡らしている事も多々ありました。濠は空濠も水が溜められている時もありますが、この濠と城壁が上手く組み合わされると、攻撃側が城を落とす難易度は何倍にも跳ね上がります。
もちろん、巨大兵器にも、城壁の前に濠をなんとかする為のモノが考案されていました。
三国志に登場する大型兵器7:填壕車
填壕車(てんごうしゃ)とは、濠を充填(埋める)する車という意味で、前面に大きな盾を置いた車輪付きの台車で敵の攻撃を防ぎつつ進み、積み上げた土砂を濠に投げ捨てる兵器です。
武経総要という宋代の軍事書に出てくるようですが、三国志の時代に使われたかどうかは不明です。ただ、投石機に比較しても単純な構造なので、三国志の時代の軍事技術でも十分製造可能でした。
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