「一つの巣に弐羽の雄鳥は並べない」
ある日、李カクから郭シの元に食事が贈られました。郭シの妻はそれに毒を仕込み、郭シが食べようとした際にその毒を取り出したのです。
「一つの巣に二羽の雄鳥は並び立ちませんよ」この一件で郭シは李カクが自分を毒殺しようとしていると思い込み、二人の関係は悪化の一途を辿ることになったのです。
李傕と郭汜の転落
そこからはお互いに疑心暗鬼の日々が続き、神輿である献帝もそれに巻き込まれます。二人の関係は張済によって修復されるも、李カクの遷都に反対した献帝が董承、そして郭シと長安を脱出。この後やっぱり郭シは李カクの元に戻るも、献帝は既に洛陽入り。
もたもたしている内に担ぎ上げた神輿を失った李カク、郭シは最終的に全てを失うこととなります。この後、時代は袁紹と曹操の戦い、そして三国時代へと流れていくのは、また別のお話です。
三国志ライター センのひとりごと
歴史の陰に女アリ、と言いますが、李カクと郭汜の関係悪化、そして凋落の陰にもまた、女性がいました。とはいえこの陰に関しては、郭シ、もしくは李傕がもう少し気を回していれば十分に防げたことと思います。正に油断した際に足元から崩れ落ちていった、そんな二人ですが。
三国志演義では二人が嘗て仕えた董卓が、呂布との間に一人の女性を挟んだことで破滅していったと思うと……何だか、不思議な縁と奇妙な面白さを感じますね……
ちゃぷん。
参考文献:魏書董卓伝 李カク・郭シ 英雄記
関連記事:三国志の時代にも可愛い巫女が存在した!?李傕や劉禅もハマった巫女事情
関連記事:賈詡が李傕を有名人へと押し上げたアドバイスとは!?