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麒麟がくる第10話 感想あらすじ「ひとりぼっちの若君」麒麟がきた


 

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美濃(みの)で十兵衛に心のエンドラインを引いてより、ハートブレイクなままのお(こま)さん。

 

心配している東庵(とうあん)だけど、年寄のジジイでは、かけてあげる言葉を持っていませんで困ってしまいます。そんな時に駒の耳に届いたのが太鼓や笛の囃子(はやし)と奇抜に着飾った旅芸人の伊呂波太夫(いろはだゆう)の一座でした。乙女の傷心を癒すのは年齢の近い同性とのおしゃべり、これが太古より変わらない処方箋です。

 

それでは、今回も行ってみよう麒麟がキターーーーーー!!

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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麒麟がくる第10話 感想あらすじ「伊呂波太夫とガールズトーク」

駒(麒麟がくる)

 

何かに導かれるように、伊呂波太夫一座に向かって行く駒、一座のメインイベントの空中綱渡りの綱にひょいと乗ると両手に舞扇を持ったまま一回転しました。突然のウルトラCに、拍手喝さいの一座と見物人。それを見つけた東庵は「何をやっているのやら」と唖然、ボーゼンです。

 

でしょうね、仕事も上の空で、しくしく泣いたかと思えば、ふらりと行き先も告げずに出て行き、心配になって探してみれば中空に張った綱の上で宙返りを披露しているのですから、若い娘はわからんと途方に暮れるでしょう。

 

望月東庵(麒麟がくる)

 

そこにやってくるのが、髪を妖艶(ようえん)に結い上げ華麗な衣装を着た一座の座長、伊呂波太夫でした。実は駒は、東庵の養女になる前は、伊呂波太夫の一座に預けられて日本中を旅していた旅芸人の一員だったのです。

 

伊呂波太夫は、北陸から薩摩まで日本中を旅し、京都に来るのは五年ぶり、途中で尾張にも立ち寄り、東庵が信秀に双六で十貫の借金がある事や、美濃に明智十兵衛という有能なサムライがいるとも聞いたと話をします。

 

明智光秀(麒麟がくる)

 

「美濃にも行ったのですか?」と聞かれると伊呂波太夫は「美濃は物騒で入れないけど松永久秀(まつながひさひで)様からそう聞いた」と答えます。美濃の治安は世紀末状態のようです・・てか、松永爆弾上(まつながばくだんじょう)、人をつかまえては十兵衛の話をしているのでしょうか

 

十兵衛の話を伊呂波太夫から聞いて、ボーッとなる駒、何とも初々しい普通の娘です。東庵は伊呂波太夫に「駒が美濃から戻ってから様子がおかしい」とボヤキます。お姉さんの伊呂波太夫は、ははーんと納得した様子、「駒、久しぶりに団子でも食べに行くよ」と誘います。

 

昔話を交えた甘いモノを前にしてのガールズトークで駒は「好きだった人は手の届かない人だった」と呟きます。

 

うーん、恋は人を詩人にしますね、十兵衛とは身分違い、そして片思いだった、二重の意味で手が届かなかったんですね。それを聴いた伊呂波太夫、うんうんと頷いて「世の中は辛い事があったら、必ず良い事があるんだよ」と諭します。

燃える本能寺

 

「美濃で良い事は無かったのかい?」伊呂波太夫が聴くと、駒は昔、火事の中から助けてくれたのは美濃の人だったと言います。

伊呂波太夫は笑い、

「じゃあ、命の恩人は分かったようなもんだ、あんたを連れてきたお侍は、着物に桔梗の紋があった」と地面に桔梗の紋を描きます。

駒は、ハッとして美濃で牧からもらった、十兵衛の父の形見の扇子を取ってきました。

「私を助けてくれたのは、十兵衛様の父上だったんだ・・」

十兵衛と結ばれずとも、私は明智家と不思議な縁で繋がっている、それが嬉しくて駒は涙を流すのでした。

 

麒麟がくる第10話 感想あらすじ「十兵衛3度目の御遣い」

悪い顔をする斎藤道三

 

天文十八年、三河で戦が始まり、尾張と三河の国境にある安祥城に今川軍が攻め掛かり落城。信秀の庶子である織田信広が捕らえられてしまいます。そして、今川義元は織田で人質になっている松平竹千代と織田信広との人質交換を求めてきました。これを乱波の報告で聞いた斎藤利政は渋い顔になります。

今川義元

 

今まで、織田家の緩衝地帯だった三河が、竹千代が今川の手に渡る事で今川領になる事を恐れているのです。そうなると、今川と織田は国境を接し合戦は本格化、当然織田は婚姻の(よしみ)で利政に援軍を求めてきて今川義元と事を構える事になる。海が欲しくて織田と結んだのに、虎と戦うのでは割が合わない・・のです。

斎藤道三に対して不満を抱く息子の斎藤義龍

 

斎藤高政(さいとうたかまさ)稲葉良通(いなばよしみち)がそれ見た事かと騒ぎそうですが、とにかく織田家の様子が見たい利政は、「十兵衛、帰蝶(きちょう)のご機嫌伺いで尾張に行け」と命じます。

 

はああああああ?俺、前々回、猿渡城で殺されかけたりしてるんですけどォ!!となる十兵衛ですが、利政は「さっさといけェ!ぐずぐずするな」と怒鳴りつけ強引に話を打ち切ります。

 

「鬼め!命がいくらあっても足りんぞ」十兵衛は珍しく怒り吐き捨てますが、帰蝶の嫁入りを勧めた行きがかり上、無関係ではなく行くしかないのでした。

ちょっとしたことでブチ切れる織田信長

 

その頃、末盛城(すえもりじょう)では、信長と信秀が竹千代と信広の人質交換を巡り激論していました。信秀は子供の命には代えられんと竹千代を渡そうとしますが、信長は竹千代を渡せば、三河は今川の手に落ち、著しく戦況が不利になると人質交換に猛反対します。

 

「腹違いとはいえ、そなたの兄ぞ」と苦笑する信秀に信長は「兄なら切腹して家に迷惑を掛けないのが武士として当然」と切り捨てます。そうです!冷たいようですが、信長の言う通り、ここで情に流されては、今まで領地を守る為に虫けらのように死んだ織田家の人間が報われません。

 

信長が怒りながら出て行くと、土田御前が信長の酷薄な気性を詰り、織田家の跡取りには次男信勝が相応しいと信秀に意見します。しかし、信秀は天の定めた摂理を変えると禍が起きると退けました。

 

麒麟がきた

 

麒麟がくる第10話 感想あらすじ「菊丸をさがせ」

菊丸(麒麟がくる)

 

ブチ切れたのか、今度は変装もしないで普段のなりで尾張に入った十兵衛、すぐに尾張旅行のコンサルタント菊丸を探して「味噌をくれ、城に持って行く」と頼みます。那古野城(なごやじょう)への道すがら、菊丸は竹千代が城を移されるという情報を聴いたと十兵衛に伝え、それが本当かどうかを確かめたいと言います。

 

十兵衛は探るように、竹千代君は織田と今川のどっちに居た方が幸せだろうかと聞くと、菊丸は「どっちでもよい、ただ無事であり、将来、三河の領主となってくれれば」と言いました。那古野城に入り、帰蝶に再会する十兵衛。

斎藤道三の娘・帰蝶

 

すでに十兵衛への想いを吹っ切ったような帰蝶は、利政から味噌の贈物を持ってきたという十兵衛に、父上がそんな心遣いをする筈がない、おおかた尾張の様子を探りに来たのだろうと言い当てます。一方の菊丸は、味噌を入れる台所に向かうとそのまま姿を隠します。そんな時、鉄砲でイノシシを仕留めて上機嫌の信長が戻ってきました。熱田の海岸であった時から、二度目の再会です。

 

麒麟がくる第10話 感想あらすじ「愛を取り戻せ」

火縄銃(鉄砲)

 

上機嫌で戻ってきた信長に帰蝶は「以前、鉄砲に興味があると紹介したものです」と十兵衛を紹介します。信長は興味を示して、自分の鉄砲を差し出し「誰が造ったか分かるか?」と聞きます。十兵衛が「南蛮のものではなく、国友か紀伊のものでは?」と即答すると信長は感心し

「わしの部下の助太夫に造らせたのだ。大した見立てだ、上れ」と十兵衛を屋敷に上げ部屋に通します。

織田信長

 

着替えてから十兵衛の前に来た信長は「お主、前に熱田の港で会ったな、、あそこで何をしていた?」と尋ねます。

 

「ある方の頼みで信長様に会いにいきました」と十兵衛が答えると「誰に頼まれた?」と信長が真顔になり聞きます。

やばい、返答を間違うと斬られるパターンです。

 

十兵衛が困っていると帰蝶は、「私が頼んだのです、信長様がどのようなお方か見て来いと」と助け船を出します。

 

「で、、わしはどのように見えたと?」

「よくわからないと申しておりました」

信長は帰蝶の返答に大笑います。

資金が豊富な織田信長

 

「うん、そうじゃ、わしにもわしが何者か分からぬ」

そこで十兵衛が釣りがお好きなのですか?と聞くと、信長はいや、特に好きではないと答えます。

 

「わしは、母上に嫌われていた、、母上は色白で自分に似た容姿の信勝が好きだったのだ。母上に喜んで欲しくて、わしはある時、大きな魚を釣り上げて母上に差し上げた、、その時、母上は初めて喜んでくれたのだ。それからわしは、毎日、魚を釣って母上に差し上げた、、だが喜ばれるどころか、母上はわしを避けるようになった。母上は、わしが嫌いで、信勝に織田家の家督を継がせたいのだ。それから、わしは魚を釣っては領民に安く売るようになった。わしが大魚を釣ると領民は喜ぶのだ。わしは、皆の喜ぶ顔が好きだ」

テレビを視聴するkawauso編集長

 

こじらせてますねェ、なんだか発達障害のようです。自分が喜ぶ事は他人も喜ぶと思い込み、一度褒められた行為を何度繰り返しても褒めてもらえると疑わない。土田御前(どたごぜん)は、毎日、毎日、魚を持ってくる信長を異様に感じたのでしょう。それで嫌うようになって、より信勝を偏愛(へんあい)したのです。

 

麒麟がくる第10話感想あらすじ「最強の七歳児」

若い頃の徳川家康(松平元康)

 

その時、竹千代がやってきたと家臣が信長に告げます。信長は部屋に通すように言うと、竹千代は大きくて重たい、将棋盤を持ち信長の前に置きます。将棋を指してくださいと頼む竹千代に、信長は童と将棋は指さぬと拒否します。

 

「私に負けるのが怖いのですか?」

「たわけ・・」

「信長様が、私の父を殺したから遠慮しているのですか?」

 

七歳とは思えない竹千代の言葉に信長は真顔になります。

 

「父が殺されたのは致し方がない事です。情けは無用に願います」

「おう」

信長は、竹千代の覚悟に敬意を表し、将棋の駒を並べ始めます。

明智光秀を信頼する織田信長

 

それを見て十兵衛は、そろそろ失礼すると言うと、竹千代と将棋を指していた信長が突然追ってきて、鉄砲の話がしたいので明日も来るように言います。さらに貧しそうな十兵衛を見て、銭はあるか?と聞き尾張の旅籠(はたご)は高いので、いくらか持たせよと帰蝶に命じました。ドケチの利政と違い、信長は気前がいいようです。てか、そんなに引き留めたいなら、城に泊めてくれたりはせんのかい!

 

麒麟がくる第10話感想あらすじ「今回の菊丸さん」

戦う忍者

 

再び、竹千代と将棋を指し始めた信長は、人質交換の事で迷っていると打ち明けます。竹千代を今川に引き渡したくないが、そうせねば異母兄の信広が殺されるので、どうすべきか悩んでいるのです。それに対し、竹千代は、自分はどちらでもいいと言い、

 

「今川はいつか討つべき敵だが、その敵を自分はよく知らない、だから懐深く入り敵を見てみたい、敵を倒すには敵を知る事」と孫子を引き合いに出します。末怖ろしい七歳児、信長も口では童と言いつつ、全く子供扱いしません。

 

そんな竹千代と信長を天井裏から菊丸が見ていました。いよいよ、忍者らしい正体を表した菊丸さん、次はどんな手を打つのでしょうか?

 

麒麟がきたライターkawausoの独り言

テレビを視聴するkawauso編集長 ver.2

 

織田信長を合理主義者でドライな革命児として見ず、多くの部下やライバルに裏切られ続けた不器用な人と見るのは、金子拓の「織田信長不器用すぎた天下人」に見られます。そこでは、善意を押し付ければ善意が返ってくると無邪気に信じ、部下の裏切りに狼狽(うろた)え、ライバルの裏切りに自分を棚に上げて怒り狂う、人の心が読めない信長像が描かれます。

 

染谷将太演じる織田信長は、そんな最新の信長に立脚しているようなので、今後の展開が楽しみですね。

 

参考文献:NHK大河ドラマ麒麟がくる完全ガイドブック(前編)

 

前回記事:麒麟がくる第9話 感想あらすじ「信長の失敗」麒麟がきた

関連記事:【麒麟がくる】松平広忠はどんな人?家康の父の空しい生涯

 

織田信長スペシャル

 

 

 

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台湾より南、フィリピンよりは北の南の島出身、「はじめての三国志」の創業メンバーで古すぎる株。もう、葉っぱがボロボロなので抜く事は困難。本当は三国志より幕末が好きというのは公然のヒミツ。三国志は正史から入ったので、実は演義を書く方がずっと神経を使う天邪鬼。

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