馬超が劉備ではなく孫権のもとに出奔していたら荊州は早くも三国志クライマックス劇場と化していた!

2023年3月31日


 

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桃園三兄弟 劉備、張飛、関羽 vs 呂布

 

三国のうち一つ、劉備りゅうびを君主とする「しょく」の国。しょくが抱える人材には、関羽かんう張飛ちょうひを筆頭に、歴戦の勇将が顔を揃えていました。

 

北方謙三 ハードボイルドな馬超

 

その中でも名うての勇将の一人が馬超ばちょうです。この馬超ばちょう。もともとは立派な地方群雄の一人でしたが、曹操軍との戦いに敗れ、部下であった龐徳ほうとくらと共に脱出してきた経歴の人となります。

 

馬超と別れるホウ徳

 

一度は張魯ちょうろのもとに身を寄せていたものの、そこで龐徳ほうとくと袂をわかち、馬超ばちょう張魯ちょうろ陣営からさらに出奔して、劉備りゅうびの陣営に加わります。

 

五虎大将軍の馬超

 

その後はしょくの有力将軍の一人として晩年を過ごしました。そんな馬超ばちょうについて。ここで少し大胆な可能性を考えてみましょう。曹操軍に敗れて脱出した馬超ばちょうが落ちのびた先が、もし劉備りゅうびのもとではなく、孫権そんけんのもとだったら?

 

はてなマークな劉備と袁術

 

その後の三国志さんごくしの歴史は、いったいどうなっていたでしょうか?

 

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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孫権が馬超を手に入れたら実現した?ガチの関羽VS馬超!

オラオラモードで曹操を追い詰める馬超

 

前後の経緯を考えれば、馬超ばちょうが恨みをもっていたのは曹操そうそうに対してのみ。彼が孫権そんけんのところに身を寄せたとしても、さほど不自然ではありません。

 

三国志の武器 壕橋 馬超

 

馬超ばちょうが転がり込んできた孫権そんけんのほうも、大歓迎というタイミングでしょう。というのもこのタイミングは、孫権そんけん劉備りゅうび、そして曹操そうそうの間で、荊州けいしゅうをめぐる奪い合いが熾烈を極めていた頃。

 

大きすぎる関羽像

 

劉備はこの荊州けいしゅうの守りを関羽かんうに任せておりました。史実では、この関羽かんうに対して孫権そんけんの部下、呂蒙りょもう陸遜りくそんが挑んだわけですが、歴戦の勇将関羽かんうを相手に「武勇」の面ではこの二人はいささか見劣りがしていました。

 

陸遜 剣と刀

 

もしここに馬超ばちょうがいたならば、関羽かんうへの対抗馬(!)としては申し分なかった筈。むしろ、対関羽かんう戦の総大将を馬超ばちょうとし、呂蒙りょもう陸遜りくそん馬超ばちょうの参謀役として固めれば、さしもの関羽かんうもうろたえる超強力チームが出来上がったのではないでしょうか?

 

ポイント解説をするYASHIRO様

 

そうです!このシナリオがもし現実になっていたならば、三国志ファンにとっては、夢の対決、関羽かんうVS馬超ばちょうのガチの対決が荊州けいしゅうで起こっていたかもしれないのです!

 

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関羽

 

 

曹操の動き次第で事態は更に複雑化?龐徳VS馬超もあり得た!

ホウ徳(龐徳)

 

この時期の荊州けいしゅう争奪戦に、馬超ばちょう孫権そんけん軍として参加すると、劇的な事態が起こるのは関羽かんう馬超ばちょうの関係だけにとどまりません。史実では、この時期、かつて馬超ばちょうの部下でありながら途中で道を違えた龐徳ほうとくが、曹操そうそう軍に加わっているのです。

 

ホウ徳

 

龐徳ほうとく自身は曹操そうそうに対して恩義を感じ、曹操そうそうのために一肌脱ぎたいと意気の上がっていた時期。たとえかつての主人である馬超ばちょうが説得しても、この時期の龐徳ほうとく曹操そうそうへの忠義を選んだでしょう。ということは!

 

ホウ徳

 

孫権そんけん馬超ばちょう荊州けいしゅうに派遣したとなると、曹操そうそうはここに龐徳ほうとくを投入してくることになり、荊州けいしゅう争奪戦は、関羽かんうと馬超と龐徳ほうとくという有名武将三人が、過去の因縁も絡めつつ激しく対決する凄まじい展開になった筈!

 

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曹操孟徳

 

 

関羽VS馬超VS龐徳が塗り替える三国志中盤の大展開!

周倉とホウ徳

 

それにしても、このシナリオにはなかなか心が躍ります。というのも、関羽と馬超と龐徳ほうとくは、それぞれ一騎打ちでの見せ場も多い武将。このシナリオならば、この三人が入れ替わり立ち代わりで一騎打ちを仕掛け合う、アツい展開が見られたかもしれません。

 

蜀馬に乗って戦場を駆け抜ける馬超

 

さらに、この三人は、キャラクターとして実に誠実きまじめ、人格的にはイヤな所があまり見当たらない方々です。こんな三人が真正面から正々堂々とした勝負を繰り広げるとなると、荊州争奪戦はどこが勝つにせよ、三国志の物語の中でもまれにみる「フェアプレーの激闘」となるのではないでしょうか。

 

赤壁の戦い

 

すなわち、赤壁(せきへき)の戦いに次ぐ、「二番目に人気のある場面」に、関羽と馬超と龐徳ほうとくが争う「荊州の戦い」がランクインをするほどの、三国志物語の人気の勝負になっていたかもしれません!馬超が孫権そんけん軍に加わったことで、三国志のクライマックスのひとつが荊州争奪戦に!?

 

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このシナリオでいちばん得するのは活躍のチャンスを得られた馬超?

はじ三倶楽部 スマホの誤変換でイライラする参加者(はてな)

 

それにても、実際にこのような戦いが起こっていたら、誰が勝ったでしょうか?正直なところ、三国さんごくの状況と勢力バランスを考えると、大局の展開は同じだったものと思います。

 

ホウ徳と曹操

 

曹操そうそう荊州けいしゅう奪取にそれほど焦っておらず、積極的な援軍をしないため、龐徳ほうとくはどこかで戦死。いっぽう、荊州奪取に執念を投入する孫権そんけんのバックアップと、呂蒙りょもう陸遜りくそんという最高のスタッフの活躍もあれば、益州えきしゅうからの援助が弱い関羽かんうはじりじりと押され、けっきょく荊州は孫権そんけんのものになっていたでしょう。

 

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if三国志

 

 

三国志ライターYASHIROの独り言

三国志ライター YASHIRO

 

するとどうなるか?

 

ブチギレる劉備

 

馬超ばちょうはそのまま、孫権そんけんに荊州の守りを任される。劉備りゅうび馬超ばちょうをこそ関羽かんうのカタキと猛攻撃に出る。すなわち、のちの夷陵いりょうの戦いは、劉備VSブイエス馬超の構図になっていたかもしれません!

 

馬超と羊

 

こうしてみると、もしこのシナリオが実現していたら、いちばんトクをするのは馬超かもしれません。というのも、史実においては、馬超ばちょうは劉備のもとに身を寄せた後は、目立った活躍もできず、いつのまにか早世していたわけですので。そんな馬超ばちょうが主役級の関羽かんうを討ち取り、劉備に勝負を挑んでくる展開なのですから、まるで馬超ばちょうが主役級に食い込むようなインパクトです。

 

三国志演義_書類

 

劉備に好意的な『三国志演義さんごくしえんぎ』では悪役のように描かれるかもしれませんが、孫権そんけん軍のエース級として暴れまわる馬超ばちょう、史実の馬超ばちょうの人生よりも実に華かやな活躍になったのではないかと思いますが、いかがでしょうか?

 

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YASHIRO

とにかく小説を読むのが好き。吉川英治の三国志と、司馬遼太郎の戦国・幕末明治ものと、シュテファン・ツヴァイクの作品を読み耽っているうちに、青春を終えておりました。史実とフィクションのバランスが取れた歴史小説が一番の好みです。 好きな歴史人物: タレーラン(ナポレオンの外務大臣) 何か一言: 中国史だけでなく、広く世界史一般が好きなので、大きな世界史の流れの中での三国時代の魅力をわかりやすく、伝えていきたいと思います

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