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隴を得て蜀を望むとは?光武帝から生まれて曹操が引用した故事成語

2021年1月18日


はじめての三国志_ページネーション

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隴を得て蜀を望むとは(1P目)

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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司馬懿と曹操の会話

司馬懿

 

こちらは晋書にて見られる、曹操(そうそう)司馬懿(しばい)の会話から。それは司馬懿が漢中(かんちゅう)を手に入れた曹操に対しての言葉「漢中を手に入れたのですから、更に蜀も」と進言したことに始まります。

 

凡人すぎた楊雍(はてな)

 

さて曹操はどうしたか?

 

魏の夏侯淵

 

彼は漢中の守りを夏侯淵(かこうえん)(ちょう)コウらに任せて帰りました。

 

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曹操のスタンス「隴を得て蜀を望む」

曹操

 

この司馬懿の進言に曹操は「人は満足を知らぬものだ。隴を手に入れたのに更に蜀まで望むのか」と言い、この司馬懿の進言を取り上げることはなかったのです。

 

司馬懿

 

司馬懿の進言にも一理あると思います、勢いに乗るというのは大事です。しかし曹操はこの司馬懿の発言を嗜め、蜀まではその手を伸ばしませんでした。ここから、曹操と光武帝のスタンスの違いが分かります。

 

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光武帝と曹操の「隴を得て蜀を望む」

光武帝(劉秀)

 

光武帝は隴を得た時に、蜀までも手を伸ばしました。曹操は漢中を手に入れた際に、蜀までも手を伸ばすことを止めました。これはどちらが正しい、正しくないということではありません。光武帝と曹操のスタンス、考え方の違いです。

 

悪の正義バットマン風 曹操

 

個人的にやたら悪役のように描かれる曹操がここで欲を嗜め、自重し、向かうところ敵なしのヒーローのような光武帝がいけいけどんどんと進んでいく、というのが面白いですね。

 

劉秀(光武帝)

 

光武帝と曹操とは生まれた時代も境遇も違いますが、こういった考え方の違いが見えてくるのは面白いと思います。故事成語にはこんな面白さもある、ということでご紹介させて頂きました。

 

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三国志ライター センのひとりごと

三国志ライター セン

 

おそらくですが、曹操は光武帝の事を知っていて敢えてこういったのではないかと思います。故事成語はこのように、過去の出来事にならうこともあれば、過去の出来事とはまた違うことをするためにも使用されています。

 

曹操

 

しかし曹操みたいにサラリと故事成語を使用して見たいと思うのですが、中々に難しい。知識をひけらかすのは良くありませんが、それでもピンポイントでカッコ良く使ってみたいですね!

 

参考文献:後漢書岑彭伝 晋書宣帝紀

 

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曹操孟徳

 

 

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セン

両親の持っていた横山光輝の「三国志」から三国志に興味を持ち、 そこから正史を読み漁ってその前後の年代も読むようになっていく。 中国歴史だけでなく日本史、世界史も好き。 神話も好きでインド神話とメソポタミア神話から古代シュメール人の生活にも興味が出てきた。 好きな歴史人物: 張遼、龐統、司馬徽、立花道雪、その他にもたくさん 何か一言: 歴史は食事、神話はおやつ、文字は飲み物

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