この記事の目次
助かったら恥辱を恥じて死のうとする王異
後に王異は娘と共に夫の元に帰れることになります。迎えに応じ、娘と共に夫の元に向かう道中、王異は娘の趙英に語りかけました。
「貞淑な夫人というものは、例え自分の死が迫っていても正式な使者が来ない場合、部屋から出てはなりません。このため昭姜は溺死し、伯姫は焼死しました。ですが今の私は死ぬことができなかった。それはただお前が心配だったからのこと。もうすぐお前ともお別れです」
なんと王異は、娘の無事が確認できるとなると、自害しようとしたのです。
こちらもCHECK
-
王異ってどんな人?戦乱の中で数々の逸話を残してきた女性武将
続きを見る
王異の手本となった昭姜と伯姫
さてここでちょっとご紹介。まず昭姜ですが、楚の昭王の妻です。
ある時、長江が洪水となり、昭王は彼女に避難させるべく使いを出しました。しかしこの時に符を持たせることを忘れてしまったため、昭姜は使者を正式な使者として認めることはできないとして、そのまま溺死したと言います。
また伯姫は宋の共公の妻で、宋の火災で亡くなりました。この際に伯姫は保母が来るまで部屋から出ないとして、やはりそのまま焼死したと言います。
こちらもCHECK
-
歴史の影に女あり!絶世の美女たち
続きを見る
あまりにも自分の命を軽んじる当時の烈女
両名とも夫以外の男性、それも正式な使者と証明されなければ部屋から出ない、そのためそのまま命を落とした女性であり、貞淑な夫人であり、烈女といっても差し支えないでしょう。王異は彼女らを讃え、そしてその心構えを娘に語ると、そこで別れました。
そうして貞淑な夫人として彼女は毒を飲み、自害して果て……ることはなく、たまたまあった解毒剤を飲まされて命は助かったと言います。何はともあれ、王異の貞節さ、そして同時に母親としての愛情の深さがうかがいしれる話だと思いますね。
こちらもCHECK
-
三国志の女性の扱いが超男尊女卑!女は賢くても愚かでも旦那に口出したらバツ!
続きを見る
日々の生活を工夫で楽しくする『三国志式ライフハック』
三国志ライター センのひとりごと
そしてここで生き残った王異は、後に馬超との戦いで夫を存分に補佐します。その時の苛烈な言葉が印象強く、そちらの方ばかり取り上げられる王異ですが、それ以前にもしかしたら、命を落としていた可能性もあったのですね。
こちらもこちらで十分苛烈ではあると思いますが、この王異の姿もまた知って欲しいと思います。
どぼーん。
参考:烈女伝
こちらもCHECK
-
羅貫中は女性嫌い!祝融夫人はその証拠!?
続きを見る