三国志は、其々「伝」というものがあります。これは各巻に分かれており、個別で伝が立てられているものは珍しく、多くの場合は一つの巻に数人がまとめられていますね。
このまとめられているメンバーが中々に面白いのですが、今回はその中でも、劉封のまとめられている伝に注目して見ましょう。中々に強烈なメンバーがまとめられていますよ……。
この記事の目次
正史三国志の伝とは?
さてまずはちょっと伝についておさらいを。伝は例えば蜀書で「関張馬黄趙伝」と言うと、関羽、張飛、馬超、黄忠、趙雲がまとめられている伝です。
彼らは三国志演義では五虎将軍とされてますが、これは同巻にまとめられているメンバー、と見ると中々に考えられているなぁ、と思いますよね。
因みに対比的に魏の五将、張遼、楽進、于禁、張コウ、徐晃、そして彼らを陰で見守る朱霊も同じ伝にまとめられています。
生き残りを選んだ裏切り者孟達
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不穏分子カテゴリに分類された劉封
それで劉備の養子となった劉封の巻ですが。
「劉彭廖李劉魏楊伝」となっています。
メンバーを紹介すると、劉封・彭ネン・廖立・李厳・劉エン・魏延・楊儀というそうそうたるメンバー……うん、分かりますよ。李厳や魏延、楊儀と同じ巻なのかー……とか、思いませんでしたか?
正直に言うと、筆者は思いました。巻末の陳寿先生の評価含めて、です。
劉封を処刑したのは孔明の陰謀?
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ろくな最後を迎えていない不穏分子カテゴリ
さて、李厳を例に出してみると、補給を任されて失敗して命令違反して処罰されて身分はく奪され病死、という結末です。そして陳寿先生曰く「身から出た錆」。
そして劉封へは「疑われる立場なのにその対策まるでしないとかどうなの?そんなの破滅するしかないわー(意訳)」というもので……劉封含め、この巻のメンバーは「自業自得」とまとめられているメンバーなんですね。
今回ちょっと考えてみたいのが、この自業自得に関してです。
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劉封は劉備に疑われても行動を起こせない不器用男
まず関羽の援軍を断ったことに関してですが、ここはもう「援軍を出したら関羽は勝ったし生き延びてたし曹操も倒してたし呉も勢いで滅ぼした!」という訳ではないと思うので、そこは触れずにおきましょう。
援軍を断ったことで劉備の不興をかった。このため、同様の立場にあった孟達は魏に逃走。孟達は劉封も誘ったけれど、これを断って敗北してそのまま劉備のいる成都に帰った。
つまり、ただでさえ関羽の一件で怒っている劉備のとこに同僚の孟達が逃走して敗北して何も対策も弁解もなく帰宅、となります。
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自ら不興を買った劉備の下に逃げる不器用ぶり
自業自得と言うのは、やったことが自分に返ってくるということ。業も得も須らく自らに返ってくるということです。であるとして、業をマイナス要素として考えると、この時点で劉封は処罰対象です。許される要素がほぼありません。しかも弁解らしい弁解もなし。
確かにこれは陳寿先生の評した「対策をどうしてしなかったのか」というのは的確ですね。その点では自業自得とも言えます。
関羽を破ったのは呂蒙ではなく于禁だった
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忠義と親孝行を示すため、あえて何もしなかった?
ですが、そこで劉封が魏に、もしくは呉に逃亡していたらどうなったか。明確なのは「劉備への裏切り」でしょう。
劉封の身と、命は守られた。ですが、義父への忠、恩、孝、それらは汚されたも同然です。だからこそ劉封は明確な弁解もしないまま、劉備の元に戻った。
結果、死を賜った。養子の忠と孝に、劉備の返答は死と、涙で答えました。
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後継者ではない養子となった時劉封の命運は定まった
劉封の立場は、不安定な場所でした。劉備の養子ですが、実子はいて、後継者ではない。本人が優秀で、次代に残すには禍根の種となる。それを考えれば、命を守るためには「何か」を捨てる必要があったのでしょう。
ですが劉封はそれを捨てられなかった。捨てられなかったからこそ、破滅した。それは自業自得であり、そして自業自得と言い切るにはどうにも……苦々しい。批評するにはどうしても同情を捨てきれない、そんな感想しか出てこない、それが劉封ではないかと思います。
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三国志ライター センのひとりごと
振り返れば振り返るほど、難しいですね。三国志演義では養子になった瞬間から「後々揉め事になる」とか言われてしまう劉封ですが、こうして見てみると色々な意味で詰んでいるとしか言いようがありません。
劉封ってどうやれば生き延びられたんでしょうか……?(頭抱え)よろしければ皆さんも、劉封生き残りルートIF、考えて見て下さいね。
参考文献:蜀書「劉彭廖李劉魏楊伝」
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