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漢詩に詠われた大喬
唐の時代の有名な詩人「杜牧」はその名も「赤壁」という漢詩で二喬について触れています。
「折戟沙に沈んで 鉄未だ銷せず
自ら磨洗をもつて 前朝を認む
東風 周郎の与に便せずんば
銅雀 春深うして 二喬を鎖さん」
現代語に訳してみると「砂の中に折れた戟(矛)が埋まっていて、まだ錆びていないようだ。試しに磨いてみると、どうやら三国時代のものらしい。もし赤壁の戦いで周瑜や諸葛亮が望んだように東からの風が吹かなかったら二喬は銅雀台に捕らわれていただろうな。」
これは「三国志演義」で「曹操が二喬を狙っていた」というエピソードから詠まれた詩ですね。ちなみに「銅雀台」とは曹操の宮殿であり、ここには曹操の妻や妾(めかけ)たちが住んでいたそうです。
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京劇「鳳凰二喬」
1960年に初演された「鳳凰二喬」という京劇(中国の伝統演劇)では二喬が主役です。こちらでは二喬は武術の達人という設定であり、初めは厳虎という豪族に狙われますが、これを拒否し、孫策と共に厳虎を破る、というあらすじです。ここでは大喬は「喬せい」、小喬は「喬婉」という名に変わっています。
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三国志ライターみうらの独り言
大喬小喬姉妹はとても有名ですが、実際はどんな人物かは殆ど分からないのですね。かえってそれが創作者の想像力を刺激し、魅力的な人物にしあがったのかもしれませんね。
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