キングダム890話予想考察|史実の匈奴はどんな相手?史実で読む李牧の戦術

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「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務めるほか、紙媒体やWebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者・おとぼけ(田畑 雄貴)

コンテンツ制作責任者

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月に「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感していただけることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。

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キングダム890話予想

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この記事の目次

キングダム890話展開予想|『史記』が伝える匈奴とは。子どもは羊に乗って弓を引く

『史記』の完成という使命を貫いた司馬遷

 

先にひとつだけ断っておきます。ここで紹介する匈奴の姿は、李牧の時代から100年以上あとの漢の時代に、司馬遷が『史記』の匈奴列伝に書き残したものです。李牧が戦った相手が、のちの匈奴とまったく同じ集団だったかどうかは、断定できません。そのうえで、『史記』が伝える匈奴を見ていきましょう。

 

 

 

『史記』によれば、匈奴は家畜とともに水と草を追って移り住む人たちでした。子どもは羊に乗って、弓で鳥やネズミを射ます。少し大きくなるとキツネやウサギ。三輪車の代わりが羊、というわけです。弓を引ける力のある男は、みな武装した騎兵になったと書かれています。

 

戦い方も独特です。得になれば進み、損になれば退く。逃げることを恥としない、と。一人ひとりが自分の利益を追い、おとりで敵をおびき出すのがうまい、とも書かれています。暦との付き合い方も面白いところ。戦を始めるときは星と月を見て、月が満ちれば攻め、欠ければ退きました。秋、馬が肥えるころには蹛林という場所に集まり、人と家畜の数を数えています。

 

889話で描かれた、どの集団がいつ来るか分からない騎馬の民。その姿は、こうした記録と重なって見えます。

 

関連記事:匈奴とは何?彼らと三国志の繋がりについて解説

 

楚漢戦争

 

 

キングダム890話予想考察|史実の李牧の守り。匈奴は攻めてきても何も得られなかった

ガマンする李牧

 

『史記』の李牧伝によれば、李牧は代と雁門に常駐し、のろしと間者を整えて匈奴に備えていました。兵に約束させたのは、匈奴が略奪に来たらすぐ守りに入ること。捕虜を取ろうとする者は斬る、という決まりです。889話の「戦った者は斬首」と比べると、史実で禁じられていたのは「捕虜を取ること」でした。

 

匈奴は、そのあいだも攻めてきています。それでも趙の側は、のろしが上がるたびに守りへ。李牧がいったん外されて戻ってきたあと、『史記』には「匈奴は数年間、何も得られなかった」とあります。匈奴の側から見れば、張り切って朝から並んだのに店のシャッターが閉まっていた、という日が何年も続いたわけです。

 

李カク(李傕)、張済、賈詡

 

前のページで読んだとは思いますが、匈奴の戦の取り分は、奪ったものがそのまま自分のものになる決まりでした。奪うものがなければ、取り分もゼロ。

 

キングダム890話予想展開|李牧はおとりで単于を誘い出した。十余万騎を破った大勝

朝まで三国志201 観客2 モブでブーイング

 

『史記』によれば、李牧は数年かけて兵を鍛え、兵たちが「一度でいいから戦わせてくれ」と願うようになるまで待ちました。

 

白馬義従の公孫サン(動物)

 

そのうえで、家畜を大いに放ち、人々を野に出しました。匈奴が少し入ってくると、負けたふりをして数千人を置き去りに。それを聞いた単于が大軍で攻め込んできたところを、李牧は奇陣を敷き、左右の翼を広げて迎え撃ちました。破った匈奴は十余万騎。これは『史記』に記された数字です。その後十余年、匈奴は趙の国境の城に近づかなかったとされています。

 

おとりで敵をおびき出すのがうまいのは、本来は匈奴のほう。李牧の大勝は、そのおとりを、さらに大きく仕掛けて勝ったように見えます。並べると、似ているんですよね。890話でいきなり大勝まで進むとは思っていません。ただ、不戦逃避は、この大勝までの長い準備の第一歩として描かれるのではないか、と思うのです。

 

回想が長く続けば、牢の中の河了貂の朝は先に延びるばかり。そしてカイネが、この命令に黙って従うとも思えません。

 

次ページ:対抗予想と、カイネは不戦逃避に従えるのか。李牧のあと匈奴を追った蒙恬

 

 

【次のページに続きます】

 

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おとぼけ(田畑雄貴)

おとぼけ(田畑雄貴)

数々のブレストと思いつきで場を散らかした後、権限委譲と言い放ち、kawauso編集長に丸投げし去っていく。インターネットの不特定多数無限大の可能性にロマンと情熱を捧げる「はじめての三国志」の創設者。創造的で自由な発想が称賛や批判を創発し、心をつかむコンテンツになると信じている。各メンバーのパーソナリティを尊重し、全員の得意分野を活かし、補完し合うチーム作りを目指している。

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