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破竹の勢いで国を破壊する八王
時代は遡り、司馬炎が皇帝に即位した頃。晋王朝が新しく開かれ、皇帝となった司馬炎は晋の三国統一を目指し、呉への攻撃を開始しました。
この際に晋軍20万という凄まじい数が動員され、彼らは破竹の勢いで呉軍を打ち破り、280年、呉は降伏を選びました。
この際に動員されたのが20万です。しかしこの20万は呉討伐という国家プロジェクトを成し遂げるための動員であり、正に国を賭けての戦いでした。その数が、八王の乱で二度も動員されているのです。
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身内喧嘩で滅ぶ西晋
呉討伐ならば理由があります。しかし八王の乱は何だかんだ言ってしまうと内乱なのです。内輪もめです。それにも関わらずこの大軍を導入し、膨大な被害を出し、勝っても負けても何も得ることはない戦いを繰り広げているのです。これではどれだけの大国でも疲弊してしまうというもの。
八王の乱は内乱で国力を疲弊させました。
あれだけの群雄割拠の時代を乗り越え、中国統一を果たし、それだけの国家を作り出したにも関わらず、その群雄割拠の時代を終わらしたレベルの兵力を内乱に導入して疲弊して……うーん、国滅んじゃうね!
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三国志ライター センのひとりごと
とは言え、歴史書の戦いでは動員数をやや多めに記すことが多いので、もしかしたらこの20万というのも少しばかり盛られた数値なのかもしれません。しかし全くの兵士を導入しなかったということはないでしょうし、内乱に次ぐ内乱というのも事実です。歴史は繰り返す、と言ってもこのレベルで繰り返されるとは……
これには祖、司馬懿も苦笑いすらできないと思いますが……今日はこれまで、どぼん!
参考文献:晋書列伝第29
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