劉封は正史三国志で不穏分子に分類!でも本当は不器用な人ではないか?考察

2022年9月25日


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劉封は正史三国志で不穏分子

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監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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自ら不興を買った劉備の下に逃げる不器用ぶり

劉封

 

自業自得と言うのは、やったことが自分に返ってくるということ。業も得も(すべか)らく自らに返ってくるということです。であるとして、業をマイナス要素として考えると、この時点で劉封は処罰対象です。許される要素がほぼありません。しかも弁解らしい弁解もなし。

 

確かにこれは陳寿先生の評した「対策をどうしてしなかったのか」というのは的確ですね。その点では自業自得とも言えます。

 

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忠義と親孝行を示すため、あえて何もしなかった?

泣きながら冤罪を訴えるも処刑される司馬瑋

 

ですが、そこで劉封が魏に、もしくは呉に逃亡していたらどうなったか。明確なのは「劉備への裏切り」でしょう。

 

劉封の身と、命は守られた。ですが、義父への忠、恩、孝、それらは汚されたも同然です。だからこそ劉封は明確な弁解もしないまま、劉備の元に戻った。

 

結果、死を賜った。養子の忠と孝に、劉備の返答は死と、涙で答えました。

 

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後継者ではない養子となった時劉封の命運は定まった

司馬昭の質問に回答する劉禅

 

劉封の立場は、不安定な場所でした。劉備の養子ですが、実子はいて、後継者ではない。本人が優秀で、次代に残すには禍根の種となる。それを考えれば、命を守るためには「何か」を捨てる必要があったのでしょう。

 

ですが劉封はそれを捨てられなかった。捨てられなかったからこそ、破滅した。それは自業自得であり、そして自業自得と言い切るにはどうにも……苦々しい。批評するにはどうしても同情を捨てきれない、そんな感想しか出てこない、それが劉封ではないかと思います。

 

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三国志ライター センのひとりごと

三国志ライター セン

 

振り返れば振り返るほど、難しいですね。三国志演義では養子になった瞬間から「後々揉め事になる」とか言われてしまう劉封ですが、こうして見てみると色々な意味で詰んでいるとしか言いようがありません。

 

センさんのとぷんver2

 

劉封ってどうやれば生き延びられたんでしょうか……?(頭抱え)よろしければ皆さんも、劉封生き残りルートIF、考えて見て下さいね。

 

参考文献:蜀書「劉彭廖李劉魏楊伝」

 

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関羽

 

 

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セン

両親の持っていた横山光輝の「三国志」から三国志に興味を持ち、 そこから正史を読み漁ってその前後の年代も読むようになっていく。 中国歴史だけでなく日本史、世界史も好き。 神話も好きでインド神話とメソポタミア神話から古代シュメール人の生活にも興味が出てきた。 好きな歴史人物: 張遼、龐統、司馬徽、立花道雪、その他にもたくさん 何か一言: 歴史は食事、神話はおやつ、文字は飲み物

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