もし劉封が生きていたら
劉封は養子であり、後継者でこそないものの、立場としては劉備の養子であり、劉禅の兄に当たります。もしもあそこで劉封を処罰していなければ、その後の諸葛亮の立場はあそこまで強固にならなかったでしょう。もう少し言うと、後継者関係がややこしいことになっていた可能性も排除できましたので、そういった内乱で国力の減退も防げました。
そういう要素を踏まえて言えば、諸葛亮が今後のために劉封をどうしても除きたかった、そうしてそう考えて、そうやった……というのは、あり得る話だと思います。あくまで情ではなく、合理的な、冷静な判断をできるのが諸葛亮ではないか、と思います。
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もしも生きていたら?
ただ、その後の夷陵の戦いで大打撃を受けることを考え、また蜀の人員不足を考えると、劉封を処罰してしまったのは早計に過ぎたのでは、とも言えます。諸葛亮も豪勇、と評する劉封が生きていたら、晩年の蜀を支える武将がもう一人増えていた、と言えるでしょうからね。
……残念なのは、じゃあ劉封が生きていたらその後の蜀の命運が変わっていたかと言うとそうでもないな……と言う所でしょうか。既にしてそれどころではない国力差が付いていて、盤面をひっくり返す事すらできそうにない。色々と、ターニングポイントですね、劉封は。
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三国志ライター センのひとりごと
諸葛亮の被害者の説を見てちょっと考えてみた「諸葛亮、劉封を除くべく暗躍した」話でした。劉封の立場、振り返ってみれば振り返るほどに難しいですね……じゃあ援軍だしたらどうなっていたのかと言うと、いや援軍出してもそんな命運変わらなかったじゃないかな……と思うのは悲観的すぎるでしょうか。
悲しいかな、どこかで取り除かれた気がする。そう考えずにはいられない、劉封の立場でした……ちゃぷーん。
参考文献:三国志蜀書先主伝 劉封伝
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