つい先日の、ことでした。なにげなく人と三国志の話をしていたら、唐突にこんなことを言われたのです。
「でもさあ、三国志って、あれも結局は戦争の話でしょ?英雄たちの戦いの陰では兵士がいっぱい亡くなっていたのだと考えると、最近の殺伐とした世界のニュースなんかを思い出しちゃって、生々しいね」と。ああ、それを言ってしまうのか。それを言ってしまうと、そのとおりなのです。
赤壁の見事な計略で曹操の船団に火がついたときも、夷陵の戦いで陸遜が劉備と知恵比べをしていたときも、
はては諸葛亮が泣いて馬謖を斬っていたその裏でも、合戦や作戦のたびに、毎回たくさんの人命が失われていたわけで。
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そこで戦争ではなくスポーツで決着するイフ三国志を考えてみた!
そんなふうに考えている最中、ふと浮かんだ妄想があります。三国志の英雄たちが戦争に嫌気がさし、「いっそ、戦争じゃなくてスポーツで決着つけよう」となった三国志イフ世界ってどうでしょう?
たとえば、赤壁の戦いのあと、「これ以上、民を戦火に巻き込むのはやめだ!誰が天下をとっても民が疲弊していては意味がないではないか!やめようやめよう!」と、曹操・孫権・劉備の三陣営が話し合い「いっそスポーツ大会を開くのはどうだ?」という話し合いになったとしたら?
もっとも、そこでリーダーどうしが一騎打ちというわけにもいかない。とはいえ、配下の勇将にレスリング大会でもやらせたら、張飛対許楮がいつまでも続いて終わらず退屈な展開に。
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そういうことなら競馬大会ってことでどうでしょう?
ここで、思いついたのです。古代中国にも、競馬があったのか?私自身の趣味が競馬・・・だからではないですよっ!競馬なら古代中国でもできるのでは?と思いまして。少し調べてみました。結果、残念ながら、三国時代に競馬のような馬術スポーツが確立されていたかどうかは「不明」なようです。
ただし、もう少し後の時代、南北朝時代になると、西方の異民族の影響もあって、馬を乗りこなしてのスピード競争や馬上から的を射抜く弓競技、さらには馬上でアクロバティックな曲芸を見せる競技まで、娯楽としての馬術がかなり盛んになったとか。
待てよ。異民族の影響?となると、このイフ世界では、南北朝時代よりも早めの、三国時代の赤壁直後くらいに、西方から競馬が持ち込まれたことにすればいいじゃないか!
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まさかの馬超が中国に馬術をもちこむイフ世界爆誕!
そこで注目したのが、史実ではいまひとつ活躍の場が足りない馬超です!そもそも馬超は西涼の騎馬民族を従えていました。彼自身がそうした生活の中で、馬術に夢中になっていた可能性は十分あります。しかも彼が三国志の戦いに乱入するのは赤壁後のこと。タイミングも抜群です。
錦馬超と呼ばれるほどの凛々しい面構えとハデな甲冑で、馬にまたがり中原に躍り出た馬超が、「英雄たちよ!西方の騎馬民族は、リーダーを馬術大会で決めておるのだ!赤壁の戦いで疲れておるなら、お前らもよりすぐりの部下を集めて、馬術大会を開催し、そこで誰が中国のリーダーにふさわしいか決めてはどうだ?ただし、わしを馬術で倒せたらな?」と挑んできたとしたら?
戦乱で疲れ果てていた民衆たちは、この新しい英雄の提案に拍手喝采!
曹操や孫権や劉備も、「これはいかん!あの馬超という奴の人気が民の間で高まるのは許せん!よし、望むところだ!馬術大会で勝負だ!」とそれぞれの陣営に戻り、部下たちに馬術研鑽を命じたら?
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このイフ世界で活躍する武将たちを考えてみた
「中国に馬超が競馬文化を持ち込み、流行らせる」という突飛な展開となったこのイフ世界!
この世界で活躍できるのは、どんな武将か、考えてみたところ、まず、この世界では馬超軍が有利です。馬超自身が馬の扱いに慣れていたでしょうし、馬岱というスーパーサブもいます。ただし、圧倒的に強そうなのは、劉備軍です。
そもそも名馬赤兎馬を持っている関羽が、この時期ならば現役です。他に白馬将軍こと趙雲も控えています。「馬上から弓を射る」競技には、黄忠が出てくれるでしょう。
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まとめ:もし古代中国で競馬大会が賭け事として完成するなら無双するのは・・・?
ですが恐ろしいのは、ここからです。現代の競馬でも、ときどきニュースになるのは、「自身は騎手ではないが、数学や統計の得意なプロのギャンブラーが、データから競馬を分析し、みごとに大当たりを出した!」という話三国志の各陣営が参加し覇を競い合う「中国大競馬大会」が、一度では決着がつかず、毎年一度、開催される、天下一を目指す大競馬大会として常設となったら?
そして民たちが賭け事をはじめ、どんどんギャンブルとしても仕組みが洗練されていったら?季節風までをもデータとして考慮する諸葛亮孔明が、「データ競馬」で無双状態に入るでしょう!まして、馬超と馬岱は史実でも劉備と相性が抜群!
諸葛亮孔明が「馬超殿、いっそ劉備軍に入り、うちのチームとプロ契約を結びませんか?私がデータ主義でがっつりとあなたの勝率を上げていきます」と誘ったら?馬超と馬岱をエース騎手に迎えた劉備チームの、連戦連勝記録がここから始まり、毎年、ほぞをかんで悔しがる曹操や孫権!・・・そして、よい感じで、みんなすっかり、戦争や天下統一を忘れて年に一回の競馬大会に夢中になってくれるのでは?
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三国志ライターYASHIROの独り言
たまにはこんな、荒唐無稽ながらも平和主義な「イフ」もよいかなと、戦争ではなく競馬で決着の三国世界を考えてみました!殺伐としたニュースの続く今こそ、こんな妄想もアリかと思いましたがいかがでしたか?
古代中国の英傑たちが馬で競う「血の流れない三国志スポーツ世界」。あなたなら、どのチームに賭けますか?
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